切れ切れ爺さんの徒然撮影&日記

主に寺院や神社等を中心に、文化財の撮影と紹介。
時に世の中の不条理への思いを発言していく。

G20大阪サミット「おもてなし」てなんや? あほらしぃ

2019-06-28 23:53:59 | 社会

● G20大阪サミットが始まった。

 Gと言うのは何なのか。一般の人はあまり知らないと思うが、簡単な英語。つまりグループの頭文字ジーだ。20とは何か。20の国のことだ。20の国とは何だ。経済的影響力の強い国々、あるいは今後経済的に伸びてくる新興国を自分らが勝手に選び出して、20カ国にしたグループと言う事だ。
 まぁ簡単に言えば「経済的に裕福な国」、「経済成長率が高く将来有望と思われている国」らしい。この連中のトップたちが集まって、何やら話し合いなのか、単なる顔合わせなのか、あるいは友達関係を深めるのか知らないが、とにかく20カ国のトップが一堂に集まって開く会議らしきものだ。

● 何がきっかけで、何をする会議なのか。
 きっかけはもうずいぶん前になるが、世界的に大きな影響を与えたリーマンショックと言うことらしい。放漫経営の末にアメリカの巨大銀行が破産すると言う、大きな経済的事件に、アメリカだけが損害を被るならまだしも、今や貿易で世界がつながっている状況の中で、世界の多くの国々が大きな経済的損失を出し、その尻拭いは各国の一般国民が背負わされることになった。
 こんなふざけた話があるのか。いずれにしろこのリーマンショックをきっかけに、世界の経済的主要国が集まって話し合おうと言うことになったようだ。どんなことを話すのか。やっぱり経済問題だ。当然付随して貿易問題。さらにくっついて各国の格差問題。そして何よりも重要なのは、資本主義経済の中で、独占的な地位を占めている大金融機関が破たんしないように、お互いに協力しあおうと言うことらしい。
 そんな話し合いで何かが決まるのか。本来こういった問題はもっと広い視点から、国際連合で話し合う議題になるはずのものだ。

● 国連を無視してなんで自分ら20カ国だけでやるのか。
 多分国連なんかでやると200カ国近い多くの国々で、意見がまとまらず、どの国も投票の際には一票の権利があると言うことに対して、主要先進国は大いなる不満を持っている。だから国連などを無視してもいいと言う姿勢だ。
 選ばれた20カ国はまさしく「選ばれた」のだ。当然ほとんどの国は経済的な強国であり、世界に与える影響も大きい。貿易面でも桁違いの取引を行い、世界中から「富」を懸命に収奪している。そのためには余計な発展途上国などを無視して、自分たちがいかに富を増やし、裕福になれるのか、ということを話し合う、お友達会議と言うことだ。


● 大阪のG20はどんなものなのか。
 真っ先に気になったのは、一般国民の生活を徹底的に規制して不自由さを強いて、店などは減収を余儀なくされることだ。国民犠牲のもとに行われるお友達会議だ。
 次に気になったのが、G20のためにいくらぐらいのお金がかかるのか。以前行われた伊勢志摩サミットでは総計800億かかったと言われている。
 今回いろいろ調べてみたが、結論から言うとわからなかった。ただ少なくとも国費として約450億円。大阪府はどれだけ出すのか。大阪府の一般会計予算の細々した項目がバラバラに載っているだけで、要するに大阪府全体としてまとめたら、どのくらいの出費になるのか、さっぱりわからないような状態になっていると言うことだ。
 一方でG20大阪への経済効果は約360億位だと言う数字が出ていた。ほんまかどうかわからんが、まぁ結構適当な数字なんだろう。しかしそれにしてもこんなお友達会議のために、我々の税金も投入されていると言うのは許されない。全く腹が立つ。

● G20大阪サミットのテーマとは。
 推進協議会のホームページがあるので見てみると、「大阪で世界の未来を作る」とあった。全く意味不明。何が言いたいのかわからない。
 大阪府民向けのアピールのスローガンとして、「大阪・関西の魅力を世界に発信」、「大阪・関西の知名度や都市格が向上」、「大阪・関西万博に向けたステップアップ」、全部抽象的な表現で意味がわからない。そもそもG20の存在意味からしても、的外れなずさんなスローガンだ。
 こんなものを日本国民全体どころか、大阪府民ですら知らないだろう。大阪府民からしたら20カ国の偉いさんがやってきて、何か話したり仲良しに、そして我々下層民衆には経験すらできない、素晴らしい「おもてなし」を受けることになっている。もちろんもちろん、これらの経費も全部日本全国民と大阪府民が納めた血税から支払われるわけだ。

●「おもてなし」ってどういうことや。
 今や毎日毎日うんざりするほどテレビCMでは、「東京2020」と言う言葉が溢れかえっている。たんまり金を出している企業にとっては、「われわれは東京2020のオフィシャルパートナー」などと宣伝に大いに力を入れて、好印象を与えようとしている。
 堕落しきったオリンピックと言うものに、相変わらず群がる輩がいっぱいいるわけだ。そういえばオリンピック委員会の委員長もやっと退任した。招致委員会の不祥事をフランス警察当局がいまだに捜査を続けている。まさに「東京2020ブラック・オリンピック」と言うのにふさわしい。
 この招致委員会がアピールしたときに使われた言葉が、「おもてなし」だった。誰が誰のために、何のために誰の金を使って、「おもてなし」をすると言うのか。もともと経済的に豊かな国々の、さらにトップの連中は金には困らず、死ぬまで裕福な生活を保障されているような連中だ。
 そんな奴らになぜあえて大金を使って「おもてなし」をする必要があるのか。どうしてもG20と言うものが必要と言うならば、集まってちゃんと会議だけやればいい。会議のことなんかよりも、日本観光旅行、おいしいもの食べられる旅行、てな感じなんだろう。

●マスメディアの報道姿勢は。
 新聞はまだしも、テレビのニュース情報番組見てると全く馬鹿馬鹿しくてアホらしくなってくる。
 各国のトップが来ることを喜んで、人種差別主義者のトランプ大統領が来てそれを見ようと、多くの群衆が殺到してる様子を放映しながら、アナウンサーやレポーターも興奮していると言うみっともなさ。全然関係のないファーストレディーと言われる連中が京都の東福寺を訪れた様子を、服装の事なんかも含めて楽しげにしゃべっているコメンテーター達。
 マスメディアは世界中から来ているが、少なくとも日本のマスメディアは批判的な捉え方は一切しない。何もかも肯定的に、うれしそうに報道している。これがマスメディアによる「おもてなし」なんだろう。
 日本のマスメディアも今や劣化はどんどん進み、奈落の底に沈む沈みこんで行っている真っ最中だ。この件についてはまた改めて書くことにする。もう彼らにはプライドと言うものがないんだろう。あんな無様な姿見てると、同じ国民としても嫌気がさす以外何もない。

● 世界中において本当に大事な事は。
 G20の連中もマスメディアもほったらかし。これらの連中は自分たちの経済や貿易における、あるいは貧困国からの移民問題の防御なんかを含めて、いかに自分たちが富を収奪できるかと言う観点で集まっている。逆に言えば、それ以外の発展途上国と言う名の貧困国と言うのは邪魔な存在なわけだ。
 しかしこのような世界の国々の極端な格差と言うのは、元はと言えば誰が作ったのか。まさしく今G20に集まっている国々だ。中世から近世にかけて、主にヨーロッパではアジアから富を貪り、アフリカ大陸からは奴隷を連れてきて、金やダイヤモンドを収奪し、近代においてはそこに、アメリカも加わり、石油利権を独占し巨大な富を築き上げる。鉱物資源や人的資源を収奪された貧困国にとってみれば、たまったもんではない。
 本来公平な経済取引がなされていれば、アフリカにも大きな富がもたらされ、先進国と言われるような国もいくつも登場しているはずだ。背景にはただ単に富の収奪だけではなく、人種差別問題や宗教問題なんかも絡んで、先進国は自分たちの思う通りにならないと、「戦争」と言う方法を使って強引に自分たちの利権を貪り、また守りそしていっそう増やしてきた。
 その結果今現在、各地で貧困国同士が争い殺し合いをし、さらに悲惨な状況に陥り、移民問題なんかが大きな課題になってきている始末だ。先進諸国は自分たちの責任を本当は知っているんだろうが、知らぬふりして自分たちの「豊かさ」を守るのが当然だ、と言わんばかり。
 こういった問題は国連で取り上げられているが、先進主要国は自分たちの不利になることには賛成は絶対にしない。だから肝心な事は何も決められない。だからG7とかG20なんて言うものが作られる。
 日本はアメリカの家来なので、国連でもアメリカのする通りのことを真似している。G20も先進国として偉そうな立場で、今回は主催国となっている。主催国では無い。主催都市となっている。

● 日本は「おもてなし」なんて言う言い方で、結局はへりくだっているだけだ。
 ここまで書いてきていい加減嫌になってきた。「先進国」と言う選民思想にまみれたこの言い方に腹が立つ。
 この文章ではあえて発展途上国のことを「貧困国」と表現したが、これは教育現場や社会の中では使ってはいけない表現だ。しかし発展途上国と言う言い方ではかなり曖昧で、ごまかされてしまう。一部のテレビでは最貧国と言う言い方を耳にしたことがある。そうしないと真の実態がなかなか伝わらない。
 世界に蔓延している経済的な格差や宗教的な争い、富と貧困の問題、そして地球規模の温暖化問題やプラスチックゴミ問題等、重要な課題がいっぱいあるのに、G20なんかでは、そんな事はどうでもいいんだろう。とっととお仲間会議は終えて帰ってもらいたい。

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