切れ切れ爺さんの徒然撮影&日記

主に寺院や神社等を中心に、文化財の撮影と紹介。
時に世の中の不条理への思いを発言していく。

2022年 京都の桜 醍醐寺 京都市伏見区     2022.4.8

2022-04-14 21:43:52 | 撮影
 

『醍醐寺
 真言宗醍醐派の総本山で、平成六年(一九九四)に世界文化遺産に登録された。山上の上醍醐と山下の下醍醐から成る壮大な寺で、天暦五年(九五一)に完成した京都府域最古の五重塔(国宝)をはじめ、四万点にも上る多くの国宝や重要文化財を有している。
 平安初期の貞觀十六年(八七四)に理源大師聖宝が、笠取山(上醍醐)に登って観音像を彫刻し、安置したのが当寺の始まりとされており、延喜七年(九〇七)に醍醐天皇の勅願寺となり、次第に大伽藍が整えられた。応仁の乱や文明の乱により、五重塔を残してすべて焼失したが、慶長三年(一五九八)に豊臣秀吉が北政所らを醍醐の花見に誘ったことをきっかけに、秀吉の厚い帰依を受けて復興された。
 本堂の金堂(国宝)は、慶長四年(一五九九)に紀州(現在の和歌山県)湯浅の満願寺から移築したものといわれ、三宝院庭園(特別史跡及び特別名勝)は、華麗で豪華な桃山時代の庭園で、秀吉の権勢をしのばせている。霊宝館には、薬師如来坐像(国宝)や秀吉所用の黄金天目茶碗などが収蔵されており、毎年春と秋に公開されている。
 毎年四月第二日曜日には、千三百人を従えて盛大に行われたとされる当時の花見に倣って「豊太閤花見行列」が行われ、多くの人でにぎわう。
 京都市』  (駒札より)

   

 醍醐寺は言うまでもなく、京都でも有数の著名な寺院であり、春の桜と秋の紅葉は特に境内全域に見事な色を放っており、大勢の観光客で賑わう。山科盆地にあるが行政区としては伏見区となる。交通の便も極めてよく、地下鉄の駅からも近くまた路線バスも頻繁にお寺の前まで走っている。いわば気軽に行ける割と庶民的な雰囲気が感じられるようなお寺でもある。ただし車で行く場合は駐車場に余裕はあるものの、若干高い。

 醍醐寺には既に何度も訪れており、当ブログにおいても紅葉などを中心に紹介している。3年前の台風19号においては壊滅的なダメージを受け、重要文化財の青龍殿は完全に倒壊し、いち早く修理回復され今は歴史的な古さを残しながら拝見することができる。建物そのものはそれ以外はほぼ無事だったようだ。しかし仁王門を入ったところの山道沿いの両側の森林は、ほとんどの大木が倒れて折れるという事態になり、根元の所から全て伐採されるという状況になり、その状態になってから初めて訪れた時には、余りもの変わりようにびっくりしたのを覚えている。100m以上のこの参道は高い木に囲まれており、これから醍醐寺という大きなお寺の境内に入り、様々な建物や紅葉などを楽しむ上でアプローチになる部分であり、ある意味期待を抱かせるような通り道でもあった。
 それが伐採されたことによって、両側は遠くまで見渡せるようになってしまい、特に北側は少し離れた民家の住宅街がそのまま見えるようになってしまった。とりあえずの処置でお寺の横断幕が延々と張られていて、なんとかイメージを保とうとしているが、これから新しい木の植樹がはじまり、また根が無事であった伐採された木が育って行くのに、何十年もの時間がかかることになる。あまりにも規模が大きいので、必要とされる資金も相当な金額になると思われる。仁王門にはその状態を写真で説明し寄付を募る場所が設けられている。少なくとも私が生きてる間に元の通りに復元されることは全く不可能だろうと思う。

    

 このような被害を受けた醍醐寺ではあるが、さすがに長い歴史という事実を持っており、格式のある堂々たるお寺であって、参道を抜け境内に入ると状況は一変する。満開の桜があちこちに咲き誇り頭上にもしだれ桜が揺れている。復興した青龍殿を拝見し撮影する。とても全壊したとは思えないほど見事に復活している。そして少し離れたところに、国宝五重塔がある。東寺の五重塔には高さでやや及ばないものの、かなり大きな塔でありよくぞ台風の被害を受けなかったものと思う。大勢の人々が桜の花を手前に、五重塔をバックに撮影に励んでいた。この五重塔には仕切りのロープなどがなく、実際に一番下の部分を手で触ることもできるほどだ。
 周囲を桜に囲まれ、続いて五重塔の北側を見るとこれも国宝の金堂が建っている。かなり大きな伽藍であり、広い敷地に堂々と建っている。どうしても観光客の大半の人は五重塔の方に関心が行ってしまって、わざわざ境内を横切って金堂まで行ってみようという人はやや少なめとなる。金堂内には見事な仏像が並んでいるのに、これを見逃す手はない。撮影禁止ではあるものの、拝見して手を合わせるのも非常に良いものだと思う。そのずっと手前には鐘楼があってその周辺にも枝垂桜が並んでいる。
 ここからさらに通路を進んで、中門をすぎしばらく行くと大きな鐘楼が建っており、やがて本堂と庭園が見えてくる。ここらあたりも白い色の桜が並んでいるが、私が訪れたのが満開を少し過ぎていたので、だいぶ散った状況になっていた。本堂では大勢の人が御朱印を書いてもらうために長蛇の列ができている。庭園の池のほとりに行くと、周囲を桜が囲み、白や桃色の花で彩られているはずだが、やはりかなり散ってしまって満開状態に近い桜は半分もなかった。この場所は撮影スポットとなっており、特に若い女性にとってみれば映える場面が撮影できる場でもあり、皆さん盛んに様々なポーズで撮影に熱中していた。
 本来なら池をぐるっと一周して大量の写真を撮るのだが、散ったものが多く今回は撮影は少なめとなる。ここが醍醐寺の一番奥ということになる。後は来た道を引き返す。もちろん撮影する方向や角度構図が違うので、やはり撮影しながら五重塔のところまで戻ってくる。

    

 しかしやはりさすがに醍醐寺。著名な桜の名所でもあり見ていると、次から次へと人がやってくるし観光バスのツアーの団体客もどんどんやってくる。。これがシーズン真っ盛りであればものすごい人になるんだが、ややシーズンを過ぎていたのでこれでもかなり少なめといったところだ。
 醍醐寺のチケットは1500円もする。高い。その代わり三宝院に入ることができるし、宝物館に入ることもできる。バラ売りはできないらしい。今回は醍醐寺そのものに入っただけなのであと2か所のチケットは余っているが、これはこれでいつでも使えるとのこと。私自身は以前に他の2箇所にも既に入っているので、特に時間に余裕があれば入るのだが、大概はあまり余裕がないので入らずに帰ってしまう。車の駐車料金は時間関係なく一律1000円。以前から値上がりした。やはりこの辺りは台風からの復興に伴う値上げというものがあったんだろうと思う。
 醍醐寺の桜のシーズンと紅葉のシーズンを単純比較すれば、いわゆる見栄えとしては圧倒的に紅葉シーズンが素晴らしい。桜はどうしても桜の木がないとどうしようもないが、紅葉については境内に無数にある楓やもみじの木があればそのまま紅葉となるのでボリュームで圧倒されるような感じとなる。どちらのシーズンも見事なのは確かだ。

    
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