切れ切れ爺さんの徒然撮影&日記

主に寺院や神社等を中心に、文化財の撮影と紹介。
時に世の中の不条理への思いを発言していく。

西光寺・・・天平時代!     京都府京田辺市   2024.9.14 訪問

2024-09-17 22:35:22 | 撮影
 

 京田辺市には同じ名前の西光寺が2箇所ある。南の方にある西光寺はすでに当ブログに掲載した。今回は北の方の西光寺だ。場所は観光名所でもある「一休寺」の北側数百メートルのところとなる。付近は古くからの住宅街であり、幹線道路から細い道を入り組んだ中を走って、お寺の前に到着する。大きい車は離合が難しい。

 山門の前が少し広くなっていて駐車することができる。この日は開門されていて、境内に入り参拝もできる状態だった。外から見てすぐわかるように、山門・本堂・壁などの建築物はいずれも新しい。今から80から90年ほど前に、この地に移ってきたのを機会に全面的に新築されたということだ。

  

 浄土宗知恩院派のお寺であり、本尊は阿弥陀如来となる。創建等はよくわかっていないが、古文書によると天平時代に「行基」によって開かれたという。つまり奈良時代初期の創建ということになる。 1300年もの歴史があるということになる。そういった意味では極めて由緒のある古いお寺であり、当時であれば浄土宗 などはなく、天台宗や法相宗などの密教のお寺だったと考えられる。行基は法相宗を学んでいたということなので、当初はこの宗派だったのかもしれない。現在とは別の地にあったという。

 その後、衰退するが安土桃山時代の西暦1575 年「西光比丘」によって再興された。今現在ではこの狭い地域にあって、比較的広い敷地を有しており建物も堂々とした構えで、極めて存在感がある。境内に入り撮影させていただくが、非常によく整備されており、緑も多い。墓地には江戸時代からの古い墓石も含めて新しいものまであったが、一部石造仏が載せられた墓石もある。境内の緑に囲まれた中央に七重石塔があり、一見してかなり風化具合が進んでいる。これは鎌倉時代のものだという。ある意味それだけでも文化財指定されていてもおかしくないのかもしれない。

 

 本尊は平安時代の作とも言われ、他に鎌倉時代の仏師、快慶作ではないかとの話もあるようだ。これといった証拠がないのが残念なところだ。他にも多数の仏像を有しており、書物や絵図等もあるという。残念ながら本堂はしまっていてそれらを見ることはできなかった。

 全体としては新しいお寺のように見えるが、実のところ1300年もの長い歴史を有し、途中、浄土宗に改宗して地域の人々の信仰の対象として、大きな役割を果たしてきたお寺だと言える。近くに一休寺があってそちらがあまりにも有名で、人々はこちらまでは来ない。しかし寺宝の公開日などがあるならば是非とも訪れてみたいものだと思う。

  
コメント
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