金木病院

太宰治のふるさと津軽の金木町。危機に瀕した金木病院がみんなの協力でもちこたえました。

救急再開の現場記録!

金木病院・「陸奥新報」社説

2006年12月13日 12時26分30秒 | 金木病院を守ろう
社説

「金木の救急医療」 まず、厳冬期の態勢維持を


 救急医療ができなくなる。地域住民にとっては大事である。特に病院に通う高齢者や家族の不安は大きい。
 五所川原市の公立金木病院の医師不足による救急指定撤回問題で、平山誠敏市長は非常勤ながら数日前から新たな内科医1人を確保したことを明らかにした。
 一歩前進ではある。これまで外科医3人、内科医3人で救急車搬送患者の受け入れをぎりぎり確保していた金木病院だが、このうち内科医2人の退職に伴い、今年いっぱいで救急車の受け入れができなくなることから、地域から救急体制継続の声が上がった。
 「寝耳に水」の内科医退職に住民は声もなかった。これが明らかになったのが8月18日。しかし「救急体制がなくなれば、どうなるんだろう」という事の重大さに、地域では救急指定継続の声が大きくなっていった。
 西北五地域では2011年度の中核病院開業を目指し、自治体病院機能再編事業を進めている。しかし、来年1月から救急車搬送患者の受け入れはなくなる。とすれば、その間の住民の不安は計りしれない。
 金木病院を取り巻くこの地区は、地吹雪のメッカである。西北の土地で暮らした人なら想像がつくだろう。吹きだまりができ、車が突っ込む事故は冬期間数え切れない。
 中泊町、五所川原市の市浦地区、つがる市車力地区住民にとって、金木病院は「安心・安全」を保証してくれる生命線でもある。
 10月25日には、行政、医療機関を含んだ西北五地域医療研究会が「緊急金木病院応援フォーラム」を開催している。その中で若い主婦は「このままでは子供を産めない。教育環境の改善も進まないのなら若い人も定着しない」と言った。大げさな話ではない。
 11月29日には「金木病院の救急体制を維持する会」が2万35人分の署名を集め、平山市長に手渡している。わずか6日間で、当初1万人を目標としていた署名が2万人を超えたのは地域住民の切実な願いを映し出した証左だろう。
 既に公立金木病院組合管理者の平山市長、副管理者の小野俊逸中泊町長らが県に医師派遣を要請している。しかし、県全体でも厳しい医師不足がある。難波吉雄県健康福祉部長は「すぐにいい返事ができないのがつらい」と述べるにとどまった。
 07年度から3年間、少なくても自治体病院再編による体制が整うまでは、金木病院が地域の住民を守るために万全を尽くすのが、地域自治体の絶対の命題である。
 医師の2人減から、非常勤とはいえ1人を確保した努力は大きい。内科医は東京の医師で、平日には診療に当たっているが、医師配置基準を満たすのはまだ厳しい状況である。
 医師確保の難しさ、それに並行する自治体病院再編による地域医療の確保は、広域合併の課題でもあったはず。まず、あと1人の医師の確保、あるいは他病院からの医師の緊急派遣も含め、厳冬期に入るまでに住民の安心・安全を確保したい。
(12.13)
http://www.mutusinpou.co.jp/news/06121310.html

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社説は社の責任をもって書くものだから、関係者は重く受け止めていただきたい。

さて、医師が二名退職することによって救急取り下げとなるのだから、非常勤1名確保はやはり「一歩前進」というより「半歩」前進だろう。この医師が常勤となる可能性はあるのか、はたまた地域医療のために頑張ってくれるのかはいまだ未知数だ。(文中「わずか6日間」は「16日間」の誤り)

来年早々、五所川原市市議会議員選挙があることも心に留め置きたい。

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