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退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

泣かないで、花を見なさい

2014-10-01 08:41:06 | 韓で遊ぶ

イボタノ木
名前のない1本の木があった。その木の願いは自分だけの名前を持つことだった。他の木は皆名前があるのに自分だけが名前が無いのでその気はそれがいつも不満に思っていた。
しかし、どんなに願っても彼に名前をつけてくれる者はいなかった。仕方なく、自ら「空の木」とか、「星の木」とか言う名前をつけてみても誰もその名前を呼んでくれなかった。名前と言うのは他のひとがしょっちゅう呼んでくれてこそ本当の自分の名前になるものだ。
そんなある日の夜だった。病気になったねずみが1匹こっそりと近づいてきて彼に言った。
「私は病気になった。全身がうずいて痛い。それに私は今寝るところも無い。今日の夜わたしを休ませてくれるか。」
「もちろん、休ませてやるやさ。」
木は、芽の出たばかりの葉を母のように広げてねずみをやさしく休ませた。
「本当にありがとう。よく寝たからもう大丈夫だ。ところでおなかが空いた。何か食べるものは無いか。」
朝になると今度はねずみが泣きそうになりながら腹を撫でながら言った。
「さあ、何も食べるものが無いな。どうしようか。私たち木は露や日差しを食べて生きるからあげるものが無いね。」
木はおなかを空かせたねずみに何かあげることができるかと考えたが、何もあげるものが無くて自分の体の一部である青い葉を少し採ってやった。
「今、私があげられるものはこれだけだ。おなかが空いたからまずこれでも食べてみな。後でもっとおいしいものがあるはずだ。」
ねずみはびっくりした。
「あれ、自分の体を採ってくれるとは。」
ねずみは今までいろいろな木を訪ねて休ませてくれるように頼みもして、食べるものをもらって食べようとしたが、このように自分の葉を採ってくれる木ははじめてだった。
「お前は本当にありがたい木だな。ところでお前は名前をなんて言う。」
ねずみは木の葉をみな食べて彼の名前を聞いた。
「私は名前が無い。」
「いや、名前が無いだって。そんな木がどこにある。」
「本当だ。名前を持つのが私の願いだ。」
木は自分だけが名前が無いと言う事実にいまさらながら心が悲しかった。
「悲しまないで、私が名前をひとつつけてやる。」
ねずみは前足で木の枝をトントン叩きながら悲しむ木の心を慰めてやった。
「その代わり私に頼みがひとつある。毎晩お前の懐で抱かれて寝かせてくれ。お前がどんな木なのか知ってこそ名前を上手くつけられる。」
「いいとも。なるところが無いならばいつでも私のところにおいで。私が休ませてやるから。」
ねずみは毎日のように木の懐に抱かれて寝た。眠る時になると「木に似合う名前は何かな」とよくよく考えたが丁度いい名前が浮かばなかった。
「なぜ名前をつけてくれないんだ。」
木が催促する度に、ねずみは木にぴったりあう名前があると思った。だが、思い浮かぶような無いような感じで、木に合う名前が上手く思いつかなかった。
「早くつけてくれないと、お前を休ませてやらない。」
木は待つことができなくて時々そんな言葉を言ったが内心はそうではなかった。
もはや木はねずみを懐に抱いていないと眠れなかった。名前のようなものはもはやそんなに大きな問題でなかった。ただ、ねずみが訪ねてきて寝るとそれだけで心がとても幸福だった。
ねずみも木の懐に抱かれていなければ眠れなかった。木の懐に抱かれて夜のそれを眺めている時が一番幸福だった。
しかしそんなある日、一晩中雨がしとしとと降った夜のことだった。ねずみが木の懐に抱かれて深い眠りに落ちている時、腹を空かせた猫が1匹ねずみに向ってこっそりと足音を殺して近づいて行った。
木は全身を揺らしてねずみを起こした。
「危ない。起きろ。猫だ。」
ねずみはぱっと目を開いた。素早く体を翻して木のてっぺんに登った。しかし、それ以上逃げるところがなかった。」
瞬間、猫が木の上に素早く飛び上がってねずみの首を噛んでしまった。
「ああ。」
木はねずみの悲鳴を聞きながらぶるぶると体を震わせた。木の体にねずみの血がぽたんぽたんと落ちた。しとしとと降っていた雨にねずみの血が赤く混じって降りて行った。
木はねずみの死体を抱いて夜中中泣いた。
ねずみは腐って木の肥やしになった。

次の年の春、この体に芽が出て花が咲いて実を結んだ。はじめは実が深緑を帯びてだんだん褐色を帯びて後で真っ黒になった。その形がまるでねずみのウンチのようだった。
一人の子供が母親と木の前を通って木の実を見て叫んだ。
「お母さん、これ見て、まるでねずみのウンチみたい。」
「そうだね、どうしてこんなにねずみのウンチと似ているの。この木の名前がねずみのウンチの木みたいだわ。」
そのときから木はねずみのウンチの木(イボタノ木)と呼ばれるようになった。あんなに願っていた名前を持ったのだ。皆がばかげた名前だとからかったがねずみのやさしい心が感じられるその名前が木はすごく気に入った。
コメント
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