伊達だより 再会した2人が第二の故郷伊達に移住して 第二の人生を歩む

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ありがとうララ・・・ララトーク

2017-08-19 15:03:11 | 続猫たちの挽歌
 「ララ・トーク」


 ララは話が好きだ。

 脱走の名人でもある。

 家の網戸はいたる所、破壊の跡だらけだ。

 たまらずに網戸の前に金網の戸をセットした。高さは1メートルくらいだ。

 これでもう大丈夫と思っていたら、今度はその金網をよじ登り、網戸と金網

の間のわずか5センチ足らずの隙間に体をこじ入れ、網戸を押し広げて脱走した。


 ララは放し飼いではない。外には毎日リードで繋いで出す。散歩の時は、リード

を握ってお伴をする。一人歩きには慣れていない。

 土地勘もない。だから脱走しての一人歩きはとても心配なのだ。

 迷子になって帰れなくなるのではないか。

 他の猫と喧嘩にでもなるのではないか。

 どちらも怖い。

 実績もある。一度などはリードを着けたまま脱走に及び、5日間行方不明になった。

3月まだ寒い時季だ。

 この時は役所に連絡したり、警察に連絡したり、手配ポスターをあちこちに貼って歩

いた。


 

 幸い親切な人が「家の物置の陰に入りこんで、人が近付くと唸る変な猫が

いる」と役所に連絡してくれて助かった。


 ララは人に懐かない猫だ。迷子になったら助からないと思っていた。

 5日間本当に心配した。


 だから脱走から痩せて戻った時はよくよく言いきかせた。

 「お前は方向音痴だからすぐ迷子になる」

 「ニャン」

 「迷子になったらノラになるんだョ」

 「ニャッ」

 「ノラになったらお前なんか生きて行けないんだョ」

 「ニャ」

 「ごはんも食べられなくなるんだョ」

 「ニャン」

 「飢え死にしちゃうんだョ」

 「ニャン」

 「ちゃんと分かっているのかい」

 「ニャッ、ニャッ」

 「分かっているならもう脱走したら駄目だョ」

 「ニャン」


     続く


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