物思いにふける乙女ラヴォス・・・
今でも、あの人間たちとの交流の日々が心によみがえります。
人間たちと過ごした20年ばかりの日々は今でもラヴォスたちの宝物です。
ラヴォス村での人間たちのとの交流は、ラヴォス星全体に広がり、ついにラヴォス王は人間たちと謁見することになり・・・ラヴォス王も人間たちを認めました。
遠い遠い過去の記憶の中に「人間は敵」という情報が遺伝子に組み込まれていたラヴォスたちでしたが、歴史認識を改めました。つまり「歴史修正」されたのです。
最初は警戒していた保守系ラヴォスも、最後には仲良くなり、人間のオスのほうとは「闘いの稽古」を通じて、交流していました。
プリマ・ラヴォスは人間たちをバレエの舞台によく招いてましたが・・・ついに、プリマ・ラヴォスの美しさは人間たちに理解されることはなかったようです。
(人間たちはすぐに寝てしまったようです。人間たちによれば、ただ「丸いもの」があっちへ行ったり、こっちへ行ったり、という動きにしか見えなかったそうです)
それでもプリマ・ラヴォスはいじけることはなく、日々、精進に励んでいました。いつかは人間たちにこの芸術を分かってもらえる日を信じて・・・
なので人間たちが帰った後は、保守系ラヴォスもプリマ・ラヴォスもとても寂しそうでした。
人間たちを家に置いて、世話していたラヴォスおばさんも、しばらく気落ちしてました。
もちろん、乙女ラヴォスも寂しくって仕方ありませんでした。その寂しさを紛らわすために、いつになくスイーツの無茶食いをしてしまったほどです。とはいえ、スイーツの無茶食いは、そのときだけに限りませんでしたが・・・(ほんとうは食欲をなくすほうが、乙女らしい行為ですが、ラヴォスに限って「食欲をなくす」なんてことはありえません)
ほかのラヴォスたちも、それぞれ寂しさを抱きました。
メスの人間は発明好きで、いろんな技術をラヴォス村に残してくれました。
今では技術系ラヴォスたちが、引き継いでます。
そう、帰ると決まったときから、メスの人間は鬼のように技術系ラヴォスたちを指導してました。
自分がいなくなっても、残した技術が利用できるように、そして残していく機械や設備のメンテナンスができるようにという優しさからです。普段は、のほほんとしているラヴォスたちも、この時だけは必死でした。
ラヴォスたちは「時間には限りがある」ということを学びました。
そう、どうやら人間の寿命は、ラヴォスのそれよりも、ずっとずっと短いようなのです。
けど、その分、進歩も早いようです。
あの時・・・メスの人間は、技術系ラヴォスを育てつつ、いろんなものを開発し、それを基に「宇宙ロケット」なるものを作ってしまいました。
実は・・・メスの人間は、宇宙船が粉々に破壊され、ラヴォス村に不時着してから、再び、宇宙船を作り上げることをずっと目標にしていたようです。
人間たちは自分たちの星に帰りたがりました。
もちろん、その気持ちはよく分かります。
しかし、そこで問題が起きました。
もしもこのラヴォス星の存在が、ほかの人間たちに知られてしまったら・・・ラヴォス星に人間が攻めてくるかもしれません。
ラヴォスたちはこのことを危惧しました。
ラヴォスは「人間は敵とは限らない」という歴史修正をしたものの、やはり根源的に警戒心を解くことができなかったのです。
ラヴォス村にいる人間たちは「平和的で良い人間」かもしれませんが、人間全てが「良い」と思えるほど、ラヴォスたちは「平和ボケ」することはなかったのです。「人間は敵」という先祖の遺してくれた記憶も無視できなかったのです。
そう・・・いわゆるラヴォスの「歴史問題」です。
話し合いの結果、ラヴォス星をほかの人間に知らせないことを条件に、人間たちの帰還を許しました。
メスの人間は、自分たちの星に帰還したと同時に、宇宙船からラヴォス星の座標軸を示した宇宙地図を削除するよう、セットしました。
つまり、ラヴォス星の位置情報がほかの人間に知られることないようにしてくれたのです。
けれど、それは・・・一度帰ったら、もうラヴォス星には二度と来れないということです。
頭の良いメス人間の頭の中には「ラヴォス星の位置を示す座標軸」は記憶されるので、再び、こっそり来ようと思えば来れるでしょう・・・でも、ほかの人間にそのことが漏れてしまえば、ラヴォス星の位置が分かってしまう危険性があります。
人間たちが自分の星に帰るということは、ラヴォスたちとの永遠の別れを意味しました。
人間たちが帰ることが決まってからは、人間たちとラヴォスは限り有る時間を大切に、楽しく過ごしました。
乙女ラヴォスは思います。
人間にいろんなことを教わったけど、その中でも「寂しさ」という感情を教わった気がしました。
人間たちと過ごした時間は、まるで「お祭り」のようでした。「夢」のようでした。
夢の終わりに・・・寂しさは懐かしさへと変わり、ラヴォスたちはまたいつもの日常へと戻っていきます。
今でも、あの人間たちとの交流の日々が心によみがえります。
人間たちと過ごした20年ばかりの日々は今でもラヴォスたちの宝物です。
ラヴォス村での人間たちのとの交流は、ラヴォス星全体に広がり、ついにラヴォス王は人間たちと謁見することになり・・・ラヴォス王も人間たちを認めました。
遠い遠い過去の記憶の中に「人間は敵」という情報が遺伝子に組み込まれていたラヴォスたちでしたが、歴史認識を改めました。つまり「歴史修正」されたのです。
最初は警戒していた保守系ラヴォスも、最後には仲良くなり、人間のオスのほうとは「闘いの稽古」を通じて、交流していました。
プリマ・ラヴォスは人間たちをバレエの舞台によく招いてましたが・・・ついに、プリマ・ラヴォスの美しさは人間たちに理解されることはなかったようです。
(人間たちはすぐに寝てしまったようです。人間たちによれば、ただ「丸いもの」があっちへ行ったり、こっちへ行ったり、という動きにしか見えなかったそうです)
それでもプリマ・ラヴォスはいじけることはなく、日々、精進に励んでいました。いつかは人間たちにこの芸術を分かってもらえる日を信じて・・・
なので人間たちが帰った後は、保守系ラヴォスもプリマ・ラヴォスもとても寂しそうでした。
人間たちを家に置いて、世話していたラヴォスおばさんも、しばらく気落ちしてました。
もちろん、乙女ラヴォスも寂しくって仕方ありませんでした。その寂しさを紛らわすために、いつになくスイーツの無茶食いをしてしまったほどです。とはいえ、スイーツの無茶食いは、そのときだけに限りませんでしたが・・・(ほんとうは食欲をなくすほうが、乙女らしい行為ですが、ラヴォスに限って「食欲をなくす」なんてことはありえません)
ほかのラヴォスたちも、それぞれ寂しさを抱きました。
メスの人間は発明好きで、いろんな技術をラヴォス村に残してくれました。
今では技術系ラヴォスたちが、引き継いでます。
そう、帰ると決まったときから、メスの人間は鬼のように技術系ラヴォスたちを指導してました。
自分がいなくなっても、残した技術が利用できるように、そして残していく機械や設備のメンテナンスができるようにという優しさからです。普段は、のほほんとしているラヴォスたちも、この時だけは必死でした。
ラヴォスたちは「時間には限りがある」ということを学びました。
そう、どうやら人間の寿命は、ラヴォスのそれよりも、ずっとずっと短いようなのです。
けど、その分、進歩も早いようです。
あの時・・・メスの人間は、技術系ラヴォスを育てつつ、いろんなものを開発し、それを基に「宇宙ロケット」なるものを作ってしまいました。
実は・・・メスの人間は、宇宙船が粉々に破壊され、ラヴォス村に不時着してから、再び、宇宙船を作り上げることをずっと目標にしていたようです。
人間たちは自分たちの星に帰りたがりました。
もちろん、その気持ちはよく分かります。
しかし、そこで問題が起きました。
もしもこのラヴォス星の存在が、ほかの人間たちに知られてしまったら・・・ラヴォス星に人間が攻めてくるかもしれません。
ラヴォスたちはこのことを危惧しました。
ラヴォスは「人間は敵とは限らない」という歴史修正をしたものの、やはり根源的に警戒心を解くことができなかったのです。
ラヴォス村にいる人間たちは「平和的で良い人間」かもしれませんが、人間全てが「良い」と思えるほど、ラヴォスたちは「平和ボケ」することはなかったのです。「人間は敵」という先祖の遺してくれた記憶も無視できなかったのです。
そう・・・いわゆるラヴォスの「歴史問題」です。
話し合いの結果、ラヴォス星をほかの人間に知らせないことを条件に、人間たちの帰還を許しました。
メスの人間は、自分たちの星に帰還したと同時に、宇宙船からラヴォス星の座標軸を示した宇宙地図を削除するよう、セットしました。
つまり、ラヴォス星の位置情報がほかの人間に知られることないようにしてくれたのです。
けれど、それは・・・一度帰ったら、もうラヴォス星には二度と来れないということです。
頭の良いメス人間の頭の中には「ラヴォス星の位置を示す座標軸」は記憶されるので、再び、こっそり来ようと思えば来れるでしょう・・・でも、ほかの人間にそのことが漏れてしまえば、ラヴォス星の位置が分かってしまう危険性があります。
人間たちが自分の星に帰るということは、ラヴォスたちとの永遠の別れを意味しました。
人間たちが帰ることが決まってからは、人間たちとラヴォスは限り有る時間を大切に、楽しく過ごしました。
乙女ラヴォスは思います。
人間にいろんなことを教わったけど、その中でも「寂しさ」という感情を教わった気がしました。
人間たちと過ごした時間は、まるで「お祭り」のようでした。「夢」のようでした。
夢の終わりに・・・寂しさは懐かしさへと変わり、ラヴォスたちはまたいつもの日常へと戻っていきます。