ラヴォス村へようこそ

RPGクロノトリガーのラスボスだった「ラヴォス」を、お茶目なキャラに改変し、物語みたいなものを綴ってます。

ラヴォス村の珍事その2

2012-10-29 | ラヴォス物語
「人間らしき生物体」が乗っていたという機体の一部を見れば、少しでも【人間像】をつかめるかもしれないと、乙女ラヴォスはラヴォス村に落ちていった粉々に散った機体を探してみることにしました。

もちろん、お友だちの美少女ラヴォスやラヴォスお嬢様、ひっそりラヴォスにラヴォス坊やも一緒です。
ちょっとした探検気分です。

探検には、やはりお弁当が欠かせませんっ♪
「探検する」という話を聞いたラヴォスおばさんが、おにぎり弁当を作ってくれました。

機体が散ったであろうところを適当に探検してみるうち、お腹が空いたので、さっそく、おにぎり弁当をいただくことにしました。

実は、探検よりも、お弁当を食べることのほうが楽しいラヴォスたちです。

お海苔の香りがたまりません。
玉子焼きも美味しいです。

機体が見つからなくても、これだけで満足です。


ところが・・・そこへ・・・

ああ、なんということでしょうか・・・
ラヴォス星では見たことがない生物体が現れたのです。

乙女ラヴォス、美少女ラヴォス、ラヴォスお嬢様、ひっそりラヴォスにラヴォス坊やは、びっくりしつつも、食事を続けました。

ちなみにラヴォスは、お腹がいっぱいになるまで食事を中断することは、めったにありません。
様子見をしながら、とりあえず食事です。まず食事なのです。最強の生物ラヴォスだからこその余裕です。

ラヴォスお嬢様などは、その生物体に気がついていないのでは?と思ってしまうほど、食事に没頭しています。

乙女ラヴォスはおにぎりを食べながらも、その生物体をじっくり観察することにしました。
「まさか人間?」と、ちょっとワクワクです。

不思議なことに「怖い」とは思いませんでした。
「邪悪なオーラ」「不快感」を感じなかったからです。

その「人間と思われる生物体」も攻撃もしてきませんでした。ただただラヴォスたちが食べている「おにぎり」を見ているようです。口らしきものから、よだれがでているようです。
なんか「グウグウ」とお腹らしきものを鳴らしているようで、なかなかユニークな動物のようです。

乗り物は粉々になって破壊されたと思ってましたが・・・
乗り物の大半は破壊されつつも、破壊を免れた小さいカプセルのようなものに人間は乗っていて、無事にラヴォス星に不時着したのでしょうか・・・

乙女ラヴォスが最後のおにぎりを口にしようとしたとき、人間は、奇妙な声を出しました。
そして、人間は体を折り、頭らしきものを地べたにくっつかせます・・・
なにやら「お願い」みたいなことをされているのだ、と乙女ラヴォスは感じました。

もしかして「おにぎりが欲しいのかしら」と乙女ラヴォスは察しました。

でも、おにぎりは乙女ラヴォスだって食べたいです。
たくさん食べて、お腹はすでに満たされてますが、それでも食べたいのがラヴォスなのです。

ただ、乙女ラヴォスの食事を中断させるほど、人間の「お願い」には必死さがありました。

このまま無視をして、おにぎりをあげないのは、乙女としていかがなものかしら・・・と、乙女ラヴォスは「食べたい心」と「乙女としての慈悲」を量りにかけた結果・・・なんと「乙女としての慈悲」が勝ったようです。

さすが乙女ラヴォスです。
乙女の中の乙女です。

また、乙女ラヴォスの食事を中断させるとは・・・この人間も、なかなかやります。

乙女ラヴォスは改めて「人間」を観察しました。

頭らしきところは、赤い毛が逆立ち、なにやら「白いもの」を巻いているようです。
頭に白いものというと、プリマ・ラヴォスのバレエの衣装を思い出します。
それと似たようなものかしら・・・
この人間も「プリマ」なのかしら?

でも、丸みがまるで足らないせいでしょうか・・・優雅さが感じられません。
もし、この人間がプリマだったとしたら、ぜひとも、プリマ・ラヴォスの優雅さを見習って欲しいものです。

人間の体は、蒼いもので覆われていて、ラヴォスでいうところの「腹巻き」に近いものでしょうか。
そこに細長い棒のようなものを下げているようです。

おにぎりは惜しいけど・・・葛藤しつつも、乙女として「慈悲」を施すことにしました。
乙女ラヴォスはうやうやしく、人間におにぎりを差し出しました。
そう、慈悲を施すのも、心優しい乙女としての大切な行為なのです。

すると、人間はひたすら頭を下げながら、おにぎりを食べ始めました。

なかなかの食べっぷりです。
ラヴォスおばさんが見ていたら喜ぶでしょう。

美少女ラヴォスも、ひっそりラヴォスも、ラヴォス坊やも、その様子を見ていました。
もちろん、食事をしながらです。

ラヴォスお嬢様は食べることに没頭し、あまり気にならないようです。
危険を察知し戦闘モードに入らない限り、ラヴォスお嬢様は食事に集中しているでしょう。どこまでもマイペースなラヴォスお嬢様です。

ひっそりラヴォスと、ラヴォス坊やも、お腹がいっぱいになったことだし、乙女ラヴォスに習って、人間に最後のおにぎりをあげてみることにしました。
なんとなく「丸い心」で慈悲を施してみたくなったのです。好奇心もあります。

そう、食欲より好奇心が勝ったのです。
これはラヴォスにとって、めずらしいことです。

すると人間はまた悦びを表しながら、おにぎりを受け取りました。
人間から、感謝の気持ちが伝わってきます。

その様子を見て、やっぱり人間って、そう悪い動物ではないのではないかしら、と乙女ラヴォスはますます思いました。
それに感謝をされるというのは、やっぱり気持ち良いものです。


そこへ・・・

ああ、なんということでしょうか。

なんと・・・
「頭に紫色の毛が生えている人間」も現れました。

顔らしきところに、なにやら「2つのガラス玉」をつけて、なかなかに珍妙な格好をしています。
体は橙色のもので覆われています。

「赤い頭の人間」と違って、なにやら怒りを表しているようです。

でもラヴォスに怒っているのではないようです。
その「赤い頭の人間」に向かって、怒っているようです。

その怒りっぷりに「もう少し丸くなればいいのに」とラヴォスたちは思いました。

美少女ラヴォスもお腹が満たされたことだし、ここで慈悲を施さないのは、「丸きことを良しとするラヴォス」としていかがなものか、と思い、その「紫の頭の人間」に「残ったおにぎり」を差し出してみました。

すると「紫の頭の人間」もお腹がすいていたのでしょうか、照れくさそうに、おにぎりを受け取りました。赤い頭の人間と同じく、感謝の気持ちも伝わってきました。
怒りもちょっと収まったようです。

「美味しいものは心を丸くする」は人間の世界にも通じるようです。

ちなみに、ラヴォスお嬢様だけは、欲望に忠実に、おにぎりを人間に施すことなく、しっかりいただきました。さすが、どこまでもマイペースなラヴォスお嬢様です。

おにぎりを施したラヴォスに感謝するこの人間たち・・・
乙女ラヴォスは、ひょっとしてこの人間たちと仲良しになれのでは、と期待でいっぱいになりました。

でも・・・宇宙空間では、ラヴォスたちに攻撃されて、そのために「乗り物」が破壊されたのに、この人間たちはラヴォスを怖がらずに、また近寄ってくるなんて、ちょっと不思議です。

そう・・・宇宙空間では、ラヴォスたちは「戦闘モードに変身」し、体の形も大きさも見た目が違うので、同じ生物だと気づいていないのかもしれません。

戦闘モード時のラヴォスは、硬質な体になり、かなり大きな刺々しい殻を身につけます。
けど、今は体のサイズも小さく、この人間と同じくらいで・・・殻はありません。


ところで・・・
あの「乗り物」に乗っていたのは、この2匹のみのようです。ほかには人間はいないようです。

本物の人間に出会えて、しかも、そんなに悪くなかったどころか、友だちになれそうな感じもして・・・乙女ラヴォスの心は弾んでます。いえ、乙女ラヴォスだけではなく、美少女ラヴォスも、ひっそりラヴォスも、ラヴォス坊やも興味津々のようです。ま、ラヴォスお嬢様だけは何を考えているのか、分かりませんが。(おそらく何も考えていないでしょう・・・)




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