ラヴォス村へようこそ

RPGクロノトリガーのラスボスだった「ラヴォス」を、お茶目なキャラに改変し、物語みたいなものを綴ってます。

保守系ラヴォス

2010-11-21 | ラヴォス物語
ラヴォス村の地中で、長い眠りから覚めたラヴォスがいました。
このラヴォスは、つい数億年ばかり前に、この星のラヴォスたちのテレパシーに導かれて、宇宙からやってきたのです。宇宙での長旅に疲れ果てていたので、とりあえず地中に潜って、休んでました。そして、そのまま数億年ほど眠ってしまったのです。もちろん、その際に、この星の「すでに人の遺伝子を獲得したラヴォスたち」から「人の遺伝子」もいただきました。

で、目覚めたので、地上に出てみて、改めて村を見てまわったのですが・・・

ああ、なんたることっ・・・
わが同胞の丸々っとしたなさけない小さい姿・・・棘の殻はどうしたのだ・・・体も小さすぎる・・・

と、この保守系ラヴォスは思ったのでした。

この星に初めてやってきた時にも、同胞ラヴォスたちを見て、ちらっと思いましたが、そのときは宇宙での長旅に疲れ果て、とにかく休みたかったので、考える余裕もなく、すぐに地中に潜って眠ってしまいました。

けど、今、すっきりとした頭で、この星のラヴォスたちを観察してみると・・・この星のラヴォスたちは小さく丸々っとして、殻もなく、少々平和ボケをしているようです。いえ、少々どころではなく、大いに平和ボケをしているようです。
おまけに、オスとメスに進化し・・・いえ退化したラヴォスも多数いて、色恋沙汰まで楽しんでいるようです。

同じラヴォスとして、とても嘆かわしく思いました。

保守系ラヴォスが大きい棘棘な殻を背負ったまま、村を徘徊していると、なにやらいい香りが漂ってきました。

と、そのいい香りのする家から、ラヴォスおばさんが出てきました。保守系ラヴォスに気がついたラヴォスおばさんは「そこのあなた、コーヒーでもいかが?」と誘います。
でも、それには、まず体を小さくし、棘の殻も邪魔なので、それもなくすよう、変身=変態しないとなりません。じゃないと、ラヴォスおばさんの家に入れません。

コーヒーなるものの香りに惹かれつつも、保守系ラヴォスは断りました。
あのような情けない姿に変身=変態するなんて、プライドが許しません。

この星のラヴォスたちとは合わないかもしれない・・・と保守系ラヴォスは思い悩みました。

そのとき、「警報テレパシー」が、この星のラヴォスたちの間で飛び交いました。
保守系ラヴォスもキャッチしました。

なんでも、宇宙にこの星へ近づく生命体がいるというのです。その生命体は同胞のラヴォスではありません。
どうやら、その生命体は「人間」らしいとのこと、宇宙船らしきものに乗っているとの情報です。

「人間」はラヴォスにとって、とても厄介な敵です。
もちろん話し合いなど通じないでしょう。

保守系ラヴォスは、同胞を守るために、宇宙へ飛び立ちました。
平和ボケしている丸々っとした同胞も、これで少しは危機感を持つかもしれない、と考えながら・・・

ところが、宇宙にはすでに、殻につつまれた巨大なラヴォスたちが、星を守るように、星を背にして、戦闘態勢に入ってました。

そう、警報テレパシーを受け取ったこの星野ラヴォスたちは、頑丈な殻に身をつつんだ雄雄しい姿に変態していたのです。

この星のラヴォスたちは「平和ボケ」などしてなかったのです。

保守系ラヴォスが振り返ってみると、ああ・・・さっきのコーヒーなるものをご馳走しようとしてくれたラヴォスも来ました。
そう、ラヴォスおばさんです。もちろん殻に身をつつんでます。

ラヴォスおばさんも戦うときは戦うのです。
ちなみに、プリマ・ラヴォスも、パッション・ラヴォスも来ていました。
ラヴォス坊やもひっそりラヴォスも乙女ラヴォスもラヴォスお嬢様も美少女ラヴォスも、後方で、先輩ラヴォスたちの応援にやってきました。皆それなりにビッグサイズとなり、殻に身をつつんでます。

まずは、威嚇射撃です。

ラヴォスニードルは、人間ののる宇宙船へ向けられました。

ものすごい威力です。
このラヴォスニードルが当たれば、宇宙船はひとたまりもないでしょう。
宇宙船はたちどころに方向を変え、宇宙の彼方へ消えていきました。

危機は去りました。

ラヴォスたちは、星に帰りました。

そして、何事もなかったかのように、また元の丸々っとした姿に戻りました。

ラヴォスおばさんはさっそく「祝・危機回避」のパーティーを開きます。

そのとき、保守系ラヴォスも訪ねてきました。もちろんラヴォスおばさんのお家に入れるように、殻を消し、小さなサイズになって。ただ、少々、体が、丸みに欠けるようです。

そう、星へ帰る途中、もう一度、ラヴォスおばさんは、保守系ラヴォスを「ぜひに」と誘ったのです。
保守系ラヴォスは、思いました。そこまで誘ってくれているのに、このお誘いを断るのはいかがなものかと・・・それに、コーヒーなるものを味わってみたかったのもあります。
そして、なんといっても・・・この星のラヴォスたちを見直していました。

保守系ラヴォスだって、べつに戦いが好きというわけではないのです。平和であることに越したことはありません。敵から身を守るための戦い方も忘れずに、平和を享受することが理想です。ラヴォス繁栄を願うのは、同じです。

平和を享受し、そのありがたみを感じるからこそ、戦うべきときには戦えるのです。敵から身を守れなかったら、その平和はなくなってしまうのです。そのことは、この星のラヴォスたちもよく分かっていたのです。

実は、保守系ラヴォスが地中で眠っている間、2度ほど、この星のラヴォスたちによる戦闘訓練も行われていました。そのことも保守系ラヴォスは後で知りました。

こうして保守系ラヴォスも、ラヴォス村の一員になりました。
そのうち「丸きことは良きことかな」ということで、きっと身も心も丸々してくることでしょう。


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