私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

別れの辛さ

2015-07-26 07:56:49 | 日記
 仁徳天皇は黒日売と分かれた後も、
 「ああ、吉備の国へ、あの人を返さなければよかった。なんと切ないのだろうか、此の私の心をどうにかできないものだろうか」
 と、日々お嘆きになっておられたのです。その時の天皇の心持ちを古事記には、
 
 “於是天皇恋其黒日売”<ココニ スメラミコト ソノクロヒメ コイタマイテ>
 
 と、たった8文字で,その深い思いを余すところなく書き綴っております。何てうまい文だとお思いになられませんか??「於是」「恋」という、あたかも映画でも見ているような光景が、この3字の中に生き生きと並べられております。
 高台の窓際で、難波津の向うに広がる遥か彼方の海を見つつ、深いため息を何度も付きながらの、やる瀬ない男の恋の姿を思い起こさせます。

 またまた駄歌を

  ・現世の 無常の風に 流されて
              行方知らずの 波は遥かに

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