ハラグロアケビ

美味しいもの備忘録

驚きの茶室

2010年06月29日 | 旅行
昨年の春、叔母の友人から教えていただいたお茶室のある美術館。
佐川美術館(飛脚便で有名な佐川急便の美術館)内にある、当代の樂吉左右衛門さんが建てたお茶室です。茶室見学には事前に予約が必要とのことで、昨年の京都旅行では断念しましたが、今回は準備を整えて参りました。

土曜日に早朝のこだまで京都へ。8時には京都駅にいるという不思議を味わいました。今回は1泊ですが、終電で帰っても京都を満喫できるかもしれません。JR湖西線で堅田駅まで。バス(片道350円)が50分後にしかないので、タクシーに交渉。1500円で行ってくれるということなので、即決。9時少し前に到着。が、美術館自体が9時30分開館のため、30分以上待たなくてはならないことに。ほとんど雨は降っていなかったので、周囲をお散歩しながら過ごしました。 


まだ入れないので、柵の手前から、建物を映しました。


正面に見えるのが、憧れのお茶室です。
池の中に浮いている感じです。
周りの葦&蒲の緑が何とも美しいです。

開館を待つお仲間が何人もいて、のどかなところにある美術館ですが、すごい集客なのだろうな、と感じました。


一番目に入館し、樂吉左右衛門館へ直行。

いろいろな展示を見る機会があるのですが、ここの展示にはただただ驚きです。
贅沢。至福。感動。語彙が貧困なのですが、時間の流れを感じない、いや、むしろ悠久の流れをひしひしと感じるのでしょうか、とにかく素晴らしい体験ができました。
図録で見たり、誰かから聞いたりするより、自分の目で見て、体験することが本当に素晴らしいと感じました。驚きの展示です。それを朝一番の貸し切り状態で10分ほど過ごせたのはラッキーでした。すぐに他のお客さんが来てしまいましたが…

茶室見学の予約は11時なので、少し休憩。


美術館内のカフェで一服。抹茶アイス最中。(600円)
叔母はこれに竹筒を模した容器に入った水ようかん付き。(850円)
高を括っていたのですが、非常にレベルが高いお味で驚きました。
ほうじ茶の熱さと同じ位に驚きました。

お茶室へはインフォメーションで集合してから移動。1時間ごとの見学はそれぞれ10名までなので、じっくり説明が聞けます。今回は女性8人と男性1人の4グループの構成。「見学の空きあります」と入り口にもインフォメーションの所にもあったので、予約が立て込んでいないときには、フリーでも見学できる幸運もあるそうです。(けど、場所が場所ですから、行くなら絶対お茶室は見た方がいいですので、幸運に賭けることなく予約がお薦めです。)

担当の方は丁寧な説明をしてくださり、見学者からの質問にも細かく答えてくだいました。「敷居が高いわ」とか、「お茶の世界など知らないし」とか思う方でも、少しでも興味のある方ならきっと楽しめる空間だと思います。

水に面した茶室は、もう本当に感動としかいいようがないのですが、今回は葦と蒲の緑が茶室に映り込んできて美しかったのです。秋にはその緑が黄葉し、夕方には金色に輝くそうです。今『方丈記』を読んでいて、鴨長明さんが四季折々、自然の風物に心を動かし、すべて極楽往生への思いにつなげていったことを知りました。まだ秋の茶室は見ていなくて想像なのですが、私も同感しました。冬の雪景色も格別でしょうね。何度も行きたいお茶室です。


お茶を飲んだときに予約をしておいたランチ。(1200円)

すべてが美味しく、これも想像以上でした。美術館併設のカフェで、この値段で、このような食事ができるとは! レベルの高さに脱帽、感動です。
細かな感想は、エビが苦手な私が美味しいと思ったエビ。湯葉のお吸い物も上品で美味。オクラの新しい食べ方を紹介され、目からウロコ。アサリのしぐれ煮が、薄色なのに、しっかり味がしみていて、白いご飯が欲しくなってしまいます。ご飯はサイコロ状に切りそろえられたサツマイモご飯。で、やはりお茶は飛び上がるほど熱かった…

もっと近いor便利な場所にあれば… とも思うのですが、この土地だからこそ、なのでしょう。不便を承知でも、訪れたいと思える場所は貴重です。
 
帰りは東海道線JR守山駅へのバス(450円)で30分ほど揺られて帰りました。

京都の旅は(この美術館は滋賀ですが)始まったばかり…



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