健康生活

今、健康は自分で守る時代です。
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今の日本は専門医ばかり

2023-08-27 01:45:16 | 健康・病気
日本の現代医学の成り立ちにも大きな要因があると思います。皆さんもよくご存じかと思いますが、日本の医療は明治のはじめに、いったん、その流れが完全に中断されます。それまでに積み上げられてきた民間医療や漢方医療はすべて邪道なものとして、明治政府の命により破棄され、西洋から移入された西洋医学だけを日本の正当な医学と定め、その応用技術として日本の医療を進めていくことになります。
つまり日本の医療の特徴は明治のはじめから、今から述べる次の二つに集約されます。一つは、今まで脈々と積み上げてきた従来の医療を全部否定し、西洋医学だけを正当な医学と規定していること。もちろん今に至るまで、その姿勢を崩すことはありません。もう一つは、医学のほうが医療よりも優先順位が高いと考えていることです。つまり医学が主導で、医療は医学の応用にすぎないというスタンス。もちろんこのスタンスも今に至るまで変わることはありません。
ということは、最優先は医学、すなわち研究、学問なのです。患者さんを診る医療のほうは医学よりも優先順位は低く、ある意味では二の次ということになるのです。ですから大学側も研究者、医学者、専門医を優先して育てているというのも、しごくうなずける話だと思います。もちろん医療は後回しなのですから、赤ひげ先生などを育てる意思はまったくないと言っていいと思います。それがすなわち日本の医療の現状でもあり限界なのです。
現に今も、医者の間には暗黙のランク付けがあり、大学病院の教授、大学病院の医者、専門医などに比べると、民間病院の医者、開業医、総合医は1ランク下の医者としてみられる風潮があります。また多くの患者さんたちの大学病院志向、専門医志向もそんな風潮を知らず知らずうちに助長しているのかもしれません。
ただごく最近になってようやく、今の専門医志向はさすがに生き過ぎではないかとの反省を踏まえ、かなり遅きに失した感はぬぐえませんが、総合診療科なるものがあちこちの大学でぼちぼち作られているようです。したがって、みなさんが理想に描く、バリバリの総合医が全国津々浦々どこかしこにもいるというような環境になるまでにはまだまだ相当な時間がかかることになると思います。少なくとも現段階では、医者は、みなさんが想像する以上におそろしく守備範囲が狭いものだということを、少しは知っておく必要があるかと思います。



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