
"Inside Deep Throat"
2005年アメリカ
監督)フェントン・ベイリー&ランディ・バルバート
出演)ジェラルド・ダミアーノ ハリー・リームズ リンダ・ラヴレイス
満足度)★★★ (満点は★5つです)
ヴァージン・シネマズ六本木にて
1972年にアメリカで公開されたハードコア・ポルノ映画「ディープ・スロート」。社会現象化し大ヒットを記録したこの作品は、一方で性倫理をめぐる論争をアメリカで引き起こし各州で次々と上映禁止、遂には主演男優が逮捕される羽目になる。
この映画の製作関係者達へのインタヴューを中心に当時の狂騒に迫るドキュメンタリー映画。
トマス・アンダソンの映画「ブギーナイツ」でも描かれていたポルノ映画全盛期、凄かったんですね。何しろこの「ディープ・スロート」の興行収入は6億ドルを超えており、この数字は「タイタニック」以上なのだそうです。この数字が何故おおっぴらにならないかというと、その利益の殆どが興行を仕切ったマフィアの懐に入ってしまったから。
こんな大ヒット作を作った監督も出演者もほとんどその分け前に預かっていない、といういかがわしい世界です。その上裁判にまで巻き込まれ関係者は相当苦労したと思うのですが、このドキュメントを観ると意外と皆サバサバとしてるんですね。
むしろ素直に懐かしがっている。
それは、この時代にポルノを作るということが、カネもコネも無い駆け出しの映像作家にとっての手っ取り早い創造行為として機能していたからなんでしょうね。
保守的な社会に対する抗議、という気負いももしかしたら合ったかもしれない。
ただ、半ば素人が寄ってたかって作った映画ですから、クオリティーは相当低かったと思います。このドキュメントの中でも「ディープ・スロート」の一部を観ることが出来ますが、かなりヒドイ。監督のダミアーノもインタヴューの中でそれは認めています。
ヒット映画を作るのに作品のクオリティーは必ずしも必要無い、宣伝やタイミング次第だ、という好例がこの「ディープ・スロート」だったんですね。このドキュメンタリー映画を国内配給したのはトルネード・フィルムなのですが、何やら通じるものがあるような・・・。
これ見たいんです!気になってました。
ハレンチマニアは見なきゃだわ。
「ロバと王女」のコメントに来たのに、こっちになっちゃいました。
「スロー・ライフで生き急げ!」イイですね
これ観ると、やっぱり本家の「ディープ・スロート」を観たくなりますね(笑)。くだらないんだろうなあ。このドキュメンタリーの中では、製作者達が「女性の解放もテーマで・・・」みたいなこと言ってますが絶対後で考えたんだろうな、と勝手に思っています。
スロー・ライフで生き急げ・・・現実は、せかせかした毎日を送りながら長生きしてしまうんだと思います(泣)。