"Notre Musique"
2004年フランス/スイス
監督)ジャン=リュック・ゴダール
出演)ナード・デュー サラ・アドラー ジャン=リュック・ゴダール
満足度)あえて言えば★★★ (満点は★5つです)
シャンテ・シネにて
人類の行ってきた数々の戦争映像が畳み掛けるようにモンタージュされる「地獄編」、復興の途上にあるサラエヴォに講義に訪れたゴダール(本人)と女子学生オルガ(ナード・デュー)の精神的交流を描く「煉獄編」、全てが浄化された楽園を歩むオルガを描いた「天国編」からなるゴダール最新作。
観終わって相当へこみました。
また分からなかった・・・。
「近作の中ではストレートに仕上がった映画」という噂に、かなり油断していました。
ゴダールを映画館で観たのは「ゴダールのリア王」「映画史」1-3、「愛の世紀」に続いて4作目。古今東西(というか主に西)の膨大な知の断片がガツンガツンコラージュされるゴダール映画、それがわからないとちょっとキツイ。
観る側はそれぞれの断片からイメージを膨らませ、さらにそのイメージと映像/音響を自分の中で共鳴させて楽しむ、そういう素養が必要なんだと思います。
これ、相当難しいですよ、特に西欧文化の中で生きているわけでは無い僕等一般日本人には。
もう、字幕を追うのも必死だし。ゴダールを本当に味わうにはフランス語を理解しないとダメなのかもしれないですね。
さらにこの映画の中で繰り返し問われるのはユダヤ人とパレスチナ人の関係性について。それをモチーフにして自分/他者の関係について考察を加えてゆきます。この問題、ヨーロッパ人の間では身近な問題なのだと思うのですが、極東に住む日本人にとっては、少なくとも切実ではない。北朝鮮の問題が彼等にとって身近でないのと同じです。そういう意味でもなかなか入って行き辛い映画でした。
なんて分からなかった言い訳を羅列してきた訳ですが、日本人でも分かる洗練された映像美/編集センスは相変わらず見事です。サラエヴォの町並、市電、夜景、川、橋、そしてラストの「天国」。
この映画を理解できずに凹んでいた僕も最後に救済された気分になりました。