新ken2のギターの呟き!

長崎ギター四重奏団メンバーken2のブログ。

通勤読書記Vol.1

2015年02月15日 | 読書


四月からの“社会復帰”はバス通勤で。
40分の車内では、せっかちの私に車窓を眺めるだけの時間は退屈であり、大学院生活から自ずと始まった「読書」で時間を有効に使うことに。

そもそも私は読書が嫌いでした。
職場で活字に溢れていたため、自宅にまで活字を読んで時間を過ごすことには抵抗がありました。
これまでは年に1,2冊のエッセーものやタレント本を読む程度で、読書で教養を得ていないことにコンプレックスもありました。

今は「趣味はお酒を飲む以外は読書です」と胸を張って言えます(笑)
こたつの隣には本棚を置き、自分が読んでいる本がすぐ手元で読めるようにしています。

一番最近読み終えた本は、私の大学院の師匠のそのまた師匠で、
昨年、文化功労賞を受賞された中井久夫先生(精神科医・神戸大学医学部名誉教授)の『アリアドネからの糸』。
Ⅳ章の「ロールシャッハ・カードの美学と流れ」は興味深かったです。

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(中略)
ロールシャッハの天才はカードの作成と選択だけでなく、その順序の決定によく示されている。複数の系列を重ね合わせ、休止と急転回とを含みつつ、揺れながら終末に向かう。黒から色彩に、曖昧から具体に向かうという過程が、もし逆であって、色彩から黒に向かい、具体から曖昧に向かう過程を考えてみればよい。最後のカードが第十カードでなければならない点も良く理解できる。・・・

中井久夫(1997).アリアドネからの糸-Ⅳ「ロールシャッハの美学と流れ」358-359.みすず書房

こんな本読みました②

2012年10月13日 | 読書

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自分の研究を深めるために、同じような研究をしている論文を読んでみると、
ほとんどと言って良いほどこの本のタイトルが「参考/引用文献」欄に記載されています。

タイトルは衝撃的ですが、立派な研究文献であると思います。

アルコール依存症者を家族に持つ子どもの『特徴』を、著者であり、アメリカのソーシャルワーカー・社会学博士のクラウディア・ブラック氏はこう述べています。


①責任を背負い込む人/一見、責任感があり頼りになる存在に見えるが・・・。
②順応者/一見、適応力があるように見えるが・・・。
③なだめ役/一見、温かく、空気を和ませる人柄に見えるが・・・。
④行動化/いつもトラブルの中にいて・・・・。

頭の悪い私にとっては日本語訳がやや難解で、読了にやや時間がかかりました。
が、機能不全家族の理解がとても深まる名著だと思いました。
是非読んで頂きたい、・・・というには重い本ですが、健全な家族の在り方を探る上で(特に思春期の子どもの姿)、たいへん参考になると思います。

原題: IT WILL NEVER HAPPEN TO ME!


こんな本読みました①

2012年10月07日 | 読書

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学校現場にいた頃は、本を読むゆとりも気力もありませんでした。
大学院に入学してからというもの、ギターの練習もそこそこに、読書に励むようになりました。
必要に迫られて読むものもあれば、興味本位から一気に読破してしまうものまで様々です。

大学に入って最初に読了したのがこの本です。
修士論文のテーマ発表のために図書館から借りた十数冊の本の1つに過ぎなかったのですが、あれよあれよと本の中に惹き込まれていく感じがしました。

著者の「なだいなだ」さんは、れっきとした精神科医であり、アルコール依存症の臨床では先駆者的存在です。
ドクターとアルコール依存症患者のノンフィクション逐語録かと思いきや、「フィクションだよ~」という『あとがき』。

(中略)断っておきますが、対話で書かれていますが、僕が特定の患者と、治療の合間に、こういう会話を交わすことはありません。対話はあくまでも、読者にこの問題を理解させるために、いちばんよい方法だと思って、著者が選択したのです。もちろん臨床家の知恵のような部分は、著者が実際に臨床であみだし、実際にも応用してきたものです。・・・
~なだいなだ著『アルコール問答』あとがき より~

学校教員がアルコール依存症の研究
しかし、実は大いに教育現場と関連がある、と私は思っています。
まあ、その理由は追い追い・・・。

皆さんからの「自分の研究だろ」という声が聞こえます。