ハマナス;浜茄子;浜梨;玫生瑰(バラ科)花言葉は、照り映える容色。本州茨城県、鳥取県以北や北海道の海岸に群生し、庭木にもされるバラ科の落葉低木。枝に刺を密生し、若枝には黄白色の軟毛が密に生える。葉は奇数の羽状複葉。6~8月、枝先に6~10cmの紅紫色の五弁の花をつけ芳香を放つ。白色もある。果実は約2~5cmで、8~10月に熟し、甘酸っぱい。「はまなす」は、果実を「梨」にたとえて、「浜梨」と呼んだものが、東北地方で「シ」を「す」と訛ることに基づく。「玫瑰」は中国名。「玫瑰や今も沖には未来あり 中村草田男」「はまなすや象潟みちも遠くきし 石原八束」「はまなすの丘北すればオホーツク 有働 亨」「玫瑰にまぬがれがたき雨となる 大峯 あきら」「玫瑰や舟ごと老ゆる男たち 正木ゆう子」。花色が鮮やかで魅了されるが、海辺に咲くためか、淋しげな旅情が託されやすい。効果的なのは、海や浜の広大さを詠んだ叙景句に配されると、焦点となって効果的である。(はまなすの 咲く浜に出て 沈む夕日に 明日を祈る ケイスケ)