旧ラックのたね

PVL・WEST症候群があり、発達がゆっくりな娘の日常を書いています。

出産~NICUへ~

2007-11-05 | あー誕生
そのまま救急搬送され、知らない病院に到着し慌ただしく分娩準備がはじまった。
女医さんがお腹にエコーをあててのんびりと、でもキッパリ言った。
「あー、赤ちゃん横向きですー。これ何週でも帝王切開なりますー。すぐ出してあげないと赤ちゃん苦しいねー」
え?子宮口開いてるのに?さかごでもなくて横向き?どうやら寝相が悪い我が子は、横向きになって片足を突っ張っているらしい。
もう出してやるっきゃない。切腹するしかない。

20:45 1556gの女の子誕生。「おめでとうございます」の声が手術室に響く。「何?誰に言ってるの?」わたしはそれをとても他人事のように聞いていた。
赤ちゃんは保育器に入ってNICUに移送されていった。

さっきまでお腹にいたのに、もういない。その現実が受け入れられない。
なぜ早産になったのか点滴をしていたのにわたしが悪い赤ちゃんに申し訳ないごめんなさいごめんなさい赤ちゃんは無事だろうかとにかく生きていて欲しいお腹が痛い傷が痛いここはいったいどこなのか10ヶ月お腹の中で守ってやれなかったわたしは母になる資格なんてない・・・

いろんな考えがぐるぐる回り、不安(というよりほぼ恐怖)に襲われ続けた一夜だった。


翌日の夕方、看護師さんに車いすを押してもらってNICUに行った。
ひじまで手洗いをし、マスクをつけて入室。入り口近くにその子はいた。小さい身体、むくんだ手足。テレビで見る新生児と違ってほとんど動かない。
なんて表現したらいいんだろうこの気持ちは。ただ、ごめんねと頭を下げた。旦那はかわいいと言っていたが、現実が受け入れられないわたしは何の感情ももてなかった。
看護師に「お母さん」と呼びかけられたが、自分のこととは思えない。まだ出てくるタイミングじゃなかったのに生んでしまった、自分は失格だとずっと思っていた。
今思うと、猛烈な産後うつ状態だったんだと思う。

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