正々堂々blog

衆議院議員川内博史の日記。

電気用品安全法 その10

2006年03月13日 | Weblog
経済産業省杉山事務次官(以下次官)が、記者会見で、PSE法について発言をされています。(3月9日木曜日)要点は以下の4点でしょう。
 
 1.規制は、4月1日から施行する。(ルールは変更しない。)
 
 2.周知が遅れたことは認めるがPRに努めることで理解してもらいたい。

 3.今後の対策については、対応していきたい。

 4.「正直者がばかを見ない」ことが大事。

この次官会見は、経済産業省の役所としての設置根拠さえ、崩壊させてしまいかねない問題をはらんでいると思います。

ぼく達は、経済産業省に対してPSE法の「ルール」を変えてくれとは言っていません。「解釈・運用」を変えるべきである、と主張しています。

なぜなら、法27条が規定する「販売の制限」は「流通在庫」(製品が日本市場に出回る前の)を想定しているのは、電取法から電安法への改正の経緯や、結果として「周知」が遅れたこと、無理矢理「中古」を解釈した為に、PL法、特許法、商標法、不正競争防止法等との関わりが全く分からなくなること、等々により明確だからです。

「中古販売事業者」に「製造事業者」の届出をさせて、「技術基準適合の確認」と、「自主検査」を義務付けるなどというのは、経済産業省製品安全課の法解釈の過ち以外の何物でもないでしょう。

「製品安全課」の犯した過ちを「経済産業省全体」として覆い隠そうとするのは、中小企業の育成・振興という設置根拠、役所のレーゾンデートルを破壊する自殺行為です。

次官は、30万社にも及ぶ中古電気用品販売事業者のうち何社が本格施行に合わせて準備して来たと、おっしゃるのでしょう。2月15日以降に中古電気用品販売事業者に対する周知がやっと始まって、30万社の「正直者」が大混乱に陥っているのが現実の姿なのです。

「正直者がばかを見ない」とおっしゃっていらっしゃるけれども、PSE法が定める精密な「技術基準適合確認義務を果たす」ことが、「正直者」にとってどれだけハードルが高いか分かって言っているのでしょうか。

PSE法の今回の混乱を巡って、一番「正直者」でないのは誰か? 明らかだと思います。

「製品安全課」であり、「経済産業省」こそが「正直者」になるべきなのです。

「天に唾する」次官会見を、ぼくは許すことはできない。

ガイドライン作成により「法の運用」を明らかにすればよい的な事を主張する方もいますが、「販売事業者」に「製造事業者」の届けをさせるという脱法的解釈を、脱法的ガイドラインにより正当化することは、ぼくには無理に無理を重ねることにしかならないことに思えます。

矛盾だらけのPSE法を、このまま本格施行することこそが「正直者がばかを見る」世の中になってしまうことなのです。

杉山次官!! 冷静な判断を求めます。

製品安全課を守ることが、あなたの仕事ではない筈です。