正々堂々blog

衆議院議員川内博史の日記。

米国産牛肉の輸入停止について(詳細解説)

2006年01月25日 | Weblog
今回の米国産牛肉輸入停止について、時系列的に整理しました。

2005年11月15日 ブッシュ大統領来日

   12月 8日 食品安全委員会答申

   12月12日 政府が輸入再開を決定
   
   12月13日 農水省・厚労省の査察団が米国の状況を調査するために渡米 (12月23日帰国)

   12月16日 再開後第1便の米国産が到着

2006年1月20日 特定危険部位を含む米国産子牛肉を発見。本件の原因につい て米国政府から報告があるまでの間、全ての米国産牛肉の輸入手続きを停止。 

以上が、今までの経過です。

本件の原因について、米国政府から報告さえあれば、輸入を再開するのでしょうか?

まさか、そんなことはないですよね、小泉総理?

食品安全委員会の答申に添うならば、少なくともEVプログラム(輸出プログラム)が強化されなければならないはずです。

なぜなら、食品安全委員会は答申の結論部分にこう書いています。

「SRM除去については、米国及びカナダにおけると畜場での監視の実態が不明であり、リスク管理機関による安全担保についてもその実効性に疑問が残る。」

まさしく、安全委の懸念が今回、的中した訳ですから、米国側の報告を「はぁ、そうですか」と聞いて再開という訳には断じていかない筈です。

更に政府は、重大な閣議決定違反を犯しています。

ぼくは、昨年の10月28日に質問主意書を提出しています。

「輸出再開以前に、対象工場における具体的な完全遵守の確認方法や、SRM除去率などの科学的キットを用いた調査結果(中略)などを渡米して確認すべきだと思うが、政府の見解を求める。」

上記の質問に対して、政府は11月18日に閣議決定された答弁書に、こう書いています。

「厚生労働省及び農林水産省においては、米国産牛肉等の輸入を再開することとなった場合には、輸入再開以前に、また輸入再開後も定期的に、担当官を派遣して米国におけるわが国向け牛肉等に係る食品処理施設に対する現地調査を実施することが必要と考えている。」

「政府は、輸入再開以前に調査する」と閣議決定文書の中で答弁しながら、米国に調査団を派遣している期間中、12月16日に第1便を受け入れてしまっているのです。

これは、重大な閣議決定違反です。

米国では、ブッシュ大統領やジョハンズ農務長官が「早期に輸入再開させる」と息巻いているようですが、事はそう簡単ではない、と言うことを論戦を通じて明らかにしてゆかなければなりません!!