鳥海山は、山形と秋田との県境の活火山(2236m)。
日本百名山のひとつ。
山頂に雪が積もった姿が富士山に類似しているため、出羽富士、秋田富士、庄内富士とも。
ただ、鳥海山の魅力は、庄内平野と日本海に向かってなだらかな線形を描いて下っていく、
特徴的な非対称な山容にある。
〇〇富士と称しつつも別妙なバランスが見る者を惹きつけるように思う。
私が訪ねたのは9月の中旬。
秋晴れに恵まれ、早朝から登山口の駐車場は混雑していた。
前日、地図を忘れたのに気づき、慌てて駅前の書店で入手したガイドブックで確認しつつ高度を稼いだ。
途中、七五三掛と呼ばれる火口壁から千蛇谷に下ると雪渓に降り立つ。
初秋でも沢山の残雪を擁していた。
ここからの鳥海山の写真をよく見かけるのは、度重なる火山活動により絶妙な山体変化を遂げた象徴なのだろうか。
最高点は溶岩ドームの新山。
直下には、なんとも不気味な名前の大物忌神社がある。
山頂から望む日本海は神々しく感ずる。
雪渓まで下山してくると、親子4人連れで記念写真を撮っていた。
ベストショットのお手伝いをした後、
可愛い娘さんに「お嫁に行くときには持っていくんだよ!」と声を掛けた。
すかさず、お父さんからは、「お嫁には行かせません!」と。
思わず奥様と目を見合わせてしまった。
幸せ家族に会うとともに心温まる瞬間が脳裏に焼きついた。