地球の宝さがし

~ 彷徨の回顧録 ~

泥の大地~バロチスタン州/パキスタン

2024-02-25 13:28:43 | 旅行

バロチスタンは、パキスタン南西端に位置するパキスタンの最大の州。

西端はイラン、北端はアフガニスタンに接し、南はアラビア海に面する。

この辺りには、広大な泥の大地が広がり、生計を立てていくには、

相応の困難があると推察されるが、

隣接するインダス川流域には、有名なモヘンジョダロ遺跡が存在し、

肥沃な大地であることを窺わせる。

幹線道路沿いには、建設資材として重要なレンガ工場が並び、

現在でも、経済活動の一翼を担っている。

だが、工場といっても、木枠で型どった日干し煉瓦を野焼きするだけの簡素なもの。

運搬ではロバが活躍する。

州都カラチから西に進むと、浸食が進んだ奇形の景観が広がる。

そして地平線の遥か先に、チャンダーガップ(Chandargup)と呼ばれる泥火山(Mud Volcano)が見えてくる。

火山と呼ばれるが、火山活動とは別物のようだ。

地下の粘土層が地下水やガスなどとともに地表に噴出して形成されたもの。

この不思議な景観の山は、ヒンズー教の聖地でもある。

登ってみると、あたかも神々が降臨する舞台のように思えてくるから不思議だ。

頂上にある沼地の縁にはお供え物が並ぶ。

さらに進むと、イラン国境の峠へとつながる。

峠越えの道は険しく、アチコチに故障したトラックが放置されたままになっている。

ここは、パキスタンであるから、もちろん、”デコトラ”だ。

運転手たちが、思い思いの装飾を施している。

LPGを積んだタンクローリーも、よく見かけた。

「悪路を運ぶより、船で運んだ方が良いのでは?」とガイドに問えば、

多くは「イリーガル」だと答えた。

どうやら、複雑な事情がありそうだ。


氷の国~アイスランド

2024-02-23 11:26:36 | 旅行

アイスランドの首都レイキャビクは北緯65度。

東アジアでいえば、シベリアとアラスカが対峙する

ベーリング海と北極海の境目あたり。

当然のことながら、氷の世界が広がっている。

日本の寒い地域でよく目にする雪の世界とは対照的である。

一方、ユーラシアプレートを挟み、ちょうど日本の真反対側に位置するため、

火山と温泉の宝庫で、国土の中央を”ギャウ”呼ばれる断層帯が走っている。

これは、水道の水が飲めることとともに、日本との共通点。

ただ、大きな違いは、地熱利用が盛んなこと。

ここは、そろそろ日本も見習いたい。

ビールはすこぶる美味しいが、とても高額。

中ジョッキが1200~1500円位。

それでも、毎日のように胃袋に入れてしまう。

外気温が氷点下の中にあっても、熱燗がないのだから選択肢はない。

最大のアトラクションは、溶けながら、極めてゆっくり流れる氷河の亀裂を巡る洞窟探検。

“スーパーブルー”と呼ばれている。

観光客が安全に通行できるよう、階段を削り出したり、ロープを張ったり、

ヘルメットや軽アイゼンも貸してくれる。

氷の洞窟の中から、透けて見える外界は、例えようもない青色を発色している。

オーロラは、肉眼では、靄のように見える。

ホテルの部屋で寛いでいると、「出てるヨ~!」と声を掛けられた。

建物の屋上に、急いで駆け上がったが、今一つピント来ない。

「カメラで写さないと・・・」と言われるがまま、シャッターを押すと、緑色に変化した。

摩訶不思議な現象に、驚愕するばかりである。