先のブログ記事の続編。先月29日に厚生労働省が発表した『平成24年高齢期における社会保障に関する意識等調査報告書』では、年をとって生活したいと思う場所についての調査結果が掲載されている。
このうち、年をとって「介護を必要とする場合」にどのような場所で生活したいかについては、「住み続けた自宅」(18.7%)も含めて「在宅」での生活を望む者が43.1%、「特別養護老人ホームなどの施設」が29.8%、「病院などの医療機関」が9.2%となっている(資料1)。年齢階級別では、全ての年齢階級で「特別養護老人ホームなどの施設」が多くなっている(資料2)。
医療と介護は目的が違う。医療は在宅回帰を目標としているが、介護は終の棲家であることを主な目標とすることが多い。介護を必要とする場合に医療機関に住みたいとの希望は1割あるのは、本来目的に照らすと合わないことになる。「在宅」(4割)と「施設」(3割)が合わせて7割となっているのは、本来目的に合う人が多いという点で妥当だ。
今後の介護保険事業を展望した場合、「在宅」と「施設」のいずれを増やしていくかは、介護保険財政見通しに大きく依拠するはずだ。介護サービスが日々進歩していくことは歓迎されることだが、介護保険財政との兼ね合いを考えると、介護保険サービスについて完全かつ満足なものを期待することにはかなり無理がある。現にそうだ。
「在宅」でも「施設」でも、介護人材を確保するための所要人件費は確保しつつも、介護保険サービスの内容に関しては、相当の合理化をしていかざるを得なくなるだろう。介護保険サービス需要の急増傾向は当面変わらず、介護保険サービス供給が追い付く日は全く見通せない。先のブログ記事に書いたような『選択と集中』を、介護保険財政の投入先に関しても断行していくしかないだろう。
<資料1>
(出所:厚生労働省『平成24年高齢期における社会保障に関する意識等調査報告書』)
<資料2>
(出所:厚生労働省『平成24年高齢期における社会保障に関する意識等調査報告書』)
このうち、年をとって「介護を必要とする場合」にどのような場所で生活したいかについては、「住み続けた自宅」(18.7%)も含めて「在宅」での生活を望む者が43.1%、「特別養護老人ホームなどの施設」が29.8%、「病院などの医療機関」が9.2%となっている(資料1)。年齢階級別では、全ての年齢階級で「特別養護老人ホームなどの施設」が多くなっている(資料2)。
医療と介護は目的が違う。医療は在宅回帰を目標としているが、介護は終の棲家であることを主な目標とすることが多い。介護を必要とする場合に医療機関に住みたいとの希望は1割あるのは、本来目的に照らすと合わないことになる。「在宅」(4割)と「施設」(3割)が合わせて7割となっているのは、本来目的に合う人が多いという点で妥当だ。
今後の介護保険事業を展望した場合、「在宅」と「施設」のいずれを増やしていくかは、介護保険財政見通しに大きく依拠するはずだ。介護サービスが日々進歩していくことは歓迎されることだが、介護保険財政との兼ね合いを考えると、介護保険サービスについて完全かつ満足なものを期待することにはかなり無理がある。現にそうだ。
「在宅」でも「施設」でも、介護人材を確保するための所要人件費は確保しつつも、介護保険サービスの内容に関しては、相当の合理化をしていかざるを得なくなるだろう。介護保険サービス需要の急増傾向は当面変わらず、介護保険サービス供給が追い付く日は全く見通せない。先のブログ記事に書いたような『選択と集中』を、介護保険財政の投入先に関しても断行していくしかないだろう。
<資料1>
(出所:厚生労働省『平成24年高齢期における社会保障に関する意識等調査報告書』)
<資料2>
(出所:厚生労働省『平成24年高齢期における社会保障に関する意識等調査報告書』)