待機児童数が減らない理由 ~ “認可保育所の待機児童数”という数え方を修正すべし

2014-09-13 00:18:59 | 日記
厚生労働省が昨日発表した「保育所関連状況取りまとめ(平成26年4月1日)」の概要は次の通り。

(1)保育所定員:234万人(前年比4万7千人増)
(2)保育所利用児童数:2,266,813人(前年比47,232人増)
  ・3歳未満が31,184人増、3歳以上は16,048人増
(3)待機児童数:21,371人
  ・この1年間で待機児童数は1,370人減
  ・待機児童のいる市区町村は、前年から2減少して338
  ・100人以上増加したのは、世田谷区(225人増)、大田区(175人増)、熊本市(139人増)など6市区
  ・100人以上減少したのは、福岡市(695人減)、川崎市(376人減)、名古屋市(280人減)など9市区町

これに関して、共同通信ネット記事では、次のように報じている。

・保育所整備が進み、これまで入所をあきらめていたり、新たに働くことにしたりした母親らの希望が増えた。
・同省担当者「潜在的な待機児童が表に出てきた」と。潜在的な待機児童は数十万。

このブログや別の寄稿でも提言してきたが、待機児童の数え方を最大限見積もるような算出方法を確立しないと、待機児童対策はいつまで経っても有効なものにはならないだろう。私が複数の方法で概算出しただけでも、潜在的な待機児童数は100万~300万人台に上る。

下の資料1~2は、厚労省による待機児童数の推移などを記したもの。待機児童問題が認可保育所に申し込んだ者だけの問題で、かつ、都会問題の一つとしてしか捉えられていないことが、年金・医療・介護なども含めた社会保障政策の中で待機児童対策が大幅に劣後している原因とも考えられる。

このような政治的事情にかかわらず、政府主導において、社会保障財政の配分について、高齢者向け予算の幾分かを子ども子育て予算に振り合分けていくことが必要だ。それこそが若年層など現役世代向けの『社会保障制度改革』の大きな柱となり得る。



<資料1>

(出所:厚生労働省資料


<資料2>

(出所:厚生労働省資料