『消費増税分 > 賃金上昇分』はまだ続いている ~ 毎月勤労統計調査(H26.7)

2014-09-02 21:01:56 | 日記
厚生労働省が今日発表した『毎月勤労統計調査 平成26年7月分結果速報』によると、賃金に関する概要は次のようなもの。


(1)現金給与総額の前年同月比2.6%増、5か月連続増
  うち、一般労働者2.7%増、パートタイム労働者0.7%増
(2)所定内給与の前年同月比0.7%増、2か月連続増
  うち、一般労働者0.7%増、パートタイム労働者0.5%増
(3)所定外給与の前年同月比3.3%増、16か月連続増
  うち、一般労働者3.5%増、パートタイム労働者2.5%減
(4)所定内給与と所定外給与を合わせたきまって支給する給与(定期給与)の前年同月比0.9%増、5か月連続増
  うち、一般労働者0.8%増、パートタイム労働者0.4%増
(5)特別に支払われた給与の前年同月比7.1%増
(6)実質賃金指数(現金給与総額)の前年同月比は1.4%減(消費者物価指数は前年同月比4.1%上昇)


現金給与総額及びきまって支給する給与の前年増減率、月間現金給与額はそれぞれ下の資料1、資料2の通り。どの指標で評価するかは、人それぞれだが、マクロ経済の視点では、実質賃金指数の前年同月比1.4%減というのが最も目に付くところだ。

消費者物価指数の前年同月比が4.1%上昇しているのは今年4月の消費増税(税率5%→8%)が主因と思われるが、それが実質賃金指数を押し下げていることは否めない。消費増税が、賃金上昇分を相殺すること以上の振る舞いをしているのだ。しかし、それはあらかじめ想定していたことなので、殊更に労働条件が悪化したとはならない。

社会保障財源を賄うための増税は、いずれ必ず実行しなければならない。それをいつにすべきかは、論理的にも経験的にも確たることは言明できないので、よほどの景況悪化でもない限りは、その時々の政治判断に委ねるしかない。次回の増税は2015年10月と法定されている。

この統計の結果が、増税の最終判断にどの程度の効果や影響を与えるかは定かではない。しかし、明るさを与える数字になることが望ましいに決まっている。だがもちろん、考慮すべき多くの要素の一つでしかないことも確かだ。



<資料1>

(出所:厚生労働省資料


<資料2>

(出所:厚生労働省資料