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緊急経済対策は生活保護に効果なし ~ 経験上からも対策メニューからも

2014-12-27 23:10:05 | 日記
今夜の日本経済新聞ネット記事など各紙で既報の通り、政府は今日、「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」を決定した。地方にアベノミクスの成果を広く行き渡らせることを目指すため、①地域の実情に配慮しつつ、消費を喚起する、②しごとづくりなど地方が直面する構造的な課題への実効ある取組を通じて地方の活性化を促す、③災害復旧等の緊急対応や復興を加速化する、という3点に重点化したとのこと。

具体策としては、今年度当初予算に計上できなかったものや、来年度予算案の先取りのようなものがある(資料1)。どれもこれも、実際に予算が投入されれば、その限りにおいては経済効果は出てくる。それによって景気回復の足がかりになるかどうかは、各分野ごとに全く違う。こうした「緊急経済対策」の類が国全体の景気回復の起爆剤になると期待している人はもはやいないであろう。

更に、このブログでも何度か書いてきたことだが、こうした景気対策の効果は生活保護受給者のような最低所得層の動向には全く響かない。過去幾度の契機対策が打たれてきたが、それによっても改善の兆しがないことは一目瞭然である。特に、1990年代以降の経済対策の連発にもかかわらず、生活保護関連指標は一向に改善しない(資料2)。

これは高齢化に因るのであって、景気対策効果が波及しないのも頷ける。今回の対策メニューを見ても、やはりそう思える。最低所得層への対策は、景気動向とは関係なく打たれるべきであり、これまでもそうなってきた。但し、財政事情との関係は反映される。ポスト団塊世代が天下を取るまでは、マスコミが書き立てたくなるような“格差社会”は拡がり続けるだろう。



<資料1>

(出所:日本経済新聞ネット記事


<資料2>

(出所:厚生労働省資料

ガソリン価格149円/L (23週連続値下げ)

2014-12-26 21:38:21 | 日記
先のブログ記事から少々時間が経ってからの続編。経済産業省の昨日の発表によると、今月22日時点のガソリンの店頭現金小売価格は、レギュラーガソリンで1リットル当たり149.1円で、前週の152.4円と比べ▲3.3円の値下がり、23週連続の値下げとのこと。直近1ヶ月の動きは、資料1の通り。

総務省統計局が今日発表した「自動車ガソリンの東京都区部小売価格」・「灯油の東京都区部小売価格」は、下の資料2・資料3の通り。概ねの傾向として、ここ5年間はガソリン価格・灯油価格とも上昇基調で推移してきていることがわかる。自動車用や暖房用の燃料は経済活動でも社会生活でも必需なもの。特にガソリン価格の高下は、全国的に『車社会』となっている日本人の生活を良くも悪くも直撃する。

エネルギー資源のほぼ全量を海外からの輸入に依存せざるを得ない日本では、電気、ガス、ガソリンなどエネルギーコストを主体的に抑制する手法としては、電力部門における原子力発電の稼働率向上の他には、徹底した省エネに取り組むしかない。再生可能エネルギーは短中期的にはまだまだ頼りにならない。エネルギーコスト節減には、特に冬場ではカーエアコン需要の節約が必須となるはずだ。



<資料1>

(出所:資源エネルギー庁HP


<資料2>

(出所:総務省統計局資料


<資料3>

(出所:総務省統計局資料

人口減少社会での空き家の増加 ~ 2013年:空き家数820万戸・空き家率13.5%

2014-12-25 20:51:23 | 日記
総務省統計局が今年7月29日に公表した「平成25年住宅・土地統計調査 速報集計 結果の概要」によると、空き家数は820万戸、空き家率は13.5%と過去最高を更新。そこに書かれているように、空き家の増加は少子高齢化の進展や人口移動の変化に因る。管理が行き届いていない空き家が防災・衛生・景観などの生活環境に影響を及ぼすという社会問題が起きている一方で、空き家の有効利用のための対応が各地において必要となっているという話。

この調査結果を基に、総務省統計局が今日発表した「共同住宅の空き家について分析」には、今後の空き家の有効活用に関する施策の方向性を示唆するデータが散りばめられている(資料1~6)。過去から現在、将来の人口推計からすれば、今後とも空き家数・空き家率とも増加していくことは必至(資料7・資料8)。

厚生労働省は、今年度予算において、低所得・低資産の高齢者を対象に空き家を活用した住まいの支援や見守りなどの生活支援を行うモデル事業(予算額1.2億円)を行っている。需給マッチングがそうそう容易でないだろうが、特に介護、福祉、保育といった社会保障サービスの費用対効果を少しでも上げる施策を推進していく必要がある。そのためには、少々強引な規制改革を断行する政策判断が不可欠となる。



<資料1>

(出所:総務省統計局「共同住宅の空き家について分析」)

<資料2>

(出所:総務省統計局「共同住宅の空き家について分析」)


<資料3>

(出所:総務省統計局「共同住宅の空き家について分析」)


<資料4>

(出所:総務省統計局「共同住宅の空き家について分析」)


<資料5>

(出所:総務省統計局「共同住宅の空き家について分析」)


<資料6>

(出所:総務省統計局「共同住宅の空き家について分析」)


<資料7>

(出所:総務省統計局HP


<資料8>

(出所:厚生労働省資料

将来の介護人材不足100万人 ~ 今の外国人受入れ数1500人程度・・・

2014-12-23 14:35:54 | 日記
介護サービス需要が激増する見通しであることは周知のこと。介護サービス需要に応えるべき必要人材の数も増やしていかなければならないことも同様。介護サービス市場の拡大傾向は、必要人材の数でも相当なものである(資料1)。見通しのズレを多少含む置いた上で考えると、2025年までに100万人程度の介護人材を確保していく必要がある。

介護人材確保に関する政策課題は幾つもあり、特に言われているのが離職率と賃金水準であるが、人材不足も相当な危機感を抱かせる問題だ。人員を国内で調達できなければ、外国人に委ねる以外には『介護サービスの量』を維持することはできない。

外国から「介護福祉士」の候補者を受け入れる取組みは以前から行われている。これは、介護分野の労働力不足への対応ではなく、介護福祉士の候補者を供給する国と日本の2国間の経済活動の連携の強化の観点から行われている。即ち、EPA(経済連携協定)に基づき、公的な枠組で特例的に行われているものだ。このEPAに基づく介護福祉士候補者の累計受入れ人数は、これまでのところ1,538人(資料2)。因みに、訪日する観光客数は、2013年には1000万人を超えた(資料3)。

外国人労働者受入れについては、介護かどうかといった職種や業種の問題よりも、民族イデオロギー的な思想に係る問題が大きいと思われる。これは、日本だけではなく、外国人労働者を受け入れている国々でしばしば指摘されることでもある。それにしても、100万人が必要だと言われる中で、外国人介護福祉士の受入れ数が1,538人とは、殆ど参入困難だということになる。

門戸を開放したとしても、大勢の外国人介護福祉士が一気に日本の介護サービス市場に参入できるとはとても思えない。言語や習慣の壁もある。国の内からも外からも介護人材を見出すことができないのであれば、『介護サービスの量』の低下はもちろんのこと、『介護サービスの質』も低下させていくことを容認する必要があるだろう。その方が現実に即した施策の発想に繋がる。



<資料1>

(出所:厚生労働省資料


<資料2>

(出所:厚生労働省資料


<資料3>

(出所:日本政府観光局資料

7月1日の総人口:1億2713万人(前年比21万人減)、うち65歳以上3272万人(前年比109万人増) 

2014-12-22 22:46:17 | 日記
総務省統計局が今日発表した『人口推計(平成26年12月報)』によると、今月1日現在の概算値と去る7月1日現在の確定値は、それぞれ次の通り。


【平成26年12月1日現在(概算値)】
○総人口:1億2707人(前年同月比▲21万人(▲0.17%)

【平成26年7月1日現在(確定値)】
◎総人口:1億2713万2千人(前年同月比▲20万7千人、▲0.16%)
 ・0~14歳人口 1628万4千人(前年同月比▲16万1千人、▲0.98%)
 ・15~64歳人口 7812万5千人(前年同月比▲113万4千人、▲1.43%)
 ・65歳以上人口 3272万2千人(前年同月比+108万8千人、+3.44%)
◎日本人人口:1億2549万9千人(前年同月比▲25万8千人、▲0.21%)


総人口の推移は下の資料にあるように、ミクロでは多少の増減はあるが、マクロでは減少傾向の真っ只中にある。今後長期的にも、この傾向が続くであろ。既にわかっていることではあるが、65歳以上は増え、65歳未満は減っている。今後更に少子高齢化が進むことになるが、「65歳」という区切りを「70歳」にまで上げていくべきだ。

先のブログ記事でも健康寿命について書いたが、健康寿命が延伸していくようであれば、「65歳」は引き上げざるを得なくなる。退役年齢が高くなれば、現役での出世速度はその分だけ遅くなる。現役期間の長期化とは、そういうものであろう。


<資料>

(出所:総務省統計局「人口推計(平成26年12月報」

『介護報酬1%引下げ = 介護費用1000億円削減』という痛みの根拠

2014-12-20 15:33:31 | 日記
介護報酬とは、介護事業者が利用者(要介護者又は要支援者)に介護サービスを提供した場合に、その対価として介護事業者に支払われるサービス費用のこと。これは、介護保険法に基づく公定価格で、3年ごとに見直されることになっている。2015年は改定年に当たる。

少子高齢社会に突入した日本。介護保険制度が発足して10余年で介護総費用は2倍以上の伸びとなっており、今年度は予算ベースで10兆円に達する勢い(資料1)。介護保険財政は既に逼迫状況にある。政府は、次回の介護報酬改定で介護報酬を引き下げる方向で検討している。介護保険制度では、税金・保険料・利用者自己負担の3つが財源となっている。

介護サービス全体の平均収支差率は+8%程度と、一般の中小企業の水準(+2~3%弱)との差は約6%程度(資料2)。介護報酬を6%削減することで6000億円の介護費用削減を目指すと報じられたことがあるが、それはこの試算に基づく報道であろう。政府の試算によれば、介護報酬を1%引き下げると、税金部分520億円、保険料部分410億円、利用者自己負担70億円で合計1000億円の削減効果が出る(資料3)。

利用者自己負担は減ると言われると一瞬、得した気分になるかもしれないが、そうではない。介護報酬を引き下げれば介護保険サービスは確実に低下する。サービスの需要側である高齢者が増え、サービスの供給側である介護事業者の収入が減るからだ。だからといって、反対キャンペーンばかりやっていても仕方がない。ただでさえ国家財政は逼迫している中で、少子高齢化はますます進んでいく。

全員一律の良質な介護保険サービスの提供を! ―― などと夢みたいなことをいつまでも標榜すべきではない。“高齢になっても、日本に住んでいれば何から何まで国が面倒を見てくれるので、誰でもゼロリスクで暮らしていける”わけはない。実際、そうなっていない。

政治家もマスコミも、そろそろ本当のことを堂々と語っていくべきだ。今後当面は、いわば「高齢化リスク」を凌いでいかなければならない。介護報酬引下げを契機として高齢者向け社会保障の質・量ともに低下していくことになっても、社会全体としては、それを許容する度量が必要になる。そのためには、政治家たちが、現実を直視した「痛み」の享受を国民に対して説明・説得していかなければならない。

心地好い響きの選挙向け演説は、特に誰も信じているわけではないだろうが、だとしても次の選挙まで封印すべきだ。



<資料1>

(出所:財務省資料


<資料2>

(出所:財務省資料


<資料3>

(出所:財務省資料

『子育て世帯臨時特例給付金』は予算消化率99%、申請ベースでは110%超!

2014-12-19 21:33:28 | 日記
厚生労働省は今日、「臨時福祉給付金」及び「子育て世帯臨時特例給付金」の申請及び支給決定の状況について発表。この2つの給付金は、消費税率の引上げに際し、子育て世帯や低所得者への影響を緩和するのが主な目的。厚労省はWEB上などで一応PRしている(資料1・資料2)。

その甲斐があってかどうか、今年11月末時点までの申請・支給決定の状況は、それぞれ次の通り(資料1~資料3)。

○子育て世帯臨時特例給付金(予算上の支給対象者数:1,257万人)
 ・給付費(平成25年度補正予算):1,271億円
 ・申請:1,404万人
 ・支給決定:1,258万人 

○臨時福祉給付金(予算上の支給対象者数:2,400万人(うち加算対象1,200万人)
 ・給付費(平成25年度補正予算):3,000億円(=2,400億円(2,400万人×1万円)+加算部分:600億円(1,200万人×5千円))
 ・申請:1,992万人
 ・支給決定:1,782万人(うち加算対象995万人)

予算の消化状況からしても、この2つの給付金に対するニーズは相当高い。予算額に対する支給決定額は、臨時福祉給付金では74%(うち加算対象83%)、子育て世帯臨時特例給付金では99%(申請ベースでは110%超)となっている。先のブログ記事で紹介した産経新聞ネット記事にあるように、来年度予算において、子育て世帯臨時特例給付金は打ち切る一方で、臨時福祉時給付金は減額して継続するとなると、両給付金の費用対効果の分析比較などしっかりとした説明が求められる。

単に財源不足というだけで終わる説明では納得されようがない。上記のことからも、子育て世帯臨時特例給付金の消化率はかなり速く、特段のニーズの高さが窺える。その場合、野党だけでなく与党からも強い反論や異論が出てくるだろう。政治的にもアピールできるからだ。そういう中で、これを打ち切ることは、明らかに不可解で差別的な扱いだ。将来世代への社会の持続性を慮るのであれば、高齢者向け財源の幾ばくかでも子育て財源に転用していく必要がある。



<資料1>

(出所:厚生労働省HP


<資料2>

(出所:厚生労働省HP


<資料3>

(出所:厚生労働省資料

『子育て向け臨時給付金』は継続せず、『低所得者向け臨時給付金』は継続するという不可解な差別的扱い

2014-12-18 22:30:24 | 日記
今日の産経新聞ネット記事では、政府が4月の消費税増税に伴う経済対策の一環として今年度から支給を開始した2つの臨時給付金のうち、「子育て世帯臨時特例給付金」は継続せず、低所得者向けの「臨時福祉給付金」は継続するとのこと。


《記事抜粋》
・子育て世帯に対する臨時給付金は、今年度は児童手当対象者1人当たり1万円支給、給付総額約1300億円。
・来年度以降も支給を継続する方向だったが、消費税率10%が延期になり、財源探しが難航。
・低所得者向け臨時給付金は来年度も継続。今年度は低所得者1人当たり1万円支給、来年度は6千円支給。
・対象者は約2400万人、関連経費約1800億円。


子育て世帯臨時特例給付金を継続しないことについて、施策の費用対効果が低いといったような問題があるならば、今年度限りで打ち切るのも仕方ない。それが明らかであるならば、次期通常国会でその旨を堂々と説明すれば足りる。しかし、財源不足を理由とするならば、消費増税の影響緩和という施策目的を持つもう一つの臨時福祉給付金の継続の可否に合わせるべきだ。

低所得者向けの施策の必要性は論を待たないが、このご時世、児童手当対象の子育て世帯への施策の必要性がそれに劣後するとはとても思えない。日本の社会保障制度は著しく高齢者に偏っている。人口割で考えても、少子化時代に入り、高齢者偏重は常軌を逸しているとさえ思える。

選挙直後だからでもないのだが、選挙期間中における自民・公明両党の子育て政策に係る語り口からすると、この不可解な差別的扱いには反対せざるを得ない。こういうことだから、若年世代が政治を信用しなくなり、やがて関心を持たなくなるのではないか。将来世代への社会の持続性を慮るのであれば、高齢者向け財源の幾ばくかでも子育て財源に転用していくべきである。


介護報酬引下げ ~ 『待機老人』の増加は社会問題化しても、それを放任する覚悟をしておくべき

2014-12-17 21:39:40 | 日記
昨日の日本経済新聞ネット記事などで既報の通り、政府は介護報酬を引き下げる調整に入ったとのこと。


<記事要旨>
・介護報酬は税金や保険料のほか1割利用者負担。
・報酬全体1%下げると1千億円削減。税金部分520億円、保険料部分410億円の削減効果、利用者負担70億円減。
・介護報酬は15年度が改定年。消費増税延期で介護財源は限られる。
・特別養護老人ホームやデイサービス、有料老人ホームは利益率10%前後と一般企業に比べ高いため引き下げ。
・介護職員1人あたり月額1万円の賃上げができるよう加算措置を拡充。


介護報酬とは、介護保険による介護サービス事業に係る公定価格のこと。介護報酬の引下げは、介護保険サービス事業費の増加抑制には資する。記事にもあるように、介護報酬を下げると、利用者の支払いが減り、保険料や税金の負担も軽くなる。これだけを聞くと、良い事ずくめのように聞こえる。

だが、物は言いようとはこのこと。介護報酬の引下げは、介護保険サービス事業の委縮を招き、当該事業者の淘汰を生じさせることだろう。たとえ介護職員の賃金を「1万円」上げるとしても、介護保険サービス事業そのものの経営は相当に苦しくなると予想される。社会福祉法人よりも、株式会社など民間の介護サービス事業者は激減する可能性が高い。

そうなると、介護保険サービス事業については、サービス需要は増す一方で、サービス供給体制が現行よりも比較的には縮退することになる。即ち、介護保険サービス事業全体としてのサービス水準は低下する。現在数多いる特養の待機老人はもちろんのこと、デイサービスなどの待機老人も更に増えるだろう。利用者の負担が減るとはこの場合、利用者が利用する機会が減ることに他ならない。

そのような事態が社会問題化したとしても、それを批判しつつも、最終的には放任する覚悟が必要となる。介護保険財政の内容や推移を俯瞰すると、そうせざるを得ない。先般の消費増税は焼け石に水のようなものであったが、そういう状況下で再増税が延期されるのであるから仕方ない。

「介護職員等の人材確保を行うとともに、介護や障害者福祉サービスを担う職員の処遇改善を行い、医療・介護等の充実につなげます」、「介護職員の処遇改善加算について、各事業所のキャリアパスの構築が進むよう取り組ます」とは、それぞれ先の衆院選における自民党の公約公明党の公約に書かれていることだ。多くの人々は、もう忘れているか、そもそも見ていないか知らないか、或いは関心がないかのいずれかかもしれない。現与党の公約はこう書かれているが、これとの整合性は今後しっかりと問われて然るべきだ。

平成25年「国民健康・栄養調査」結果:20~30歳代は食事バランス取れていない、睡眠時間足りないなど・・・

2014-12-09 21:44:46 | 日記
厚生労働省では毎年、「国民健康・栄養調査」を行っている。直近では、平成25年11月に実施した『平成25年「国民健康・栄養調査」』で、ポイントは次の通り。これは、国民の健康増進の総合的な推進を図るための基礎資料として、国民の身体の状況、栄養摂取量及び生活習慣の状況を明らかにするもの。


<概要>
◎主な生活習慣に関する状況
 ・食事、身体活動・運動、喫煙、睡眠の状況について、60歳以上で良好な一方、20歳代及び30歳代では課題が見られた。
◎食品群の組合せの状況
 ・3食ともに、穀類、魚介類・肉類・卵・大豆(大豆製品)、野菜を組み合わせて食べている者の割合は若いほど低い傾向。
◎身体状況に関する状況
 ・肥満者の割合について女性は減少傾向にあり、男性は平成23年以降、増加に歯止め。血圧の平均値は低下傾向。
◎たばこに関する状況
 ・受動喫煙の影響をほぼ毎日受けた者の割合は、平成20年と比べて学校、遊技場を除く全ての場で有意に減少。


主な生活習慣の状況については、下の資料を参照されたい。小さい字で見えにくいが、20歳~30歳代では、食事バランスが取れていない、運動習慣が少ない、睡眠時間が足りない傾向が示されている。自分の生活を考えてもそうだが、若い時分ほど無理をしている人が多いことが見て取れる。


<資料>

(出所:厚生労働省資料

介護離職による年収減 ~ 男性▲4割、女性▲5割

2014-12-06 00:15:45 | 日記
先のブログ記事でも書いたように、近年はさながら『年間介護離職10万人時代』の様相である。

これに関連して、昨日の共同通信ネット記事にあるように、明治安田生活福祉研究所とダイヤ高齢社会研究財団が「仕事と介護の両立と介護離職」と題する共同調査をした結果の概要は次の通り。


<概要>
・転職者、介護専念者の5割強が、介護開始から1年以内に離職
・女性の介護専念者の3割近くが、親が介護認定を受けていない段階で離職
・離職の最大のきっかけは「自分以外に親を介護する人がいない」
・介護転職の厳しい現実 ― 平均年収が男性で4割、女性で5割ダウン
・介護時間 ―平日2時間・休日5時間程度が仕事を続けられる限界か
・女性の継続就労者の4割が、自分が主な介護の担い手でありながら仕事と両立
・年収が多いと男性の離職は抑制。現金や預貯金は離職のハードルを下げる
・介護専念者の5割以上が親と同居 ― 同居は介護離職を誘引か
・配偶者・子どもの存在が介護離職の歯止めに
・介護離職防止にはワーク・ライフ・バランスが有効
・働き方を変更して働き続けた人は、会社の制度・施策を上手に利用
・介護に専念する女性が最も苦労したのは、介護相手との人間関係
・介護専念者の7割が、離職して介護に専念したことを後悔していない


介護離職問題は、高齢者福祉の観点のみならず、企業の労働力確保の観点からも、今後の大きな課題となっていくはずだ。親の介護は他人任せでいい、と堂々と言える時代を迎えるべきだ。



≪参考:2013.12.25付けニュース配信記事≫

Gadgetwear
http://www.gadgetwear.net/2013/12/10.html

ライブドアニュース
http://news.livedoor.com/article/detail/8377463/

アメーバニュース
http://yukan-news.ameba.jp/20131225-4/

ビッグローブニュース
http://news.biglobe.ne.jp/economy/1225/gdw_131225_0995306766.html

アベノミクスの「結果的実績」 ~ 正規雇用はちょっとだけ好転し始めた様相

2014-12-05 17:30:01 | 日記
総務省統計局が今日発表した『統計ヘッドライン №58』によると、直近2014年10月の就業率・失業率などは次の通り。

○就業者数6390万、前年同月比24万人増加(季節調整値で前月比11万人減少)
○完全失業者数鵜233万人、前年同月比30万人減少(季節調整値で前月比3万人減少)
○完全失業率(季節調整値)3.5%、前月比0.1ポイント低下
○女性15~64歳の就業率64.5%、比較可能な昭和43年(1968年)以降で過去最高
○正規の職員・従業員は前年同月比7万人増加、非正規の職員・従業員は同16万人増加

就業者数、完全失業者数などの推移は資料1を参照されたい。正規・非正規の労働者数の推移については、資料2の通りで、ここ10年で見ても非正規比率が3割を超えて漸増してきている。今年に入ってから、対前年比では、正規雇用数は漸増に、非正規雇用は漸減に、それぞれ転じつつあるようだ。非正規雇用から正規雇用にシフトし始めている可能性がある。

今後の推移を見ていく必要があるが、今の時点で見れば、正規雇用は好転し始めた様相と見ることができる。これは結果的に、アベノミクスの実績の一つとして評価され得る。



<資料1>

(出所:総務省統計局『統計ヘッドライン №58』)


<資料2>

(出所:総務省統計局『統計ヘッドライン №58』)

☆ニュース配信☆ 身を切る改革の費用対効果 〜 消費増税5.2兆円と議員歳費3割削減(▲45億円)

2014-12-03 21:57:44 | 日記
身を切る改革の費用対効果 〜 消費増税5.2兆円と議員歳費3割削減(▲45億円)

ライブドア・ニュース
http://news.livedoor.com/article/detail/9533787/

夕刊アメーバニュース
http://yukan-news.ameba.jp/20141203-10/

Gadgetwear
http://www.gadgetwear.net/2014/12/52345.html

政策は「生活保護」改善には効能なし ~ 被保護世帯数161万超で過去最多・被保護実人員216万人超

2014-12-03 14:20:30 | 日記
先のブログ記事の続編。厚生労働省が今日発表した『被保護者調査(平成26年9月分概数)』によると、被保護世帯数は約161.2万、被保護実人員は約216.5万で、全体としては横這いないし漸増で推移してきている(資料1)。

より詳しくは、今日のNHKニュース報道にあるように、次の通り。


・受給世帯の増加は5か月連続、昭和26年に統計を取り始めてから最多。
・「高齢者世帯」が最多、全体の半数。次いで「その他の世帯」18%、「傷病者世帯」17%、「障害者世帯」12%など。
・「その他の世帯」は4か月連続減少、働くことができる世代で仕事に就く人が増えたことが背景。
・厚労省は「雇用情勢の改善や就労支援を行った結果、働くことができる世代では受給世帯が徐々に減っているが、1人暮らし高齢者が増えているため全体として増加が続いている」と分析。

(出所:NHKニュース

被保護世帯数や被保護実人員数の増減の理由は政府の景気・経済対策と結果的に関連がないことは、これまでもこのブログで何回か書いてきた(資料2)。同様に、アベノミクスも生活保護分野の改善に効果も効能も及ぼしているとはとても言えない。そもそも、景気対策と生活保護には相関関係は見られてこなかった。

生活保護には、生活扶助、医療扶助、住宅扶助、介護扶助などがある。いずれの扶助も抑制していくことを迫られてるだろうが、個々の受給ごとに事情が異なるので、マクロ財政の視点から優先・劣後の順位付けをすることは難しい。最終的には、例えば一人当たり受給額の総額規制など上限を設定するといった手法しかないのではなかろうか。これは、高齢者向け社会保障費にも適用されるべきことでもある。



<資料1>

(出所:厚生労働省資料


<資料2>

(出所:厚生労働省資料

給与額は上昇、実質賃金は下降(平成26年10月 毎月勤労統計調査)

2014-12-02 19:24:28 | 日記
先のブログ記事の続編。厚生労働省が今日発表した『毎月勤労統計調査 平成26年10月分結果速報』によると、今年10月の給与水準と賞与水準について報告がなされている。安倍政権は、来秋の消費税の再増税(税率8%→10%)を2017年(平成29年)4月に延期すべく、衆院の解散・総選挙に踏み切った。

次の再増税は、社会保障システムを維持するのに必要な安定財源を確保するためのもの。その再増税の可否判定について、安倍首相は、短期的な経済動向を以て行うことをせず、17年4月に実施しようとしている。もし現政権が総選挙に勝てば、再増税の時期はほぼ決まったと考えておくべきだ。

とは言え、賃金水準は国民が経済状況を体感する最たる指標となる。今年10月の月間現金給与額はごく一部の業種を除いて、前年比でプラスになっている(資料1)。これは、これだけを見ると決して悪い数字ではない。むしろ、実態を反映していると思われる。しかし、名目賃金指数を消費者物価指数で除して算出した実質賃金の動きを見ると、ここ1年で明らかに下降傾向にある(資料2)。

再増税の可否判断には関係なくなったとしても、いわゆるアベノミクスの成否を判定する材料として、賃金水準は引き続き最重要の指標の一つであることに違いはない。


<資料1>

(出所:厚生労働省資料


<資料2>

(出所:厚生労働省資料