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柏からイタリアニュース

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「Mes(欧州安定化機構)を使うべきだ。」「決めるのは私だ」。メルケルとコンテの間で緊張が走る。

2020-06-28 20:07:12 | 政治
Il Giornale Sab, 27/06/2020 - 08:22

"Il Mes(Meccanismo europeo di stabilita’) va usato", "Decido io". Ora è gelo tra Merkel e Conte
Cancelliera a gamba tesa sull'Italia alla vigilia della presidenza tedesca dell'Ue. In campo non c'è solo il Mes. Ecco cosa vuole

「Mes(欧州安定化機構)を使うべきだ」「決めるのは私だ」。メルケルとコンテの間で緊張が走る。イタリアの要求に対し厳格な対応を崩さないメルケル。解決の手段はMesだけではないと主張するが、それでは他になにがあるといっているのだろうか。来週水曜日にEU会議が始まる。

EU会議ではMesの基金の利用が議題となる。但し、Mesの利用については、未だにPDとM5Sの間で基本的な意見の食い違いがあり、コンテにとって神経質な問題だ。メルケルは「Mesはすべての国が利用可能な仕組みだが、いままで使う必要がなかったから使ってこなかっただけだ。」と語る。
この明白な干渉はコンテを激怒させた。「メルケルの意見は尊重するが、イタリアの事は私が財務大臣のGualtieriやその他の大臣たちが考える事だ。」とコンテは言い返した。

来週の予定を前にして、メルケルは当紙を含む欧州の日刊紙からMesに関するインタビューを受けた。ポイントは、ブリュッセルを将来的な政策決定に関わらせるという意思を示す明確な同意書、具体的に言えば、EUが新型コロナによって引き起こされた経済危機に直面する準備している計画だ。

明らかにドイツの立場とイタリアの立場は一致しない。その食い違いはとてつもなく大きいようだ。7月中旬のイタリア国会の投票で決定されるMesの申請のような熱いテーマは、コンテをイライラさせるに十分だ。「これはイタリアの決断の問題だ。」とメルケルは簡単にコメントするにとどめた。続けて、メルケルは「我々はMesやSoreと言った国家的な手段を検討はしなかった。それは有益とは思えなかったからだ」と語り、コンテからの反則的な発言を封じながら、コンテを激しく刺激した。これに対し、コンテは時を置かず、2020-21年の学年の計画について記者会見の機会を利用して、欧州で選ばれた正真正銘の権力、イタリア政府の権利を不法に奪うものだと反論した。「Mesについては何も変わってはいない。私はメルケルの意見は尊重するが、決めるのは財務大臣や他の関係大臣と私だ。」「Sureはすでに始まっていることだし、Mesについては何も変わっていない。」とコンテは語った。

ポイントは、メルケルの言葉の背後には、EU基金を使うことについての単純な忠告以外のことすべてが隠されていると言うことだ。覚えておいて欲しいのは基金は保健衛生分野にのみ使われなければならないということだ。イタリアの国を危機に陥れている経済的危機の対策のために使うことは出来ないということだ。メルケルはEU基金では大した事は出来ない事をよく分っているのだ。「復興基金では欧州の問題すべてを解決することは出来ないんだ」と警告した。「これまで生き続けてきた民主的な欧州はこれからも欧州経済も守り続けていかねばならないのだから。欧州にとって良いことは、過去も今もドイツにとってもまた良いことなんだ。」とコンテは主張した。そうであるがゆえに絶え間ない改革が必要で、とりわけイタリアの改革が重要だ。「成功の鍵は、EUにおけるリソースの采配と集中にある」とコンテは語った。

経済緊縮政策に耐えてもらう他の国々を説得して、このぬかるんだ道から抜け出すために必要な助けを地中海に面した国々に譲歩して認める唯一の方法は改革をすると言うことだ。そしてここでまた欧州の南北間の対立がある。まさに国家債務危機のときと同様に。今われわれは国の土台から経済を衰弱させる危機に直面しているのだ。

これまでイタリアを守ってきたものを壊すためにドイツは不器用にことを進めようとしている。実際、来週の月曜日、数ヶ月ぶりにメルケルがマクロンと直接会うのは偶然ではない。2人がベルリンのメッセンベルグ宮殿で会談を持ち、オーストリア、デンマーク、スウェーデン、オランダ、その他の国々に、コロナパンデミックでもっとも影響を受けた国々や産業分野を支援するための750百万ユーロの計画を了解してもらうための戦略を話し合うだろう。

先日マクロンはオランダ首相のルッテと会談した。フランス政府は、「進捗はあった」、残すは7月中に欧州内で合意するだけだと言う。しかし、その額は?改革が必要なことは当然として、改革の他に、選挙を出来るだけ後に引き延ばすことが重要だ。ドイツ政府が心配しているのは、中道右派が選挙で勝利するのではないかということだ。実際、メルケルはサルビーニとメローニを相手に交渉など望んでいない。先日、ドイツの外務大臣Hieko Massがローマを訪問した際、Dagospia(TV番組?)の舞台裏の放送のように、Massは、「会談はドイツ政府内で検討した結果を持って望む会談となる」と明言した。ゲームは始まった。ドイツはいつものように真面目に取り組んでいる。


(原文)
https://www.ilgiornale.it/news/politica/mes-va-usato-decido-io-ora-gelo-merkel-e-conte-1873313.html