わたしは、実のところ、女の子ばかり出てくるアニメはあまり見ないのですが。
「魔法少女まどか☆マギカ」は、やはりアニメファンとして見なければと思い、レンタル屋さんで勇気を振り絞って借りた覚えがあります。
しかもシリーズものを借りると「こちらは1と2でよろしかったでしょうか?」とレジで再確認してくるので、恥ずかしさ倍増です。
そんなこんなで月日は流れ、わたしも動画配信サービスに加入したのでレンタル屋さんからは足が遠のき、そういう人が増えてきたのか、そのお店も残念ながら先日閉店してしまいました。
女の子ばかり出てくるアニメを見ないのは、もちろん恥ずかしいのもありましたが、誰の目も気にせず見られるようになった今でも、なぜかあまり見ようという気にはなりません。
「ゆるキャン△」は、たまたまネットTVでやっていた第1期第7話を何気なく見てみたら、お、なかなか面白いじゃん、と思い、第1話を改めて見たら、完全にやられてしまいました。
本栖湖富士山のシーンで泣きました。
今期はその待望の第2シーズンが放映されていました。
ほのぼのしているようで意外と深読みすると心の動きが面白かったので、今回は「ゆるキャン△」について、ユング心理学っぽいことを好き勝手書いてみようと思います。
第1期・第2期のゆるキャン△のストーリ展開について触れていく感じになりますので、未視聴でネタバレを好まない方は、ここでこのブログを閉じていただけますようお願いいたします。
まずはいつものように、一番このブログで使うであろうユング心理学用語「アニマ」「アニムス」について簡単に説明しておきますと、
「アニマ」 女性らしさ、優しさ、柔らかさ、奔放
「アニムス」 男性らしさ、厳しさ、強さ、規律
という感じです。
これまでのブログでも何回か説明したので、よろしければ遡ってご覧ください。
このブログで、男性・女性はこうあるべき、ということを言いたいわけではありませんので、よろしくお願いいたします。
むしろ色々ごちゃ混ぜになってるのを楽しんでいきたい感じです。
簡単に「ゆるキャン△」について説明しますと、女子高生たちがキャンプを学びながら楽しんでいく様子を描いた、ほのぼの日常系アニメとなります。
わたしは読んでいないのですが、原作は漫画だそうです。
舞台となる山梨・静岡の美しい風景美術も見どころの一つと言えるでしょう。
物語は「各務原なでしこ」と「志摩リン」という二人の女子高生を主軸に進んでいきます。
なでしこ
チャリで本栖湖まで登ってきたが爆睡したため帰れなくなり困っていたなでしこは、一人でキャンプをしていたしまリンにカレーめんをもらいスマホを借りるなど助けられたことをきっかけに、キャンプに興味を持つようになります。
ソロキャンプを好むしまリンは、最初は面倒に感じていましたが、次第に天真爛漫ななでしこに心を開いていきます。
しまリン
「登場人物、全員ボケ」みたいなゆるキャン△の中で、しまリンは数少ない貴重なツッコミ役です。
「小学生みたいなお礼ヤメロ」
「ボケ」は奔放な発想を提示する「アニマ」の要素で、「ツッコミ」はそれに対し世の中の規律・常識を提示する「アニムス」の要素です。
ほぼ女性キャラしか出てこないアニメにも関わらず「ゆるキャン△」を違和感なく見られたのは、ある意味男性キャラの役割を担っているしまリンの存在によるところが多いと思います。
アニマに寄りがちな作品の、バランスを保つ役割、とでも言うのでしょうか。
と言いながらも第1期としては、しまリンが野外活動サークルの他のメンバーとも打ち解けて終わる、という、アニマとアニムスの観点から見ると、少しアニマ寄りな、ゆるキャン△と言うタイトルに違わない柔らかいストーリー展開となっています。
それでもこのアニメをさほど違和感なく見ることができるもう一つの理由は、「冬」のアニメであることが大きいと思います。
「冬」は、厳しさ、緊張、などを連想させることから、アニムスの要素が強いと思われます。
もし、ゆるキャン△が、みんな水着で夏にキャンプをエンジョイ☆みたいなアニメだったら、ここまで多くの人の共感は得られなかったのではないかと思います。
ま、まぁ…一定の需要はありそうですが(笑)
第2期では「ゆるキャン△」としてのほのぼの感は保ちつつも、冬キャンプの危険などについてもしっかり描写され、第1期に比べると規律などのアニムスの要素が増えているような印象を受けました。
そして、なでしことしまリンの関係も少し変化していくようです。
なでしこというキャラは、厳しいことは言わず、また誰とでも仲良くなってしまう、「アニマ」を通り越してさらに深層の元型と言える「グレートマザー」の包容力を持った存在です。
「グレートマザー」とは、人類が共通して持つ「母」のイメージとされています。
ゆるキャン△の言葉を借りれば「田舎のおばあちゃん」って感じでしょうか。
「グレートマザー」がおとぎ話・昔話に登場するときに、火・土・食べ物などのイメージが一緒に登場するということなのですが、なでしこも大食い・料理上手であり、かなり「グレートマザー」の要素が強いと言えます。
「はいはい、たーんとおあがり」
しかし、「グレートマザー」にも裏の面があり、おとぎ話の中では、子どもたちを飲み込み食らう魔女として登場することもあります。
第8話でなでしこが、キャンプ場で出会った警戒する年少の姉弟を誘ってホイル焼きを食べさせるシーンがあるのですが、これってお菓子の家に誘われたヘンゼルとグレーテルみたいだな、と思っていたら、自分で魔女ネタをやり始めて笑いました。
「グレートマザー」をリアルで考えたときに、優しいお母さん、という良い面の一方、行き過ぎてしまうと過保護なお母さん、という悪い面もあります。
ゆるキャン△第1期を見終わったときに、なでしことしまリンは相互依存になりそうだな、とふと思いました。
二人で抱き合ったまま冬山で心中する二次創作が捗りそうだな、とか思っていました(笑)
というわけで、第2期でなでしことしまリンの関係がどのようになっていくのか、少し興味を持っていました。
が、まぁほのぼのして終わるんだろうなぁ、とあまり期待はしていませんでした。
しかし第2期でのなでしこは、肥満体型だったものの自転車漕いでダイエットに成功していたり、以前住んでいた場所にもイケメンの親友(女)がいたり、しまリンの知らなかった面が出てくるようになります。
そしてついに、なでしこはソロキャンプをする、と言い出します。
それを聞いたしまリンは、ちょっと寂しそうです。
心配ということもあると思いますが、実は自分なりの世界を持つ一人の女性であったなでしこの一面に戸惑っているようにも見えます。
そしてなでしこはソロキャンプを決行するわけですが、夜になり連絡が途絶えてしまいます。
心配になったしまリンは自分の予定を投げ出し、なでしこの元へ駆けつけます。
これを見ていたとき、おいおいおい、ウソだろぉ?と思いました(笑)
同じく心配して来た「姉しこ」とはちょっと異質なものを感じます。
(いや、もしかしたら同じなのかも知れません(笑))
自立できていなかったのは、なでしこではなく、しまリンの方だったのかもしれません。
なでしこの面倒を見てあげているつもりのしまリンでしたが、実は苦手な社会生活から守ってくれていたのはなでしこだった、というところでしょうか。
結局なでしこはただ電波が通じなかっただけで、二人はなでしこに声をかけず帰るわけですが、「姉しこ」は帰り道しまリンを食事に誘います。
しまりんを「妹の友達」ではなく、一人の人間として扱い始めた、ということでしょうか。
「姉しこ」こと桜さんは、なでしこに世の中の規律や常識を教え込む、ツッコミ、というか、教育係という感じです。
同じ「男性キャラの役割」を持つ者として、少しなでしこに取り込まれそうなしまリンを、バランスを取り戻すよう促しているようにも見えます。
そしてさらに次話では、強キャラ「グレートマザー」とのバランスを保つべく、アニムスのさらに深い元型とも言える「老賢者」しまリンのおじいちゃん登場です。
これまでもちょいちょい出ていましたが、ここまでセリフがあったのは初めてでしょう。
(ナレーションは除く。そういえば、大塚さんの渋いナレーションもゆるキャン△の引き締め役として一役買ってますね。)
ショートツーリングを通して、しまリンも自立した人間なんだよ、ということを気づかせてくれます。
このシーンはちょっと泣けました。
そして、しまリンは夜明け前の街を力強く走り出すのです。
いやー、やっぱゆるキャン△の主人公はしまリンっしょ!
先日、第2期最終回が放映されました。
このタイミングだとまだ見ていない方もおられるかと思いますので、あまり触れないようにします。
と言いながら、実はわたしが力尽きたからです。
円を描いて同じ場所に戻ってきたようで、スパイラルに人は成長していくのでしょう。
という感じでしょうか。
次は劇場版とのことで、楽しみにしております。
最後に時事ネタとして、最近Twitterで「#教師のバトン」が炎上したとのことで、「グビ姉」先生の顧問手当が気になりました。
教師の方々が気持ちよく働ける世の中になって欲しいものです。
長いブログを最後まで読んでくださり、ありがとうございました!!
使用した画像は全て ©あfろ・芳文社/野外活動サークル です。
「魔法少女まどか☆マギカ」は、やはりアニメファンとして見なければと思い、レンタル屋さんで勇気を振り絞って借りた覚えがあります。
しかもシリーズものを借りると「こちらは1と2でよろしかったでしょうか?」とレジで再確認してくるので、恥ずかしさ倍増です。
そんなこんなで月日は流れ、わたしも動画配信サービスに加入したのでレンタル屋さんからは足が遠のき、そういう人が増えてきたのか、そのお店も残念ながら先日閉店してしまいました。
女の子ばかり出てくるアニメを見ないのは、もちろん恥ずかしいのもありましたが、誰の目も気にせず見られるようになった今でも、なぜかあまり見ようという気にはなりません。
「ゆるキャン△」は、たまたまネットTVでやっていた第1期第7話を何気なく見てみたら、お、なかなか面白いじゃん、と思い、第1話を改めて見たら、完全にやられてしまいました。
本栖湖富士山のシーンで泣きました。
今期はその待望の第2シーズンが放映されていました。
ほのぼのしているようで意外と深読みすると心の動きが面白かったので、今回は「ゆるキャン△」について、ユング心理学っぽいことを好き勝手書いてみようと思います。
第1期・第2期のゆるキャン△のストーリ展開について触れていく感じになりますので、未視聴でネタバレを好まない方は、ここでこのブログを閉じていただけますようお願いいたします。
まずはいつものように、一番このブログで使うであろうユング心理学用語「アニマ」「アニムス」について簡単に説明しておきますと、
「アニマ」 女性らしさ、優しさ、柔らかさ、奔放
「アニムス」 男性らしさ、厳しさ、強さ、規律
という感じです。
これまでのブログでも何回か説明したので、よろしければ遡ってご覧ください。
このブログで、男性・女性はこうあるべき、ということを言いたいわけではありませんので、よろしくお願いいたします。
むしろ色々ごちゃ混ぜになってるのを楽しんでいきたい感じです。
簡単に「ゆるキャン△」について説明しますと、女子高生たちがキャンプを学びながら楽しんでいく様子を描いた、ほのぼの日常系アニメとなります。
わたしは読んでいないのですが、原作は漫画だそうです。
舞台となる山梨・静岡の美しい風景美術も見どころの一つと言えるでしょう。
物語は「各務原なでしこ」と「志摩リン」という二人の女子高生を主軸に進んでいきます。
なでしこ
チャリで本栖湖まで登ってきたが爆睡したため帰れなくなり困っていたなでしこは、一人でキャンプをしていたしまリンにカレーめんをもらいスマホを借りるなど助けられたことをきっかけに、キャンプに興味を持つようになります。
ソロキャンプを好むしまリンは、最初は面倒に感じていましたが、次第に天真爛漫ななでしこに心を開いていきます。
しまリン
「登場人物、全員ボケ」みたいなゆるキャン△の中で、しまリンは数少ない貴重なツッコミ役です。
「小学生みたいなお礼ヤメロ」
「ボケ」は奔放な発想を提示する「アニマ」の要素で、「ツッコミ」はそれに対し世の中の規律・常識を提示する「アニムス」の要素です。
ほぼ女性キャラしか出てこないアニメにも関わらず「ゆるキャン△」を違和感なく見られたのは、ある意味男性キャラの役割を担っているしまリンの存在によるところが多いと思います。
アニマに寄りがちな作品の、バランスを保つ役割、とでも言うのでしょうか。
と言いながらも第1期としては、しまリンが野外活動サークルの他のメンバーとも打ち解けて終わる、という、アニマとアニムスの観点から見ると、少しアニマ寄りな、ゆるキャン△と言うタイトルに違わない柔らかいストーリー展開となっています。
それでもこのアニメをさほど違和感なく見ることができるもう一つの理由は、「冬」のアニメであることが大きいと思います。
「冬」は、厳しさ、緊張、などを連想させることから、アニムスの要素が強いと思われます。
もし、ゆるキャン△が、みんな水着で夏にキャンプをエンジョイ☆みたいなアニメだったら、ここまで多くの人の共感は得られなかったのではないかと思います。
ま、まぁ…一定の需要はありそうですが(笑)
第2期では「ゆるキャン△」としてのほのぼの感は保ちつつも、冬キャンプの危険などについてもしっかり描写され、第1期に比べると規律などのアニムスの要素が増えているような印象を受けました。
そして、なでしことしまリンの関係も少し変化していくようです。
なでしこというキャラは、厳しいことは言わず、また誰とでも仲良くなってしまう、「アニマ」を通り越してさらに深層の元型と言える「グレートマザー」の包容力を持った存在です。
「グレートマザー」とは、人類が共通して持つ「母」のイメージとされています。
ゆるキャン△の言葉を借りれば「田舎のおばあちゃん」って感じでしょうか。
「グレートマザー」がおとぎ話・昔話に登場するときに、火・土・食べ物などのイメージが一緒に登場するということなのですが、なでしこも大食い・料理上手であり、かなり「グレートマザー」の要素が強いと言えます。
「はいはい、たーんとおあがり」
しかし、「グレートマザー」にも裏の面があり、おとぎ話の中では、子どもたちを飲み込み食らう魔女として登場することもあります。
第8話でなでしこが、キャンプ場で出会った警戒する年少の姉弟を誘ってホイル焼きを食べさせるシーンがあるのですが、これってお菓子の家に誘われたヘンゼルとグレーテルみたいだな、と思っていたら、自分で魔女ネタをやり始めて笑いました。
「グレートマザー」をリアルで考えたときに、優しいお母さん、という良い面の一方、行き過ぎてしまうと過保護なお母さん、という悪い面もあります。
ゆるキャン△第1期を見終わったときに、なでしことしまリンは相互依存になりそうだな、とふと思いました。
二人で抱き合ったまま冬山で心中する二次創作が捗りそうだな、とか思っていました(笑)
というわけで、第2期でなでしことしまリンの関係がどのようになっていくのか、少し興味を持っていました。
が、まぁほのぼのして終わるんだろうなぁ、とあまり期待はしていませんでした。
しかし第2期でのなでしこは、肥満体型だったものの自転車漕いでダイエットに成功していたり、以前住んでいた場所にもイケメンの親友(女)がいたり、しまリンの知らなかった面が出てくるようになります。
そしてついに、なでしこはソロキャンプをする、と言い出します。
それを聞いたしまリンは、ちょっと寂しそうです。
心配ということもあると思いますが、実は自分なりの世界を持つ一人の女性であったなでしこの一面に戸惑っているようにも見えます。
そしてなでしこはソロキャンプを決行するわけですが、夜になり連絡が途絶えてしまいます。
心配になったしまリンは自分の予定を投げ出し、なでしこの元へ駆けつけます。
これを見ていたとき、おいおいおい、ウソだろぉ?と思いました(笑)
同じく心配して来た「姉しこ」とはちょっと異質なものを感じます。
(いや、もしかしたら同じなのかも知れません(笑))
自立できていなかったのは、なでしこではなく、しまリンの方だったのかもしれません。
なでしこの面倒を見てあげているつもりのしまリンでしたが、実は苦手な社会生活から守ってくれていたのはなでしこだった、というところでしょうか。
結局なでしこはただ電波が通じなかっただけで、二人はなでしこに声をかけず帰るわけですが、「姉しこ」は帰り道しまリンを食事に誘います。
しまりんを「妹の友達」ではなく、一人の人間として扱い始めた、ということでしょうか。
「姉しこ」こと桜さんは、なでしこに世の中の規律や常識を教え込む、ツッコミ、というか、教育係という感じです。
同じ「男性キャラの役割」を持つ者として、少しなでしこに取り込まれそうなしまリンを、バランスを取り戻すよう促しているようにも見えます。
そしてさらに次話では、強キャラ「グレートマザー」とのバランスを保つべく、アニムスのさらに深い元型とも言える「老賢者」しまリンのおじいちゃん登場です。
これまでもちょいちょい出ていましたが、ここまでセリフがあったのは初めてでしょう。
(ナレーションは除く。そういえば、大塚さんの渋いナレーションもゆるキャン△の引き締め役として一役買ってますね。)
ショートツーリングを通して、しまリンも自立した人間なんだよ、ということを気づかせてくれます。
このシーンはちょっと泣けました。
そして、しまリンは夜明け前の街を力強く走り出すのです。
いやー、やっぱゆるキャン△の主人公はしまリンっしょ!
先日、第2期最終回が放映されました。
このタイミングだとまだ見ていない方もおられるかと思いますので、あまり触れないようにします。
と言いながら、実はわたしが力尽きたからです。
円を描いて同じ場所に戻ってきたようで、スパイラルに人は成長していくのでしょう。
という感じでしょうか。
次は劇場版とのことで、楽しみにしております。
最後に時事ネタとして、最近Twitterで「#教師のバトン」が炎上したとのことで、「グビ姉」先生の顧問手当が気になりました。
教師の方々が気持ちよく働ける世の中になって欲しいものです。
長いブログを最後まで読んでくださり、ありがとうございました!!
使用した画像は全て ©あfろ・芳文社/野外活動サークル です。