軽井沢高校 校長日記 『つれづれ軽井沢だより~乞う「ちょうどええ」』

学校の様子を校長の視点から伝えたいと思い、校長日記を書くことにしました。授業日毎日更新を目指します。ご愛読ください。

 7月16日(金) うしろ髪ひかれ隊 077

2010-07-16 23:29:23 | 日記

 今日は、東信地区校長会が上田市の信州大学繊維学部で朝から行われました。
 写真は、キャンパス内にある、国の有形文化財、旧上田蚕糸専門学校の講堂です。
 NHKの大河ドラマ『坂の上の雲』の阿部寛さん、松本清張原作の映画『ゼロの焦点』の広末涼子さんや中谷美紀さんが、ここで撮影をしていったそうです。

 濱田学部長さんが校長会の冒頭で繊維学部の説明をしてくれましたし、昼過ぎには事務長さんがキャンパス内を案内してくれました。
 今年創設100周年を迎えること、大学としては繊維の分野の貢献度が世界一であること、産学連携といって企業と連携して実用的な商品を次々に開発していること、外国のいくつもの大学と連携していること、そのために英語力を重視していることなどが特に印象に残りましたし、この学部ははっきり言って将来性抜群だなあという印象も受けました。

 本校に国際文化科という学科があります。
 英語を学習すること、国際感覚を身につけることそのものが目的のように、中学生も保護者の皆さんも考えているかもしれません。
 もちろん、将来にわたって英語を学び続ける生徒、国際関係や国際文化について学び続ける生徒を育てることも大切な役割です。
 ですが、私は、それだけでなく、と言いますか、それも含めて、英語力を高め、中国語のさわりを学び、そして国際感覚を身につけた上で、さあ、どういう分野でそれを生かしますか、ということを問うのが本来の国際文化科の役割なのではないかと思っているのです。
 その意味では、国際文化科の卒業生が、英語力や国際的な連携を重視している信州大学の繊維学部のような理系に進むことも大いにあっていいと思っていて、そのあたりをどうやって実現していくかが今後の課題ではないかと思っています。
 英語力や国際感覚は現代のあらゆる分野で必要とされています。
 英語科や国際文化科では他の学科以上にそれを身につけることができるわけですから、文系・理系を問わず、高校時代に学んだことを生かして様々な分野で活躍するような方向性がつくれればいいなと思っているのです。 

 学校では、バンクーバーパラリンピック日本代表、銀メダリストで本校OBの上原大祐君の講演会を開催しました。
 4月以来考えてきたことがようやく実現したわけですが、その場に残念ながらいることができず、うしろ髪をひかれる思いで今日の校長会に出席していました。
 教頭さんも出張だったので、教務主任の池田先生が中心になって仕切ってくれました。
 学校に戻った教頭さんが「軽井沢高校ニュース 7月号その1」にすぐにアップしてくれたように、講演会もその後の有志による交流会も盛況で大変有意義な会だったと聞きました。
 大祐君には夜電話をしてお礼を言い、会えずに申し訳なかったと伝えました。
 「いい雰囲気で、学校から帰る時には名残惜しい気がしました」という大祐君は「また校長室に会いに行きます」と言ってくれました。

 生徒や学生は、一つ一つの学習や体験を通して、深く物事を考え、学んだことを自分の血肉としながら成長していきます。
 それがその子の「力」となって身についていくわけです。

 今日の話を伺っていて、信州大学繊維学部が目指している方向も、今後軽高が目指す方向も、分野の違いこそあれ、非常に似ているのではないかという気がしました。