視察2日目。
今日も暑い日になりました。
京都市教育委員会の酒崎高校教育係長さんと、京都市役所(写真)で待ち合わせました。
お世話になった辰巳さんは仕事があり、ここでお別れです。
午前中は京都市立塔南高校の仁科校長先生を訪ねました。
塔南高校は、全国でも珍しい、教員志望の生徒を対象にした「教育みらい科」を設置しています。
そして、野球部、吹奏楽部などの部活動に力を入れている学校でもあります。
教育みらい科の柱は「人間学」や「人間論」などの科目。
入学してくる生徒は教員になりたいという明確な目標を持っています。
でも、現在の教員免許法の仕組みでは、大学に入ってから教職課程を取ればいい訳で「どうして高校から教員を目指す科が必要なのでしょうか?」と素朴な疑問を投げかけました。
「いい教員になるためのベース、人間関係を構築する姿勢づくりは一朝一夕にはできません」「たとえ教職に就かないとしても、人間を理解すること、自分を理解し、他者を理解することは必要です」「教育ということを題材にして、人間として必要な力を身に付けることがこの科の目標です」と校長先生。
生徒たちは、実際に小学生に授業をするなど様々な体験をする中で、自分が本当に教職に向いているのか悩み、そこをくぐり抜けて最終的にはほとんどの生徒が教育系の大学に進学していくそうです。
部活動については「部活動をすることが学力を高めるためにも将来のためにも必要なんだという確信を持ちたいんです」「勉強と部活の両立ではないんです。部活で自己管理ができれば、それは学力向上にも繋がる。勉強と部活は一貫なんです」とおっしゃる。
お忙しいのに、午前中、なんと3時間にわたって、校長室でお話を伺いました。
昼飯の時間がなくなり、酒崎係長さんと近くの「なか卯」へ。
午後は、日吉ヶ丘高校に村上校長先生を訪ねました。
紅葉で有名な臨済宗の総本山、東福寺のすぐ近くにある学校で、京都府で唯一、英語・国際系の学科を設置している高校です。
校長室に入ってすぐに村上校長さんに「ブログ読みましたよ」と言われました。
平成7年に英語科を設置し、昨年度から国際コミュニケーション学科に転換しています。
その理由は「生徒が集まらないからではありません。ニーズは十分あり、定員割れすることはまずありません」と村上校長さん。
では、なぜ学科転換をしたのか。
「英語を使える人材、国際社会で活躍できる人材は、英語・国際系の分野だけでなく、どの分野でも必要な時代になっています。英語を学ぶことそのものを目的にするのではなく、英語を使って何をするかと考えることが大事です。英語と国際感覚を身に付けながらそれを考えよう、と言っているんです」との答え。
村上校長さんには授業も案内していただき、2日間の京都市の視察を終えました。
振り返ってみれば、京都市でお会いしたのは、穏やかで熱い人ばかりでした。
こういう方々が京都市の教育改革を支えているんですね。
酒崎係長さんには、お忙しい中、昨日に引き続き、今日も一日お付き合いいただきました。
おかげさまで、普通に学校訪問をする以上に、学校のことも京都市の状況も理解できたような気がしています。
今回の視察のコーディネーターで「旧友」の辰巳さん、酒崎係長さん、堀川の荒瀬校長さん、塔南の仁科校長さん、日吉ヶ丘の村上校長さんをはじめ視察先の皆さんには、大変お世話になりました。
ただただ、感謝、感謝です。
午後7時11分に軽井沢駅に到着し、そのまま学校に向かいました。
2日間留守にしたものですから、私が帰るのを待っていた先生と話をしたり、田澤教頭さんと週末から月曜にかけての打ち合わせなどをしたりしました。
その後、教頭さんと、この視察で得たヒントなどを話していると、気付けば、またいつもの時間。
雨の降る学校を後にしました。