くつろぎ日記

ストーリーとセリフに注目したドラマレビューです。

「金八先生スペシャル」 しゅうに「命」を贈る!

2005-12-31 13:03:31 | ドラマ

8ヶ月ぶりの金八先生。高校生になった3B達が結集した、感動でしたね。

相変わらす強いメッセージで圧倒されながら見ていきました。

このドラマはくさい演出が良く似合う!太宰ではないけど本当に似合います。

しかも違和感なく大好きです。あちこち涙し、感動しながら見ました。

 

職員室は麻薬撲滅キャンペーンでもちきりです。

しゅうは少年院から出院し新聞配達をしながら高校受験めざし勉強を続けて

いました。3B達には連絡を取らず、いつか自立できたら皆の前に顔を出すと

決めていたようです。ダルクという薬物中毒者の更正施設が行うグループ

カウンセリングにも通い、薬物依存から抜けるように努力しています。

この依存症とは病気なのですね。意志の力だけではもう無理なのだそうです。

だから「症」がつくわけです。ですからアルコール依存症も例えば「買い物依存症」も

病気なんです。病気ですから本人の力だけでは無理な部分もあり周囲が理解し

見守る必要もあるわけです。しかし、しゅうの幻覚ってすっごい気持ち悪かったです

よね?みみずを太くした虫がにょろにょろ手を這ってるのは寒気がしました。

あんな風になるのかと思ったら本当に恐怖で絶対に薬物には手を出せません。

そういうのおそらく知らないで手を出すんでしょうね。もっともっと啓蒙しないと。

教室に集まった生徒達に金八先生は大人のマナーを説きます。

  「夕陽を見つめている人がいたらそっと後ろをいきましょう。

  仕事をしていたら終わるまで声を掛けずに待ってやる。

  しゅうは村の鍛冶屋。一所懸命自分を火で焼いてたたいてたたいて

  自分の意志を鍛えている」

生徒達は待つことに何の不満もありません。いい子達。この子達も前代未聞の

生徒達だったのに変わりましたね。感慨深いものがあります。

そして新聞代理店のおやじさんに金八先生はこんな言葉で感謝を贈っていました。

  「一隅を照らすものはこの国の宝なり」 ちょっと嬉しい上林さんでした。


さて今回のサブテーマです。康二郎。この子は何と心無い教師に傷ついた生徒でし

たね。驚きました。仮にも教師ですよ。生徒を色眼鏡で見るなんて。

差別ということの恐ろしさ。自分の与える影響をまるでわかっていません。

現在の高校中退者の数値から察するにこういう教師って本当にいるのでしょうね。

でも教師も人間ですし偏差値だけで育ち、試験を通過しただけでこの仕事を選んだ

としたらこういう異常な教師も有り得るのかもしれません。マジむかつきましたよ・・

金八先生の啖呵がすごく良かった。かなり、溜飲が下がりました。

   「教師は生徒のためなら100分の1にかける。その1のみを見つめて授業を

   進める。それが教師だ。その1のことを世間では希望と呼んでいる。(中略)

   あなたの100分の1のために私と康二郎がかけてあげる。

   立ち直りのきっかけにしなさい」

この教師は自分が立ち直る必要があるということに気付いているでしょうか?

金八先生の言葉が届いたといいのですが・・・意味がわからずきょとんとした顔

でしたね。この康二郎も結果として生徒達が署名をしてくれるというところまでは

いきましたが決着がついていませんでした。今後の展開が楽しみですね。

ところで退学とはそう簡単なことではないはずです。教師も人間ですから一時の

感情はあるでしょうが生徒にとっては一生の問題。どうせダメだという教師は失格

ですよね。金八先生の息子が挙げていた項目です。

・性行不良・学力劣等・理由なく欠席・生徒としての本分に反するもの・

具体性がないですね。もしも自分の子供があるいは自分自身にふりかかってきたと

きに戦えますか?金八先生は裁判になってでもと言っていましたけど・・・。

もしも戦って勝ったとしても自分を嫌う教師に囲まれていたらその学校には通えない

ような気がします。それは社会に出て、会社に入っても同じですよね。戦うのもまた

難しい側面があります。でも名誉回復は必ずしなくてはならないでしょう。

そのための裁判なんですから・・・

 

クリスマス。久しぶりに母の手料理を食べるしゅうのもとに達夫から電話が入ります。

「利香が結婚していた。どいつもこいつもオレをバカにしている・・・」達夫も薬物中毒

から立ち直り更正の道を歩んでいたのに利香に裏切られ、再び薬物に手を出して

しまいました。その苦しみ方は凄まじかったですね。死んだのでしょうか?

恐怖のしゅうはその場から逃げ出しいつのまにかあの3Bの教室へ行っていました。

しゅうにとってはここが一番安らげる場所だったのね。金八先生はしゅうを支えようと

します。そしてなぜか3Bの生徒達が続々と集合します。

皆、ここだとわかっているのね。しゅうは仲間なのです。

  「生きるということ、それはのどが渇くということ。

  木漏れ日がまぶしいということ。ふとあるメロディを思い出すこと。

  くしゃみをすること。あなたと手をつなぐこと・・・(略)・・・

  鳥は羽ばたくということ。海は轟くということ。カタツムリは這うこと。

  人は愛するということ。あなたの手のぬくみ、いのちということ」

生徒達が谷川俊太郎のこの詩を朗読するのですがマジでくさいのです。

けれど本当にいい詩でじんじんと感じ入ってしまいました。


いよいよ卒業式。ものすごくいい式でした。この日をどれだけ待っていたでしょう。

やっと3Bは30人揃って卒業できたのです。高校生になった生徒たちもこの日は

中学の制服を着ていましたねちょっと窮屈そう?しゅうは皆に誓いました。

  「辛い時に皆の顔を思い出しました。

  二度とドラッグには手をだしません。」

そして金八先生はしゅうに【命】の一文字を贈りました。

   「人の内側にあって激しく胸をたたくものがいます。

   たたくものは君に向かって生きろ生きろと命令しています。

   ここから一人旅が始まります。どうか頑張ってください。」

そしてHRのように卒業式が終わりました。金八先生は視聴者へも耳の痛いことを。

  「忙しい時にどれほど勉強し、努力したかで人間としての

   値打ちがきまる。忙しいということに逃げてはいけない」  ・・・・・。(無言)

しゅうはドラッグに再び染まりそうな恐怖とずっと闘っていましたね。

病院で血をとるとき、ゲームセンターで暴力団の幻覚を見たとき・・

それにもめげず屈することなくとうとう、皆の前で誓うことができました。

本当に良かった。10人のうち三人しかできないことでした。でもまだまだ苦難は

続くと思います。ドラッグの恐ろしさはこんなものではないでしょう。

このドラマを通してドラッグ撲滅キャンペーンを旗上げしているので明るい終わり方

をしていますが、実はもっともっと苦しんでいる人が多いのが現実です。

ダルクという施設も知らずにただ一人で苦しみ闘うケースもあるでしょう。

世間体に隠れてうずもれることだって。

人間は弱い存在なもの。

何かに逃げたくなった時、ドラッグではなく、あなたのそばのあなたを愛する人を

思い出して、どうかその淵から這い上がっていけますように。

そんな願いをこめた今回のスペシャルでした。

 

(今回でラストとの噂もあるようですが・・・ )

もしあるとしたら次回はきっと康二郎の退学問題でしょうね!

               ・・・・・是非、期待しましょう・・・

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8 コメント

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辛いけど大好き (mari)
2005-12-31 14:49:45
コンニチワ、かりんさん。

私も約1年ドラマの感想を書くようになって、たくさんの人たちと知り合いました。そこで、ドラマ好きには悪い人はいない

一緒に泣いたり、笑ったりできるのって、なんてステキなんでしょう

今年もたくさん、ありがとうございました

来年もどうぞよろしく
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mariさん♪ (かりん)
2005-12-31 19:55:29
mariさんは1年もドラマを書いておられたのですか。

記事を書こうと思ったらけっこう真剣に見ますよね。

私もドラマをUPして良かったことはたくさんありました。

>ドラマ好きには悪い人はいない・・

本当、その通りです。

共感したり、泣いたり、感動したり・・今までさっと

通りすぎていたことが重要に思えてくるから不思議です。それに以前よりも涙もろくなった気がします(笑)



mariさんとお知り合いになれて嬉しかったです。

来年もよろしくお願いします。
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Unknown (ちーず)
2005-12-31 22:50:06
こんばんは。

かりんさんのおかげで、聞き取れなかったセリフを

補うことが出来ました。

ありがとうございます!



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ちーずさん♪ (かりん)
2005-12-31 23:12:54
ええ・・大丈夫でしょうか・・・

適当に書いていましたが何だか間違っていないか、何しろ要約の癖がついていますから心配です。



ちーずさんの記事を読ませていただくのを楽しみにしてるのです。

次クールも同じドラマをUPできることを期待しています。よろしくお願いいたしますね。

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あけましておめでとうございます。 (愛梨)
2006-01-01 23:07:39
コメントありがとうございました。

細かい部分で「演出が過剰」とか色々ツッコミどころはありますが、感動しましたよ。



薬物依存症になってしまうと、そこから抜けるのって本当に大変なんですね。依存症じゃない人から見ると「本人の意志が弱いんじゃないの?」と思いがちですが、本人からすると抜けるのにとてつもなく苦しい思いをしているのがわかりました。

依存症を克服するには、本人の気持ちだけでなく、周りのサポートも大事なんだな、と思いました。



金八先生、今回で完全にラストなんでしょうか?まだもう少し続けて欲しい気持ちもあります。
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愛梨さん♪ (かりん)
2006-01-01 23:41:40
あけましておめでとうございます。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。



このドラマはもう過剰過剰でくさすぎなんですが

そこがいいと思ってみています。他のドラマだとひいてしまうところも金八先生だから許せるのですよ(笑)

依存症って意志ではどうにもならないみたいです。だから3割しか抜けられないのでしょう。そして再び手をだしたら確実に死が待ってるところが恐ろしいです。そういう意味で利香が離れた気持ちも理解できます。でも頑張ってる人には酷すぎる出来事でした。世間一般を凝縮するとこういうことなんでしょうね。

ダルクみたいな施設って有名なのかしら?本当にサポートは大事ですね。



>金八先生、今回で完全にラストなんでしょうか?

そういう風に書いているブログさんもありましたし、

真の最終話ともありますしね。。。でも続編があってもおかしくない内容でしたよね?私も続行してほしいです。
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Unknown (杏奈)
2007-03-25 21:20:23
金ハ先生SP。久しぶりの3Bは今でも仲が良く、一人のためにみんなが一丸となっていましたね。やっぱり、金八先生はすごいですよね。あんなに良い先生はそんなにいませんよ。

これからも、続けてほしいです。その時は、康二郎の退学処分は取り消しになったのかも放送してほしいですねえ。

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杏奈さん♪ (かりん)
2007-03-26 17:55:53
こんにちは!
1年以上前放送のドラマですが、再放送があったのでしょうか?

>康二郎の退学処分は取り消しになったのかも
康二郎ってどの人でしたっけ?
どうもわかりません。

でも麻薬に再び手を出したというこの子を教師がなぜ助けてやれないのか・・あの時の怒りがちょっと甦りました。教師役も覚えてないのですが・・
その後の康二郎の動向がわかりませんが
退学が取り消しになったといいですね。

私も続編希望です。
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