from Berry Street

ニューヨークライフ with キッズ

世界が生きている

2006-06-19 12:26:18 | New York



こんな手紙を読んだ。

私は野球はやらない。だから手を骨折して、野球が出来なくなる”いたみ”を知らない。
でも私は、松井さんの打つホームランを見ていると、世界が生きているような気がした。
何も知らない私でも、松井さんに早く立ち直ってもらいたいと思う。

これは、あるNYの日本語学校に通う中学校1年生が、ヤンキースの松井選手に宛てて書いた手紙だ。
NYのローカル新聞、”週刊NY生活”という新聞に載っていた。左手を骨折して療養生活をしている松井選手へ、
子供達からの激励メッセージと題して、たくさんの子供達から寄せられた手紙を掲載していた。
私はこの子の文章を読んで”ドキッ”とした。”世界が生きている”という表現の仕方。

子供って素直だなぁ・・・。子供って真っ直ぐだなぁ・・・。
真っ白で真っ直ぐで、だからこんな表現ができるんだと思う。

ある時浩優も松井選手に手紙を書いた。

「まついさん、はやく、てをなおしてください。
はやくみたいです。ひゆうより。」

小さな手で、時間をかけて、一生懸命丁寧に書いた、たった3行の手紙。
そんなたった3行の短い文章でも、浩優の松井選手に対する思いが込められていた。

今まで野球なんてほとんど見た事がなかった私。NYでヤンキースやメッツの試合を観に行った事は何度もある。
私のお目当ては、球場で食べるジャンクフードと、あのなんともいえない熱気。
皆で立ち上がって、”Take me to the boll game”を歌うのも楽しい。
だけど最近は、浩優が毎日真剣に野球を観ている御陰で、私も少しは野球選手の顔を覚えてきたし、専門用語も覚えてきた。

「あ~、早く大人になって、ひゆくんのジョッブ(Job=仕事)がしたいなあ」と浩優。
大人になれば、あのブラウン管の中のあそこで、野球ができると思っているのかな、ふふっ。

「ママ、ひゆくんの背番号は26に決めた。どうして26か知ってる?」
「この間バスに乗っていた時、頭の中で26って数字がポップアップしたの」と浩優。

”ポップアップ?” ”あぁ、閃いたのね、なぁ~るほど”。

たくさんたくさんいろんな事、ポップアップする毎日であって欲しいと思う。
なんたってキミはこの世に生まれてまだ6年。たくさんたくさん夢を持って大きく成長して欲しい。