from Berry Street

ニューヨークライフ with キッズ

絵本のチカラ

2008-01-21 15:38:07 | Book


浩優の大好きな絵本のひとつに、
「かいじゅうたちのいるところ」で有名なモーリスセンダックの
「Kenny's Window」という本がある。

1956年に書かれたこのお話は、
数多くの賞を受賞しているセンダックの絵本の中では珍しく、
何の賞も取っていない、どちらかと言えば地味な作品のひとつかもしれない。

シャガールを思わせるような挿絵が入った、
なんとも繊細なタッチのイラストが気に入って、
私が浩優に買ってあげた一冊だった。

読んでみると、これまたストーリーも微妙で(笑)
浩優好きかなぁ、どうかなぁ・・・。という感じだったが、
たっくさんあるお家の絵本コレクションの中でも、
浩優は「Kenny's Window」が大のお気に入り。
寝る前に「ママ、今日これ読んで!」と持ってくる回数が一番多い絵本のようだ。

普段の会話の中で、
「ママ、これ覚えてる?」といった調子で絵本のストーリーをよく話す浩優。
今日学校であったこんな事が、この間読んだ絵本の内容に似てるとか、
絵本の内容と同じような事が夢に出てきたとか。
中には私はすっかり忘れてしまっている絵本もあり、浩優に事細かに
説明して貰って初めて、「あぁ、あれね」と思い出す事もよくある訳で、
あらためて子どもの記憶力は凄いなと思わされる。

絵本の力って大きいと思う。
私も小さい時絵本が大好きで、いつもいつも絵本を読んでいた記憶がある。
大人になってから、自分が小さい時読んでいた絵本にもう一度出会えた時の
あの感動。急いでページをめくってみると、昔見たのと同じ、懐かしい挿絵。
ストーリーも、イラストも、しっかり自分の心に刻み込まれている。

「Kenny's Window」は、
浩優にとってしっかりと心に刻み込まれた一冊なのだろう。
絵本の中に出てくる、主人公の男の子が大切にしているくまのぬいぐるみも、
Babyという名の小犬も、兵隊のおもちゃも、窓の外の雪も・・・。
皆みんな、浩優の心の中にこれからもきっと留まる事だろう。

今夜は何を読んであげようかな。
浩優が学校に行っている間の午後、部屋の本棚を眺めながら、
わくわくしてしまう私がいる。






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