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爺の前に道は無し。爺の後にも道は消えかけて…枯れた中年爺の独り言

豊洲移転「まあ、まあ…」の“日本型おとな対応”

2016-10-01 11:39:02 | 政治
「ベンゼンやヒ素が出た豊洲市場は危険なのか 報道から受ける印象と異なる実態」
以上のような「大人の対応論」をよく聞くが、築地から豊洲への移転問題を、現実的対応として乗り切ろうとする重大なマイナス面を忘れている。
確かに、危険かどうかは現在の時点ではグレーと言える。莫大な費用を考えれば、豊洲移転は必然的だった。しかし、今までの都の対応、そして今回8回目のモニタリングで、初めて環境基準値をわずかながら上回った、ということは今までの計測値に対する不信感をも呼び起こす。都がごまかしていたのは地下空間だけに留まらないのではないか?
今後、豊洲で働いたりそこで扱われた食品を食したりした人が癌を発症すれば、その人は間違いなく豊洲に関係したことを呪うだろう。食に関する信頼とは、単に心配だ、というレベルでは収まらない。
軽々に豊洲移転を「もう走り出したのだから仕方がない」と言う人に限って、豊洲取り扱い商品を避けることは、容易に想像できる。それは、「与党が決めたことには逆らえない、世の中の流れや空気に乗っかっていれば損することはない。しかし、自分だけはそれを利口に立ち回ってちゃっかり得をするぞ」という日本の文化がここに表現されている。そして、世界はこの「ちゃっかり日本文化」に気付いている。「イエローモンキー」は言い得て妙な日本人比喩とも言えよう。
しかし、世界はもうそんな20世紀型文化を乗り越えたところに進みつつある。何が「先進的」であるかという定義が変わったことに対し、私たちはいつまで知らないふりをするのだろう?

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