ネット通販の普及により宅配荷便が急増 (2017年5月2日)

2017年05月02日 | 随筆

桑原名誉顧問からの投稿

ネット通販の普及により宅配荷便が急増 (2017年5月2日)

 
 拡大を続けてきた宅配便事業にストップがかかる事態になった。人手不足が深刻である。ヤマト運輸はこれまで宅配荷物の伸びに人員増強で対応し、現在は約20万人で10年前より3割増えているが、労働時間が全産業平均より長い割に所得額が低く、有効求人倍率は2倍を超えている。20年度には約10万人のトラック運転手が不足するとの予測もある。

 
 宅配便が急増した原因の主なるものはアマゾンや楽天などによるインターネット通販の普及である。ヤマト運輸の17年3月期宅配便取扱個数は予想された18億5000万個、前期比7%増よりも上回るようだ。即日配達や無料再配送などのサービスが従業員の負荷を増加させている。ヤマト運輸は労働組合からの荷受量抑制の要求を受け入れ、割引料金を適用している大口顧客に値上げを求める。交渉が折り合わなければ荷受の停止も検討するという。

 
追記 ヤマトはその後、荷受総量を引き下げることを決定した。従業員に負荷の大きい再配達を減らす手段も講じる。従業員の処遇改善に取り組んでおり、収益を増やすため小口の宅配料金を10~15%値上げする予定である。現在アマゾンなど大口顧客との料金折衝を継続中だと報じられている。

 
 ヤマト運輸が関東地域で宅配便サービスを開始したのは昭和51年である。それまでは鉄道を利用したチッキ(鉄道小荷物)しか方法がなく届くのに何日もかかった。その後、関西から始まった佐川急便が関東以西にもサービス範囲を広げ、ヤマトとの間でシェア争いが始まった。鉄道便に重きを置いた日本通運はその後ペリカン便という名前で宅配業を続けたが、出遅れたシェアを取り戻すことなく、郵政省の「ゆうパック」に取って代わられた。

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