番組の中で、たくさんの被爆者からの手紙、それを聞いた夜のことでした。
手紙ですから、実際に映像に映ったわけではないのですが
強烈な印象をうけ、眠れない夜を過ごしました。
その手紙の内容は原爆が落とされた後
たくさんの遺体を片付ける作業を手伝わなければならなかった
当時13歳の少年の方からの手紙でした。
大人1人が肩を持ち、もう1人が胴体を持ち、13歳の少年は足を持つようにいいつけられた。少年が両手で足首を持とうとしたら、足首の皮がツルンとむけてどうしてももてない状態だった。足の肉は腐りかけていた。
そのとき、一緒に運んでいた大人が、「そんな持ち方ではダメだ!骨を持つんだ!」と、強くいわれたそうです。
少年は、勇気を振り絞り腐肉の中に手を入れて、足首の骨を持ったそうです。
そのときの、腐肉の中に指を入れた指先のなんとも言い表せない恐ろしい感覚と、人間の足首の骨をじかに持った感覚、意外に細かった感覚が、今でも忘れられないということでした。
私は、終戦の次の年に生まれたので、戦争は体験していませんが
けして裕福ではない生活の体験はしてきたつもりです。
でも、そんな話は比べ物になりませんね。
被爆や戦争の悲惨さを体験している方は
ずっとそのことを内に秘めて、眠れない夜を過ごしたり・・・
その思いをだれにもわかってもらえず、口にすることさえ
恐ろしいと感じていたのでしょうね。
今日も、NHKでは、終戦記念日の特集が組まれ
硫黄島から生還した方たちが
二度とこのようなことが起こってはならない
そのためには、重い口を開く事を決意したと、話しておられました。
84歳位の方たちでした。・・・・・
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私が幼い頃、父と父の甥が、生前お酒の席で酒が回ってくると
決まって、戦場で偶然会ったときの話を涙ながらに語り合っていました。
とても素面では語れない悲しい話のようでした。
あの頃も、子供心に戦争の悲惨さを、私なりに初めて感じた時でした。