桜通りの小さなレストラン

日々の出来事、小さな発見などを書いていこうと思います

ゴムひも売りのお爺さん。。

2013-02-23 01:30:18 | 日記
先週の、風が冷たい日だった。

12時過ぎに入店した、80はとっくに越していそうな腰の曲がったお爺さん。
わけありなのか、入口に立ったまま動こうとしないのでこちらから近づいて行った。

爺「この店は、ご飯はいくらかね?」

私「ライスは200円ですが、」

爺「じゃ、そのライスをいただこうかね」

私「は? ライスだけですか?」

爺「それだけでいい、醤油かなんかかけて食べるから」

私「・・・・・・ 申し訳ありませんが、ライスは只今切らしておりまして、それにライスだけの食事というのはちょっと・・」(ないわけではなかったけど、お醤油かけご飯をここで食べられてもね~

爺「それではこの店は、吉野家のようにご飯だけ売ってくれるような店ではないと・・」

私「ハイ、申し訳ないんですけども・・」


それであきらめて帰ってくれると思い、背を向けると

「すんませんが、熱~いお湯を一杯だけいただけませんかね~

(そっか~体が冷えてたんだ~今日寒いし、ま・いいか~お湯ぐらい)

「いいですよ」

私は熱いお湯を耐熱カップに入れてその人が座るテーブルに置きました。

お湯を飲み始めたお爺さんは、パンはいくらかと聞く。
100円分だけくれというけど、それじゃ一切れぐらいだし・・

大きめに切ったパンを一人前分差し出すと、新聞を読みながら
お湯とパンをゆっくりと食べ、2,30分くつろいでいた様子。


爺「それで、このパンはいくらかね?」

私「100円です」

巾着の中からお金を出すそぶりを見せたその中は・・・

空っぽ

あっけにとられる私・・(確信犯の無銭飲食ね

爺「私は実は、ゴム売ってるんですよ、見てくれませんか?」

私(ゴムなんかいらね~よ、それが売れなかったからお金がないっていうのかい!
と思いながら、外に置きっぱなしになっていた荷物を見せてもらうことに

爺「これがパジャマのゴムで、これが細いので、(ぐちゃぐちゃ)」

これで商売出来てるとは思えない!

でも、パジャマのゴムひもが妙に欲しくなった私はそれをいただくことに・

爺「1メートル100円だけど、1,5メートル切るから」

ハイ、私まけてもらったのね、きっと大盛りパンのお礼ね

かくしてお爺さんは、けして無銭飲食などではなく、気持ちよく店を後にしたのでありました。


後日談がありまして・・

連休中常盤平界隈を飲み歩いていた夫が飲み屋さんでその話をすると、

「私はそのゴムひも200円で買ったわよ~!!!」とか

「あまりにぐちゃぐちゃだったから、買わなかったヨ~」とか

言ってたとか、言わなかったとか・・

明日もそのお爺さんに幸あれ・・









 
コメント (2)
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