最近感じること(ブログ版)

粕井貫次の書き下ろし個人エッセイ

「柳茶屋11月号の巻頭に

2013年11月05日 | 川柳
「柳茶屋」の近詠欄にトップに掲載された作者は鑑賞欄に書くこ
とが決まっているようです。9月号のトップは私でしたので、今
月はその番に当たりました。
   柳茶屋十一月号鑑賞
                      粕井かんじ                   

最近は寄る歳のため独創性が乏しくなったせいか、句の上手下手よりも
共感の持てる句につい魅かれます。それで紙面に掲載の順に好きな句を
・・・。
○ケータイを忘れこわごわ待ち合わせ     山田 順啓
まだ現役だった二十年前、いち早くケータイを持ちましたが、閑職
につくと同時にやめました。でも待ち合わせには至極重宝、必需品
ですね。
○眼を伏せる上手な嘘じゃないらしい     浦山 雅世
部下をもった経験では二度までは許しても、三度目は真実を追究し
たほうが本人のためにもなるようです。昔から「仏の顔も三度」と
いわれています。
○あの人に話せばニュース尾鰭つく        森野 政利
大阪に住んでいたころ近所にニックネームがアナウンサーと呼ばれ
る中年のご婦人がいました。楽しそうに次々と話されますが、話題
にされると大変、挨拶だけにしました。
○まだ自負があって物忘れが悔し       大村美千子
少し若い人に物忘れを話すと、「私もモノを取りに行ってさて何を
しにきたのかしらというときがあります」と。百点だった過去を忘
れ、五十点くらいで我慢しましょう。
○発車ベルパントマイムのガラス越し      米田 恭昌
何もかもスピードアップし、列車の窓は開けられず、動き出したら
加速についていけません。即席の手話は送るほうが派手で上手なよ
うです。
○目的を果たした朝の軽い靴         里中 秋泉こうい
う環境を得られる世代や年齢層はうらやましいですね。年と共に靴
の重さが感じられ、すり足気味、そのうちに杖が必要になります。
○相性の良いのばかりで三次会     三吉英一郎
友人は酒を嗜んでこそ肝胆相照らす仲になりやすいです。でも歳ととも
に二次会まで、さらに最初の酒席でさえおっくうになります。くれぐれ
もほどほどに。
○五十年浄土で母が待っている     西久保 隆三
私の場合は七十三年です。亡母はそのままの容姿、こちらは年寄り、果
たしてわかるやろか、心配です。でも大丈夫だそうで、浄土では魂と魂
のため瞬時にわかるとのこと。
○治さねばならぬ膝見て出る吐息    辻  育代
かつて私もそうでしたが、寝転んでの脚上げ、片足立ちの膝振り、水中
歩行などの運動とサプリメント服用で痛みを克服しました。杖がなくて
も階段も先ず大丈夫です。
○することもゆくこともあり老い盛り    林  千鶴
過日新聞の書籍広告欄に年取れば教育と教養が大切とありました。教育
とは「今日行くところがある」、教養とは「今日用がある」とのこと、
それを早く実践さすがです。
○支持決めた後はうるさい選挙カー    東  供翠
身内の選挙カーに乗ったことがありますが、確かにご縁のない方々には
ご迷惑だったと思います。行きずりの人から手を振っていただいたとき
は、勇気百倍でした。
○異常気象地球も呆けてきたのかも   黒川正之進
地球が出来て四十六億年、人類の原人が生まれて二、三十万年。このま
ま資源を食いつぶし、大気や海洋を汚染し続けけたら、いつまで地球が
もつかです。
 
 
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