KANCHAN'S AID STATION 4~感情的マラソン論

マラソンを愛する皆様、こんにちは。
2022年は積極的に更新していく心算です。

2008ロンドンマラソン雑感vol.3

2008年05月01日 | マラソン観戦記
27km過ぎて男子の先頭集団は6人。ケニアのワンジル、レル、ムタイ、キフレ、エチオピアのメルガ、モロッコのグムリ。
28km過ぎてキフレが脱落。

女子は38km。ミキテンコがペースを上げてきたようで、ザハロワとワミを引き離した。アナウンサーが「ドイツのミキティー」などと呼んだが、かつて、女子マラソン・ファンに人気の高かった某サイトの管理人氏が、シドニー五輪の女子マラソン4位のエスタ・ワンジロを「恵寿多」と表記したように、「三木点子」と呼ぼうかな。そう言えば、ドイツの児童文学者、エーリッヒ・ケストナーには「点子ちゃんとアントン」という作品があったな。

雨が降り出した。

男子は30kmを1時間28分30秒で通過。先頭を引っ張るのはレルに変わる。
「2時間3分台が出るかもしれませんよ。」
と瀬古さん。

レース前のワンジルの映像。
「35kmからスパートします。」
と語っていた。
時速20km以上のペースで32km以上走っているのに、
「一人も顔が歪んだ人がいない。」
と瀬古さんが指摘。余裕があるのか?

女子は40kmを2時間17分5秒でミキテンコが通過。2位はザハロワ、3位はワミ。雨に濡れたフィニッシュ地点。ミキテンコのフォームが変わった。5000mを14分台で走ったことのあるトラックランナーの走りだ。2時間24分14秒で優勝のゴール。2位は25秒差でザハロワ。37歳、34回目のマラソンのゴール。転倒したもののワミが3位でゴール。

男子は34km。ホールが集団に追いついてきた。ペースが落ちてきたのか?ホールも勝負のポイントは35kmと語っていた。35kmの通過は1時間43分53秒。30km地点からのペースが15分23秒かかってしまった。だからホールも追いつけたのか?しかし、そこからグムリがペースを上げ、ホールとムタイが引き離された。

4人全員が自己記録を更新するペースで走っている。2時間4分台は苦しいかもしれない。しかし、6年前にカリド・ハヌーシがポール・テルガト、ハイレ・ゲブレセラシエとの競り合いの末に生み出したコース・レコード2時間5分38秒(当時の世界最高記録)越えの可能性は高い。

38km過ぎてメルガが脱落。モロッコの10000m五輪代表歴を持つグムリが要注意か。39km過ぎてワンジルがスパート、レルもグムリも付いて来る。40kmは1時間58分53秒。既にゴール予想タイムは5分台。グムリが仕掛けるが引き離せない。ラスト1kmでグムリが離れた。レルとワンジルのマッチレースだ。瀬古さんの言うように
過去2回、ロンドンの優勝歴を持つレルが有利か?

残り385ヤードの看板の下でレルが渾身のスパート!2時間5分15秒でゴール。9秒差でワンジル、3位のグムリまでがハヌーシの記録を破った。4位のムタイが6分15秒、5位のホールも6分17秒。6位のメルガも6分台だ。

レルの記録は世界歴代4位、ワンジルは5位。グムリの5分30秒も歴代6位。これでどうにか、世界歴代10位に残っていた高岡寿成の日本最高記録が圏外に去った。はたして、この先、レルやワンジルと勝負ができる日本人ランナーは出現するのか?せめて、ホールのような走りはできぬものか。

女子のレースは男子に比べて「五輪前哨戦」に近かった。スローな入りから始まり、細かいペースの上げ下げがあり、スパートで勝負を決める展開。もし、この中に土佐や野口みずきが加わっていれば、どうなっていたかを想像する余地がある。ミキテンコやザハロワらは北京でも優勝争いに加わりそうだ。

(了)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2008ロンドンマラソン雑感vol... | トップ | アーカイブス「マラソン春秋... »

コメントを投稿

マラソン観戦記」カテゴリの最新記事