KANCHAN'S AID STATION 4~感情的マラソン論

マラソンを愛する皆様、こんにちは。
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マラソン・ブームの「終わりの予感?」

2012年09月21日 | マラソン時評
「ブーム」と言われるものは、必ず終わりが来るものだった。「盛者必衰」、「諸行無常」は世の習いとはいうものの、現在の「空前のマラソン・ブーム」は一向に終わる気配が微塵もない。

来年2月の東京マラソン、今回は抽選の競争率が10倍を越えた。昨年、インターネットでの先着申し込み枠(6000人)が4時間で埋まった愛媛マラソン、今年は同数の枠が1時間40分で埋まった。

その一方で、新たに生まれた大会に、綻びのように問題が明らかになってきた。

長崎県佐世保市のテーマ・パーク、ハウステンボスでの開催が話題となった、長崎国際マラソンが次回の開催を見送った。原因は前回、「誘導ミス」や「エイドステーションの水不足」といったアクシデント(あってはならないことではあるが、第一回のマラソン大会ではしばしば発生することである。)が、ハウステンボスのイメージダウンにつなかったとして、運営企業の社長が中止を決めたとのことである。来年以降の再開は示唆していたが、マラソン大会もメインスポンサーの意向に命運が握られているものであることに気づかされる事件であった。

今年3月、僕にとっては思い出深い大会の一つだった京都国際ハーフマラソンをリニューアル、いや、そんなキレイな言葉は使うまい、京都ハーフを潰してまで開催された京都マラソン。かつてはビル・ロジャースや学生時代の瀬古利彦さんも走った、オールド・ファンには懐かしい大会名が復活したが、来年の第2回大会は参加料が10500円から12000円に値上げするという。理由は、「2億円以上の赤字が発生した」ためだという。


高い!と思った。昔の話をしてもいけないと思うが、フルマラソンの参加料はほんの数年前まで5000円か6000円が相場だった。昔は5000円を越えれば、高いなと思っていたが、今や倍以上である。デフレ時代に、こんなに値上げするものが他にあるか?

東京マラソンなど、10万円の寄付をすれば抽選無しで走れるくらいだ。12000円という金額もそんなに気にならない人も少なくないのだろう。いつの間にか、マラソンは富裕層のレクリェーションになったようだ。

と言うよりも、2億円以上の赤字を発生させた、運営管理も問題だろう。


さらに、最近のニュースで驚いたのは、熱海市の湯らっくすマラソンが、津波発生時の避難場所が無いという安全上の問題を理由に中止を決めたという。こんな事を言っていたら、何も出来ないじゃないか。それこそ、大地震が遠くない将来発生する可能性があるという理由で、東京で五輪の開催など永遠に不可能になってしまう。

あるいは、津波のことは「口実」かもしれない。関係者の中に、大会を止めたいと思わせる何らかの事情があり、南海トラフ地震が、格好の口実となった、と見るのは穿った見方だろうか?(関係者の皆様には、大変失礼な想像かもしれない。)

今後、熱海市の対応に倣う自治体が出てくるかもしれない。それがマラソン・ブームの「終わりの始まり」となるのか?

正直に言って、僕は今の「ブーム」には少々うんざりしている。今年もまた、愛媛マラソンの先着申し込みに漏れたせいもあり、このブームとやらが静まれば、少しは出たい大会にも出やすくなるのではないかという淡い期待もあったのだが、大会そのものが激減、という事態となれば元も子もない。

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4 コメント

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マラソン (giants-55)
2012-09-26 10:26:15
書き込み有り難う御座いました。(レスは、当該記事のコメント欄の方“にも”付けさせて貰いました。)

何か問題が起これば、主催者が糾弾されてしまうのは良く在る事。主催者側に明らかな非が在れば仕方ないとは思いますが、綿密に問題点を潰し込んで行ったのに、問題が発生したという場合は、糾弾されるのは酷と言えましょう。「大地震発生→大津波発生→大勢の犠牲者」という東日本大震災の悲劇は忘れてはいけないし、そういった悲劇を繰り返さない為の対策は打たなければいけない。でも、だからと言って、「何でも彼でも、行わないに越した事は無い。」という“後ろ向きな対応”はどうかと思うのです。

不景気な状況が延々と続いている我が国。かんちゃん@マラソン・マン様が御指摘されている、「大会を止める為の口実」という可能性も、全く零では無いでしょうね。景気が悪くなると、真っ先に削られるのがスポーツや文化の分野ですから。残念な話では在りますが・・・。

身体を鍛えるというのは凄く良い事だと思うのですが、「ブームだから。」という理由だけで、安直に激しい運動を行ってしまうのは考え物。マラソンはきちんとした遣り方に則って行わないと、逆に健康を害し兼ねない、其れだけ過酷なスポーツだとも思うのです。きちんとした理論に基づき、無理の無い範囲で楽しむ。其れが大事でしょうね。
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赤坂 (マラソン資料館ファン)
2012-09-29 22:16:47
“かんちゃん”様へ

TBSの赤坂ミニマラソンを見ましたが、最後のワイナイナ選手と新谷選手のデッドヒートは見応えありましたね。今回の新谷選手については、僕は「よく出場してきてくれた。」と思いました。

市橋有里さんも出場していた(それもクイズから)にも驚きましたが、今回たぶん千葉ちゃんの「代役」だったと推測します。谷川さんと同時スタートでしたが大きく水を開けられてしまいました。十分なトレーニングが積まれてなかったのでしょう。

それにしても新谷選手にワイナイナ選手、谷川さんに市橋さん、そして西田隆維さんと、(「元」を含めて)第一線のランナーが5人も走っていたというのは、僕みたいな根っからのマラソン・ファンには(もちろん良い意味で)たまりませんでした。

ハンデには賛否両論あると思いますが、それによって一流ランナーたちも「ガチ」になって走ってくれますし。今回は実況でも「ワイナイナ選手のこんな真剣な表情は見たことがない。」と言ってました。

この番組も高視聴率番組なので、「宣伝効果」は十分にあると思います。なので「マラソンの普及」には「貢献」しているとも思うのですが、競技者人口の増加により出場したい大会にも出られなくなった“かんちゃん”様にとりましては、このブームを「有害」と思われるのも仕方ないのかもしれませんね。
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遅レスで申し訳ありません。 (かんちゃん)
2012-10-09 07:48:32
giants-55さん、書き込みありがとうございました。長い間更新をさぼっていて、遅まきながらのレスとなりますことをお詫びします。

今回の拙稿は、実はgianta-55さんのブログ記事をヒントに書いたものでした。

http://blog.goo.ne.jp/giants-55/e/8f083540beff2055b02f1e518168eb3e

「ブーム」と言えば、山登りもブームだそうですが、今春には高齢者の登山での遭難が相次ぎました。経験も知識も体力の無いひとが登山に挑戦することを「無謀」と批判する声に比べると、トレーニング不足の人がマラソンをすることが同様の危険な行為だという認識が不足していると感じています。

それこそ、ランニングの経験がないタレントが、一夜漬けのトレーニングで東京マラソンを走ったり、真夏に24時間も走ったりするのは、未経験者に10mの高飛び込みをさせるのと同じだと僕は思います。
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赤坂ミニマラソン (かんちゃん@マラソン・マン)
2012-10-09 08:12:00
マラソン資料館ファンさん、書き込みありがとうございました。また、レスが遅くなり申し訳ありませんでした。

赤坂ミニマラソン、今年は見れませんでした。その時間はちょうど、五木ひろしさんの「夜明けのブルース」http://www.youtube.com/watch?v=EHt1Q3E33B4&feature=fvsr

で一躍有名になった、松山二番町の店で飲んでました(笑)。

赤坂ミニマラソンは、けっこう面白い企画と思っています。往年の名ランナーの「強さ」も見られるし、芸能人の意外な健脚ぶりも見られます。あの猫ひろし氏を初めて見たのもこの番組でした。(この人の場合、この番組以外ではなかなか見かけませんが。)

新谷選手も出ていたんですね。彼女は「炎の体育会TV」でも、お笑い芸人たちとクロスカントリーで勝負していましたね。

今の「ブーム」がこの番組がきっかけ、とは思っていませんでした。確かに、

「タレントでもマラソンが出来るんだから、自分だって。」

と思って走り始める人も多いでしょうが。むしろ、東京マラソンの影響(関東では、最終ランナーのゴールまで放映されるそうです。)の方が絶大でしょう。
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