KANCHAN'S AID STATION 4~感情的マラソン論

マラソンを愛する皆様、こんにちは。
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マラソンに殺されない法 vol.1

2011年11月08日 | マラソンに殺されない法
あの「週刊新潮」に、「天下の暴挙」とまで酷評された第1回東京マラソンから4年以上過ぎた今、「暴挙」の輪は全国に飛び火し、次々と大都市の中心部の交通を封鎖し、数万人のランナーをそこで走らせるマラソン大会が次々と誕生しました。先日は、第1回の大阪マラソンが開催され、今月には神戸で、来春には京都で、そして名古屋では女子ランナーだけの大規模マラソンが開催されることになっています。

一体、これだけのランナーがどこから誕生したのでしょうか?これが、「マラソン・ブーム」というものなのでしょう。
「ブーム」と呼ばれる現象に付き物なのは、新参のファンと古参のファンとの対立、そして一般誌のどこかピントの外れた特集記事、そして過去には起こり得なかった騒動と弊害でしょう。幸か不幸か、この「ブーム」にまだ終焉の兆しは見えていません。

かつて、この欄において、「あなたもマラソン・ランナーになれる・・・わけではない」や「ココがヘンだよマラソン・ブーム」と名付けたシリーズ記事を掲載しました。前者では、初心者ランナーへのアドバイスという体裁を取りながら、本音の部分でこの「ブーム」に対する違和感を語ろうと試みたのですが、中途半端な形で、フェイドアウトしてしまったように思います。

フルマラソンの大会ばかりが増えていく割りに、日本代表のマラソンランナーや、代表選考レースの人気は一向に高まらず、世界陸上のマラソンについての記事が、総合スポーツ誌に一行も載らない、という歪な現状に異議を唱えるような記事をまた書いてみたいなと思っていた矢先に、一冊の本に出会いました。

芥川賞作家の丸山健二氏のエッセイ、「田舎暮らしに殺されない法」です。

丸山氏は1943年生まれ。東京で会社員として勤務しながら、書き上げた小説で芥川賞を受賞。当時23歳での受賞は史上最年少でした。その後郷里の長野に戻り、大自然の中で生きる人間の姿を描く作品を発表し続けています。僕がこの人の作品を読み始めたのは、'70年代から'80年代にかけて発表した、オフロードバイクでの豪州大陸縦断旅行記や、サファリ・ラリーの観戦記からでした。'70年代から、自然の中での生活に憧れて都会から移住してみたものの、過酷な現実に打ちのめされる人物を主人公にした作品を多数発表してきた丸山氏が、昨今の、定年退職を迎えた団塊の世代の人々らを中心に、第二の人生を田舎へ移住することがブームになっている現状をどう見ているだろうかと思っていたら、都会人の身勝手な幻想をずたずたにする言葉で満ちた、本物の「辛口」エッセイとなっていました。しかし、そこにあるのは、丸山氏がずっと書き続けていたテーマである、

「真に自立した人間となるにはどうすべきか?」

という真摯な問いかけなのでした。

大変、横着な思いつきですが、この本の「田舎暮らし」を「マラソン」に置き換えると、僕がこの場で書きたかったものが、見えてきました。丸山氏並びに、この本の版元である朝日新聞社には申し訳ないですが、本稿においては、この本に倣って、文章も敬体文にしてみようと思います。約20年で27回マラソンを完走した経験でもって、「マラソンを走る」ということの本質を語っていこうと思います。

余談ですが、昨今の田舎暮らしのブームについてですが、僕は生まれてから50年ずっと、田舎に暮らしています。僕が住んでいるのは、旧市内の中心部ですが、人口減少が進み、子供と若者の数が減少していくばかりです。もし、移住して来られるのであれば20~30代の、祭りや公民館の運動会などの行事に積極的に参加してくださる方を待望します。正直、60歳過ぎて、全く見知らぬ所へ移住するなんて、僕には出来そうにないです。もし、今住んでいる場所を離れてどこかへ移住するなら、子供の頃に過ごした町へ戻りたいのですが、僕が退職後に手にする年金ではその辺りにアパートを借りて生活するのは不可能だと思います。

それでも、老後は田舎に住みたいという人は、松山のような県庁所在地に住むのがいいでしょう。ゴルフやスキーや釣りに市内から車で1時間以内で行ける、というのがいいと思います。

それと、僕が今住んでいる辺りは、マラソンの練習コースの宝庫です。20~30kmものロードを信号など気にせずに走ることが出来ますし、自宅から少し車を走らせれば、クロカンコースも見つけることが出来ます。マラソンをとことんやりたい方は、移住してきませんか?ただし、仕事が見つかるかどうかは分かりませんが。

では本題に入っていきましょう。多数の申し込み者の中から抽選で、来年2月のマラソンへの出場権を得た「あなた」に向けて、問いかけていきます。

あなたはどうして、42.195kmを走ってみようと思ったのですか?6~7時間なら完走出来ると思ったのですか?

あなたは、自身の体力と精神力をどれだけ把握していますか?

マラソンが、まかり間違えば命を落とすリスクの高いスポーツだということをどれくらい自覚していますか?



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