kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

広島県立美術館特別展 「浮世絵師 歌川国芳」展

2015年09月21日 | 展覧会
浮世絵師 歌川国芳展
会場:広島県立美術館
会期:2015年9月11日(土)~10月18日(日)



若い頃、浮世絵なんて全然興味がなかったのだが、ここ数年、「東海道五十三次」を日本で一番最初の観光パンフレットと意識するようになってから、俄然、観るのが面白くなりだした。さらに、広島の美術館でほぼ年1回、特別展を開催してくれているので、さらに鑑賞する機会が増えた。

ワタシ自身は審美眼なんて持ち合わせていないのだが、浮世絵にある当時のメディア媒体としての側面を博物学・史学的に楽しんでいるように思う。また、版木の彫りに工芸的なものが感じられるのも、楽しい。要するに浮世絵初心者なので、何を見ても楽しいのだ。

で、「歌川国芳」展。これが滅法面白い。
元々、面白い作風な上、ポップにまとめられた解説が分かりやすい。美術館の展示としては弾けすぎて、クドイのかも知れないが、ムック解説本を思わせるような解説のおかげで、作品の歴史的背景や鑑賞のポイントがひと目でわかって、頭によりすんなりと入ってくる。

古典や伝説をモチーフにした作品も多く、現代のコミックに通じる表現も多々、見られるし、メディア媒体として、ひとつの画面から多くのことを伝えようとしたことが分かって面白い。特にワタシ自身、パロディとかダブル・ミーニングとかシャレとか言葉遊びが好きなので、そういった作品になると興味がつきない。(こういったところに制作時代の余裕みたいなものが感じられる。)

美人画や掛け軸の作品は縦長なのだが、浮世絵は判型が異なっており、三枚続の作品などは構図的に絵や物語を判の中に収めていることがよく分かる。

猫を題材にした作品も楽しく、手持ち用にポストカードを買おうとしたのだが、残念ながら販売は無し。(余談だが、今、隣りの空き家に野良猫が住み着いてしまい、次々と子猫を出産。愛くるしいのはいいのだが、ところ構わず用を足すので、猫嫌いのウチの奥さんは大激怒・・・)

いつもより長めの時間をかけて鑑賞したうえ、目録まで購入してしまった。前期後期で展示作品の入れ替えがあるので、また足を運ぶとしよう。

ところで、ここにも源頼光と土蜘蛛が。先日の葛城山登山といい、ここ最近、土蜘蛛伝説づいているなあ。

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