kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

マップ・トゥ・ザ・スターズ

2015年01月03日 | ★★★☆☆
日時:1月2日
映画館:サロンシネマ

2015年の観初めはこの映画。全然、めでたくない・・・。

デビッド・クローネンバーグが描くハリウッドに澱む人間模様。物語は伝説的女優だった自分の母親にキャスティングされることで再起を図ろうとする落ち目の女優(ジュリアン・ムーア)と、呪われた過去を持つ娘(ミア・ワシコウスカ)とそのセレブ一家(ジョン・キューザックほか)が少しずつ絡み合いながら展開していく。

前振りもなくセリフの中に登場人物名がバシバシ出てきて、最初は混乱するが、話が進むにつれ、それがひとつずつ結びついて、名声と成功(と失うことへの恐怖)に毒された人間模様が浮かびあがる。

セレブ一家の長男は子役で成功した13歳だが、すでに薬物中毒のリハビリを受けていて、行動も傍若無人。心の底から「痛い目に遭え」と願ってしまう。

その姉である娘はピュアなのか、おかしいのか、意味深な奇行で、周囲に災厄を振りまく。顔も辛気臭く、「アリス・イン・ワンダーランド」のヒロインだったのが不思議なくらい。本気で知り合うとやっかいで、できるだけ距離をおきたいタイプ。

その彼女と知り合う女優が大好きなジュリアン・ムーア。感情的に不安定な口やかましいオバハン役はいつものようにハマリ役だ。(この手の役はあまり見たくないけど。)下着姿になってもヌードになっても全然きれいじゃないのに、何か惹かれてしまう。
この映画で鮮明に覚えているのが、彼女がトイレで力むシーンとかエージェントと寝るシーンとかライバル女優の幼い息子が事故死したことで役を取れたことに歓喜するシーンといったキワモノめいた場面なのだから困ったもんだ。

彼らは過去の亡霊に翻弄され、やがて当然のことのように悲劇的な結末を迎える。(やがて劇中映画を「呪われた作品」にしていくゴシップ報道の加熱ぶりを想像してしまう。)

しかし、さすがにこんな登場人物たちには感情移入のしようがない。環境が違いすぎて自分に置き換えるどころか、周りにもここまで狂った人間はいない。ジュリアン・ムーアの演技を理解しようにも対比する基準を知らないのだからどうにもならないが、ハリウッドには評価できる人が多いってことだね。

ところで、びっくりするような肥満体で登場したキャリー・フィッシャー。SWの最新作にも登場しているそうだけど、まさかジャバ・ザ・ハットではあるまいな。(どんなことになるのか本気で心配。)

ちなみにサロンシネマの壁面を飾る宮崎祐治のイラスト。
今回はこれとこれ。










題名:マップ・トゥ・ザ・スターズ
原題:Map to the Stars
監督:デビッド・クローネンバーグ
出演:ジュリアン・ムーア、ミア・ワシコウスカ、ジョン・キューザック

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