kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

テネット

2020年11月28日 | ★★★☆☆

前評判で「難しい」と言われる本作、確かに分からないです。

さて、どこかの諜報機関に属する「主役」はアバンタイトル・ミッションで死にそうになり、救出後、謎のシステムを悪用した陰謀を阻止するよう命じられる。そのシステムが本作のキモである時間逆行システム。(タイムマシンではない)
主役は007並みに世界中を飛び回って、その陰謀を突き止めて阻止しようと奔走する。

主役の立ち振る舞いや悪役との接し方、クライマックスの戦闘まで007のフォーマットそのままでうれしくなってくる。(個人的に007のクライマックスは「サンダーボール作戦」~「女王陛下の007」「私を愛したスパイ」みたいに集団戦となるのが大好きなのだが、ここ何十年かは個人戦ばかり。5本に1回でいいから集団戦になってほしい。)

実質的に指令を下す"M"はハリー・パーマーことマイケル・ケイン。キングスマンも仕切ってたから、死ぬまでにル・カレ作品の敵役、カーラを演じてほしい。マイケル・ケインならできるでしょう。

クリストファー・ノーランの映画は重苦しくて小難しい印象があるが、思うに基本の話はヒーロー物、SF、戦争映画、スパイものとワタシたちの世代が好きそうなものばかり。
そこに監督なりの独特の見方や新解釈、表現が入って際立って見えると同時に受け入れやすくもあるんだろう。

その新解釈のキモが前述した時間逆行システム。なのだが、何が何だか分からない。「インターステラー」はまだ飲み込めたが、これはもう不明。
むしろ、科学的な裏付けがあるわけではないので理解するのではなく、映像的に「なんか面白いもの観た」と感じるのが正解。
一瞬「タイムコップ」みたいなベタな展開も期待したが、それはないなあ。

一見無関係なことが結びつく因果関係は他のノーラン映画でも取り上げられてきたし、時空を超えた再会ものって実は大好き。主役よりも相棒ニールのキャラに惹かれるなあ。

時空を超えて再会したのはエリザベス・デビッキ。190センチもの身長とその雰囲気のせいでスパイものとかSFとかしか出演できないんじゃないかと思うが、「0011アンクルの男」もさることながら、ル・カレ原作のTVシリーズ「ナイトマネージャー」では本作と全く同じ役柄(本当に全く同じ)で出演しており、もう途中からどっちの作品だったか分からなくなってしまう平行世界(笑)

アイディア重視すぎで、全体の背景説明に弱い点があるのが難かな。あと、上映時間が長い!

ところで、クライマックスではワタシの好きなロシア版ハンヴィーGAZ-2330が走り回ってくれます。エストニアロケしたそこはポイント高しです(笑)







題名:テネット
原題:TENET
監督:クリストファー・ノーラン
出演:ジョン・デヴィッド・ワシントン、ロバート・パティンソン、エリザベス・デビッキ、ケネス・ブラナー

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