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kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

ベイビードライバー

2017年09月21日 | 年間ベスト3
逃し屋ドライバーのアクション映画と当たりをつけていたが、前評判が異様に良い。上映館も少なく、上映回数がドンドン減る中、台風の間隙をついて劇場に足を運んだ。

これがカーアクション映画でミュージカルで青春映画という超ハイブリット映画にして、しかも各ジャンルで成功しているという稀有な作品。確かにこれは宣伝が難しい。

主人公の
ベイビーは幼少期の事故で耳鳴りがやまず、音楽を聞き続けることで対症療法している超A級の逃し屋ドライバー。プレタイトルから派手なカーアクションで強盗団3人を逃がす。
この後、音楽にあわせて、ワンシーンワンカットによる見事なオープニングタイトル。見事すぎて、ミュージカル。

ベイビーは因縁あってケビン・スペイシーの犯罪コーディネーター(「黄金の七人」の教授の悪質版みたいな感じ。)に安くで雇われ強盗事件の手助けをしているが、それもそろそろ終了。最後の仕事と前後してダイナーのウェイトレスと恋に落ちる。しかし、最後の仕事のメンバーがサイコな黒人犯罪者ジェイミー・フォックスと、ジョン・ハム+ラテン美女の凶暴カップル。当然、準備段階から混乱し・・・。

この映画、シーンごとで映画のテイストが全然変わるのだが、ちゃんと一つの流れが成立している。毎日色んなことに刺激を受ける若者の心理そのものみたいだ。
その主人公のキャラクターが立っているが、さらに脇役陣が素敵で、それぞれのキャラや会話が生きている。

過去の映画からの引用も多彩でタランティーノほど露骨ではなく、くすぐり程度で入れてくるところに唸らされるな。モンティ・パイソンの大好きスケッチ「スペイン宗教裁判」まで引っ張りだされるとねえ。
ワタシ自身は音楽方面が守備範囲でないので、そちらのネタは全く分からなかったのが残念。そこに知識があれば、更に楽しめたと思う。

カーチェイスのシーンも見事だが、鳥瞰図とかもう少しアングル的には多彩に見せてほしかったところ。
とはいえ、同じ映画1本2時間の中にこれだけキチンと詰め込めるなんてと感動せざるを得ない。

ラストは70年代・80年代の青春映画を思わせ、個人的には「レポマン」とかを思い出した。(全然違うが)
10代後半から20代前半の繊細な若い世代にぜひ、見てほしい映画。きっと人生に残る作品になると思う。

ところで、武器商人のブッチャー役は「ファンパラ」「トランザム7000」のポール・ウィリアムズじゃないか!

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