あれもこれも

灰原中心二次創作サイトの創作人によるあれこれ日記。何かありましたら「拍手」からどうぞ。お礼は名探偵コナンの小ネタ三種類。

七つの子

2013-11-05 00:02:35 | コナン(考察系)
 遅い夕食時にたまにBS日本・こころの歌という番組を見ています。童謡や古い歌謡曲が多いのですが綺麗な声の重なりがコーラス好きには心地いい番組です。
 
 今夜も夕食を食べつつこの番組を見ていたところ、ちょうど北原白秋・西条八十・野口雨情といった新民謡の特集でした。その中で当然野口雨情の代表曲の一つとして「七つの子」が歌われました。素晴らしいコーラスを聞きつつ歌詞を読んでてふとこの歌詞の事を考えてみたので、久々に考察記事を書いてみたいと思います。

 「七つの子」といえばコナンの中では哀ちゃん曰く「パンドラの箱」こと黒の組織のボスのメールアドレスです。結構引き延ばしてようやく判明した割りにほとんど使われなくて、公式はちゃんと覚えているのかな?と最近では不安になったりしますが、しかし組織の重要な手がかりである大事なキーワードです。でも考えてみれば、何でこの曲なんでしょうね?というわけで今回はこのボスのメールアドレス「七つの子」について歌詞の意味から考えてみたいと思います。

 まずこの「七つの子」の歌詞(この歌詞の著作権はすでに消滅しています)
 
烏 なぜ啼くの
烏は山に
可愛い七つの
子があるからよ

可愛 可愛と
烏は啼くの
可愛 可愛と
啼くんだよ

山の古巣へ
行つて見て御覧
丸い眼をした
いい子だよ


 というものです。カラス=黒ですから確かに黒の組織のボスのメールアドレスに相応しい歌だと言えないことはありませんが、しかし別に黒を連想される曲はこれだけではありません。何故ボスはこの曲をメールアドレスに選んだんでしょう?
 これはベルモット考察にも関わるんですが、ベルモットについて分かっていることは彼女が「ボスのお気に入り」であることがあります。この点からボスとベルモットにどういう関係があるのか、というのはコナンの考察にとって興味深い点でもあります。
 で、このボスとベルモットの関係で唯一はっきりしているのは二元ミステリーのラストでコナンがこのメールアドレスの手がかりをつかんだシーンでの二人のメールのやり取りです。
 「どうやら私はお前を自由にさせ過ぎたようだ。私の元へ帰って来ておくれ。ベルモット」
 というボスのメールにベル姐さんは「OK。ボス」と返信します。このメールを見るとベル姐さんがボスとかなり親しい関わりがあるということが分かるんですが、一方で考えてみれば何とも不思議な内容でもあります。少なくとも犯罪組織のボスが部下に出す文面ではない気がします。ベル姐さんの妖艶さから考えれば大人の関係な気もしますが、でもどちらかと言えばもっと親娘っぽい雰囲気に見えます。
 そんなわけで実はここずっと違和感があったんですが、今日上記のような「七つの子」の歌詞をみてふと黒の組織というのは冷血無比な犯罪シンジケートというよりは例えばマフィアの様な家父長制の犯罪組織なんじゃないか思いました。この童謡「七つの子」は烏の親が山にいる烏の子ども達の事を思う歌です。このことから家父長制の黒の組織においては烏の親はボスであり、カラスの子は組織員たちです。そう思うとボスからベル姐さんへのメールは父から娘へのメールという体裁からはさほど不自然だとは思えません。
 またピスコを殺したりバーボンを爆殺したりやたらと組織員を抹殺している印象のジンですが、両名ともボスの命令によるものでありそれ以外はウォッカがいかにマヌケでもベル姐さんが言うことを聞かなくてイラっとしても実際に手を下さず、威したり企んだりするだけです。しかもベル姐さんの時にはボスの命令が無い事を結構意識したりしているようでした。さらにあれほどベル姐さんを憎んでいるキャンティとコルンも「ボスの許しがない」ということで手を出せないことからも組織員同士の殺し合いは御法度のようです。
 これもつまりこの黒の組織というファミリーにおいて子供達が勝手に喧嘩をするということは親にとっては由々しい問題であるということでしょう。ではピスコやテキーラは何故殺されたかというと、ピスコは親(組織)の力を利用しすぎた事、テキーラは親(組織)の秘密を漏えいしそうになったということであり、それはボスにとって子供の失敗として許容しきれなくなったつまり家族としての資格を失ったという判断があったからということでしょう。
 また一方でこのような家父長制の疑似家族組織だと考えるとジンが執拗にシェリーを「裏切り」だと付け狙う理由も少し説明できるのではないでしょうか。GODがインタビューで「ジンは誰も好きにならない」とシェリーへの執着を恋愛感情ではないと否定したのは、ジンとっては組織から逃げ出した時点でシェリーは同じ親(ボス)の元にいる兄弟関係ではなくなったということなのでしょう。疑似家族的な強固な結びつきだからこそだからこそ「裏切り者」への制裁は絶対的なものとされるのだと思います。それはシャア赤井ことライがジンから狙われる理由が「裏切り者」であるからということからも明らかです。シャア赤井が「FBIのスパイだから」狙われるのではなく「組織を裏切ったから」狙われるというのは彼らの組織の在り方の象徴的な部分だと思います。
 
 では組織にとってボスを家父長にした疑似家族としての構成員とは誰かというと、これを決めるのが「コードネーム」ではないでしょうか。ですからコードネームの無かった明美さんや沼淵はあっさりと利用されたり殺されたりと組織員としての扱われなかったのでしょう。
 というところまで考えたところで一つ疑問に思うのは宮野夫婦のことです。この組織の家父長制的疑似家族的な構成が正しかったとして、ボス(親)にとって宮野夫婦は組織員(子)としての認識だったんでしょうか?これまでの所、宮野夫婦にコードネームが付いていたという記述はありません。これまで組織員としてコードネームを持った者は基本的に組織内ではコードネームで呼ばれおり、他のあだ名では呼ばれません。対して宮野夫婦ではエレーナさんは一貫して「ヘル・エンジェル」と呼ばれていてコードネームで呼ばれることはありません。ならば宮野夫婦にはコードネームは無かったということになるわけで、つまりボスとは疑似家族的な関係では無かったということです。そうなると宮野夫婦はとは組織にとって一体どんな存在だったのかがさらに大きな謎として残ります。
 
 黒の組織のボスの正体を哀ちゃんは知っているようですから「宮野夫婦が実はボスだった」ということは無いと思いますが、しかし宮野夫婦が組織について大きなキーポイントであることは間違いないはずです。そして宮野夫婦が出るということはもちろんその子供である哀ちゃんも大きくストーリーに絡んでくることになるわけですから、原作にはあっちこっちへと寄り道していないで、本当にそろそろこのあたりの本筋に突入してもらいたいものです。、
 




 
  
 

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 主人公はこうでないと! | トップ | 箱庭の夢 »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
素晴らしい (LIVED)
2013-11-05 07:06:11
160km/hストレートとでもいいましょうか、正攻法の考察である気がします。
今回の覚さんの主張は結局、「原作にはあっちこっちへと寄り道していないで~」という最後の一文に集約されている気がします^^

GODがこの記事を見ることはないかもしれませんが、ホントどうにかしてもらいたいですね~。
返信する
やっぱりそこに (覚蓮常)
2013-11-06 00:37:28
>LIVEDさん
本筋とは関係ない考察に過分なお褒めの言葉をありがとうございます。

おっしゃる通りやっぱり最後はそこに行くんですよね。組織編は完結のためには絶対に避けて通れない道ですから、ベルツリーのような肩透かしじゃなくて、王道を見せて欲しいです。
返信する
ちょっとおかしい (通りすがり)
2014-04-19 18:09:30
テキーラが死んだ理由は、
取引中に別の殺人事件に巻き込まれた…事故でしたよね?

組織の話は面白いです~七つの子…興味深い!
返信する
ああ!確かに!! (覚蓮常)
2014-04-21 23:46:09
>通りすがりさん
コメントありがとうございました。
確認したら、テキーラの死に組織は無関係でした。ご指摘ありがとうございました。

組織の事をあれこれ考えるのは好きなので、たまにゆるーく考察などして遊んでいます。トンデモなものも多いですのですが、楽しんでいただければ幸いです。
返信する

コメントを投稿

コナン(考察系)」カテゴリの最新記事