あれもこれも

灰原中心二次創作サイトの創作人によるあれこれ日記。何かありましたら「拍手」からどうぞ。お礼は名探偵コナンの小ネタ三種類。

APTXとベル姐さん その4

2013-01-05 23:14:07 | コナン(考察系)
 年末の寒風吹きすさぶ中で海釣りなどにいったせいなのか、正月から熱を出して寝込んだ旦那の世話で三が日が過ぎていきました。
 食料はたっぷりあるしTVは特に見るものもないし出かけるわけにもいかなし、大掃除が終わってるのでさほど家事もすることはない、さらにはお酒も飲まないということで、やることもなく原作単行本などを読んだりするうちに気が付けば書きかけのベル姐さん考察が書きあがっていたというお正月でした。

 それでは以下は約半年ぶりのAPTXとベル姐さんシリーズの更新です。できればその1~その3までと合わせてお読みくださいませ。


 すっかり時間が経ってしまいましたので、前回までの話を覚えておられる方も少ないと思います(この点はあまり原作に強く言えませんね(苦笑))ので、簡単に振り返ってみますと、その1はベル姐さんの行動を書き出し、その2はそれを時系列でまとめてみました。そしてその際にAPTXとベル姐さんに関わる疑問点として
 A:ベル姐さんはいつの時点で若返りor年齢を止める薬を飲んだのか?
 B:ベル姐さんはなぜシャロンver.→クリスver.へと変更する必要があったのか?
 C:宮野夫婦とベル姐さん、シェリーとベル姐さんの関係は?
 D:ベル姐さんと元祖シルバーブレットことライとシェリーの関係は?
 E:ベル姐さんはAPTX開発の理由を知っていたのか?
 の五点を挙げその3では主にAを中心に簡単に考察をしてみました。

 さてその後、ベルツリー編で新たにいくつAPTXとベル姐さんについて新証言が得られたので今回はそれを整理してみたいと思います。
 まず今回のベルツリー編で得られた新証言は
 (イ)18年前の時点ではAPTXは完成していない(エレーナママのテープより)
 (ロ)「シルバーブレッド」の命名が宮野夫婦であり、開発中の薬=シルバーブレッド(同上)
 (ハ)いっけん夢のような薬だけど、その実とても恐ろしい薬でありながら宮野の夫婦は完成させようとしていた(同上)
 (二)シェリーはAPTXを完成させていなかったが、現時点で哀ちゃんは完成もしくはAPTX開発の真相に到達している(哀ちゃんのモノローグ)
 (ホ)APTXはAPTX4869と解毒剤の両方で一つの効果になる(哀ちゃんのモノローグ「今はこの薬に頼るしか~」より)
 (へ)ベル姐さんにとってシェリーは決して存在してはならない人物(冒頭ベル姐さんのモノローグ)
 (ト)ベル姐さんは幼児化を隠さなければならない(有希子ママとベル姐さんの会話より)
 (チ)板倉さんのソフトは視覚効果に関係するもの(同上)
 というものでした。
 
 これらからいくつか新しい事実が分かってきましたが、まずは(イ)と(二)と(ホ)に注目したいと思います。特に(ホ)と(二)はAPTXについて非常に重要な証言になってくると思われます。というのもこの時哀ちゃんが握っている薬は幼児化の時に飲んだAPTXではなくその解毒剤であり、さらにここで彼女がいう「この薬」とは解毒剤を指しています。すなわち作ってはいけなかった薬=APTXではなくその解毒剤ということになるのですから、APTXの解毒剤の開発とは単に幼児から元の体に戻るための薬というだけでなく、組織が半世紀にわたって続けてきたプロジェクトそのものであったのではないでしょうか。つまり幼児化(若返り)もしくは不老薬としてのAPTXは解毒剤の存在が無くては不完全なものであると考えられるのです。
 これはAPTXという薬の効能を考える際またベル姐さんの秘密を考える時に大きな意味を持ってきます。さらに(イ)と(二)を考えると、20年前宮野夫婦が研究していたのは幼児化(若返り)もしくは不老効果のAPTXでありこれは前述のようにプロジェクトとしてはまだ半分の段階だったわけですが、今哀ちゃんが最終段階である解毒剤研究へと進もうとしていると考えることができます。そしてベル姐さんにとってプロジェクトの最終段階である解毒剤研究こそが阻止するべきものだと考えるとベル姐さんの目的と行動に整合性が見られる気がします。
 つまり組織時代のシェリーは未だ両親の研究を引き継いでAPTX研究を進めているにすぎないので、ベル姐さんの脅威にはならなかったけれど、APTXを飲んで幼児化しさらに結果として解毒剤開発に携わることで研究を次の段階に進めてしまったこと(文化祭で一時的にコナンが新一に戻ったことで解毒剤開発の進展に気づいたのでしょう)でプロジェクトの完成に迫り始めたシェリーがベル姐さんの邪魔になり(へ)という発想になったと考えるのが自然だと思います。

 さてここで冒頭の謎について考えると、ベル姐さんとシェリーが面識があったのは(7)(※()についてはその1の記述を参照くださいませ)の哀ちゃんの様子からわかりますが、上記の仮説が成り立つならばベル姐さんは20年前の宮野夫婦が開発していた「シルバーブレッド」の被験者であり、そしてその後シェリーが開発するかもしれなかった解毒剤の被験者になるべきだったはずです。そのためシェリーとは「シルバーブレッド」の被験者として面識があったのでしょう。もしかしたらAPTXによって何らかの変化を得た被験者の総称を「シルバーブレッド」と呼んだのかもしれません。となると19巻の競技場事件での哀ちゃんの「コナンが組織のプロジェクトに関わっている云々」発言やベル姐さんがコナンを「シルバーブレッド」と呼ぶことにも一定の理屈がつきます。
 そしてその点から考えると宮野夫婦が開発していたAPTXが不完全である以上、ベル姐さんは複数回薬を飲む必要があったということも考えるべきだと思います。つまり最初の薬の服用が20年前であり、そしてシェリーが開発していたより効果的な薬の服用が一年前だったのではないかということです。そして複数回にわたって年齢が変わるからこそクリス・ヴィンヤードの存在を必要としたのではないでしょうか。
 
 以上、新事実を整理しつつベル姐さんの謎について考察してきましたが、こうなると元祖シルバーブレッドことシャア赤井と宮野ファミリーと顔見知りの安室についてもさらに考察する必要があります。が、それは今回はこれまでとさせていただきます。そのあたりは次回機会があったらということで、よろしければ気長にお待ちくださいませ。
 
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5 コメント

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あけおめです (LIVED)
2013-01-06 20:36:11
こういった考察系記事は、いつもいいなーと思ってます。私も理系の端くれなら少しは見習…っと。
このように整頓して楽しむのが、ストーリー物の醍醐味なんだろうな、と思いつつ。「実はこのようにまとめてくれるのを待っているのはGODではないか」という、良からぬ考えが頭から離れない私です。
原作はしばらく様子見ですが。むしろ、こういった考察記事を基に、二次創作をして楽しむのが、いいのかもしれませんね…
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考察は (覚蓮常)
2013-01-08 01:05:03
>LIVEDさん
背景考察や語句分析が好きなのでこういうピックアップや分類作業は苦にならないんですよ。
でも実は頭の中では分からなくなるので、書きださなきゃいけないので考察よりは整理しただけで満足しちゃうことも多いんですが。

考察を始めたのはもともとは二次創作のためなんですよ。明美さんと哀ちゃんの話を書く時に、二人の年の差や組織の事などを考えてるうちにせっかくだからまとめて記事にしたら意外と評判良くて今に至ってます。ですから、今でも基本的にテキストに関わる部分しか考察してないんです(今回のベル姐さんの考察は「The code name」を書くために始めました)。
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なるほど (LIVED)
2013-01-08 07:17:57
元々二次創作のための考察でしたか。それなら納得です。というか、先の私の感想は、過去の経緯を知らなかったがゆえのものだったようで。

過去の経緯というか、歴史を知ることは、何事でも重要だなあ、と感じるようになってきました。そういった点で、覚さんの歴史好きはいいのかなあ、なんて^^
…なんか、オチが無くてすんませんm(_ _)m
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Unknown (Qきち)
2013-01-08 11:49:06
あけましてこなんちは!

つまりまたご主人様に風邪を引いて寝込んでいただかなくてはいけないわけですね(鬼)!!
ノロだとお世話も大変だし、覚さんにも移って考察どころじゃなくなるので、普通の風邪を希望します(笑)。

私は単純に灰原のセリフは「今はここで志保の姿に戻らなきゃみんなを救えないから解毒薬に頼るしかない」という意味にしかとってませんでした!。

「解毒薬」という呼び名も、もしかしたら正しくはないのかもしれませんね~。
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興味が原動力 (覚蓮常)
2013-01-11 22:55:20
>LIVEDさん
たぶん考察が二次創作のためだというのは初めて書いたと思います。実は時系列で言うと原作補完系テキスト完成→考察記事UPのパターンが多いんですが、さすがに気づいてる人はいないと思いますし。
原作補完系のテキストもいくつか書いてますが、原作の隙間を考えて埋めるのが好きなんですよね。

大事とか以前に私の場合は歴史好きはもう趣味というか生きがいですからね。歴史を学んで分かったのは歴史っていうのは徹底して主観なんですよね(当事者の日記なんて話盛ってるので疑うという世界ですからね)。研究者としてはその主観の集合体を俯瞰で見る努力を当然しなきゃいけないんですが、考察記事もそういう思考アプローチになってるのかなと思います。



>Qきちさん
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
ただの風邪でも「しんどい」だの「○○が欲しい」だのうるさいのでそれは勘弁してください(苦笑)

私も「この薬に頼るしか~」の部分はサラッと読み流してたんですが、エレーナママのテープの部分と合わせるとどうも違和感があったんですよ。単行本になっても修正が入ってなかったし「これは…」と思って考えてみました。
解毒剤というより「APTX」とはどの薬の名称なのか、ということは考える必要があるのかもしれませんね。
また哀ちゃんが大活躍して、気が向いたら書くかもしれません(笑)
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