5月5日(4句)
- ★一筋の夕日に染まる牡丹かな/小口泰與
- まっすぐに夕日が牡丹を染める様子が風格をもって詠まれている。(髙橋正子)
- ★富士山に雲のかかりて立夏かな/廣田洋一
- 富士山に雲がかかっている景色は、立夏でなくても見られるが、立夏であれば、それは間違いなく「夏富士」の姿となっている。(髙橋正子)
- ★揚羽蝶一直線に柚子の木へ/土橋みよ
- 揚羽蝶は柚子の木など柑橘類の木を好む傾向がある。幼虫が葉を食草としているためであろう。「一直線に」が揚羽蝶の懸命さをあらわしていて、見ていて驚く行為に、揚羽を観察する楽しさがある。(髙橋正子)
- ★水切りの菖蒲葉青く薫るかな/上島祥子
- 水切りをされた菖蒲の葉が生き生きと、「青く薫る」のがすがすがしい。(髙橋正子)
5月4日(2句)
★どの家も躑躅赤々咲かせおり/多田有花
「どの家も・・赤々」が強く印象に残る句。一見平凡に思えるが、印象がしっかり伝わるのがいい。(髙橋正子)
★傷重ね箱に収めるスケート靴/上島祥子
自分のスケート靴を持っているのが素敵だ。長年愛用し、いろんな傷ができているが、その傷も思いで深いものであろう。来シーズンまで箱に収めておくのだ。(髙橋正子)
5月3日(1句)
★永日のゴルフスイング音軽く/上島祥子
長い一日を象徴する「永日」と、ゴルフスイングの音の軽やかさを対比させた句。軽やかなスイングの音が、美しく受け止められ、穏やかな時間の流れと調和している。(髙橋正子)
5月2日(1句)
- ★野も山も八十八夜の輝きを/多田有花
- 今年は5月1日が八十八夜になった。八十八夜は季語としては晩春の季語で、春から夏へ移り変わるちょうどそのころである。このころから天気が安定し、気持ちのよい季節を迎える。この句では、「野も山も・・輝きを」と詠って、明るくのびやかな季節を讃えている。(髙橋正子)
- 5月1日(2句)
★木蔭行く我が頬そよぎ風薫る/桑本栄太郎
木蔭を行くとき、頬を風がそよいで過ぎる。その豊かな風に、「風薫る」心地良さを感じた。(髙橋正子)
★熊蜂の飛行スピード音となる/上島祥子
熊蜂は大きな蜂で、飛ぶスピードは、われわれの耳に「音」を生むほど。まさしく「音となる」のである。また、「熊蜂の飛行」と言われれば、はロシアの作曲家リムスキーコルサコフの技巧的な曲の名前でも知られている。その曲と重ね合わせて、熊蜂の飛ぶ音が聞こえる。(髙橋正子)
5月1日の今日の秀句に「木蔭行く我が頬そよぎ風薫る」の句をお選び頂き、嬉しいご句評も頂戴しまして大変有難う御座います!!。
ここ数日の日中は日差しが暖かく、日によっては少し暑さを感ずるほどです。この時は、日差しが少し暑い程で木蔭を歩きました。風が頬を過ぎり丁、度良い心地良さでありました。
5/1の秀句に「熊蜂の飛行スピード音となる」をお選び下さり丁寧な句評をありがとうございました。
江南市の藤まつりに出かけて藤を満喫してきました。
満開の藤棚に熊蜂が勢いよく飛び交ってよくぶつからないものだと思いました。
「野も山も八十八夜の輝きを」を5月2日の秀句にお選びいただきありがとうございます。
今年のゴールデンウィークは晴天が続いています。八十八夜も快晴でした。
このころは日差しは輝くばかりに明るく、湿気はまだ少なく、日は長く本当に快適なころです。
身も心ものびのびした感覚になりますね。
正子先生
5/3の秀句に「永日のゴルフスイング音軽く」を添削のうえお選び下ださり有難うございました。
「や」の詠嘆より「の」方が流れが良いと思いました。丁寧な句評も有難うございました。
正子先生
5/4の秀句に「傷重ね箱に収めるスケート靴」をお選びくださり有難うございます。
愛知には大人が気楽にスケートをする環境が有ります。子供と違い大人は成長で靴を履き替える事が無いのでシーズンを終えると新しい傷が増えています。
「どの家も躑躅赤々咲かせおり」を5月4日の秀句にお選びいただきありがとうございます。
近所は田畑が広がりその中に集落がある場所でした。
近年はそれらの田畑が次々に宅地に変わり歩くたびにサイディング外壁の今風の家が建っています。
その一方で昔からあるお宅の庭では今の時期つつじが花盛りです。
塀の上までツツジが顔を出すようにしつらえられているお宅もあったりして、歩いていると楽しい発見があります。
5月5日の投句(牡丹)の句を秀句にお取り上げ頂き、そのうえ嬉しい句評をいただき有難う御座います。大変うれしいです。
今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。
正子先生
5/5の秀句に「水切りの菖蒲葉青く薫るかな」をお選びくださり丁寧な句評を頂き有難うございました。買ってきた菖蒲を水切りして青い匂いを嗅ぐと夜の菖蒲湯が楽しみになりました。