◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/4月21日~4月30日

2023-04-21 21:45:11 | Weblog
※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。
主宰:高橋正子・管理:高橋信之


コメント (42)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日の秀句/4月21日~4月30日

2023-04-21 21:43:44 | Weblog
4月30日(1句)

★卓袱台に結飯(むすび)山もり春の昼/小口泰與
春の昼、働いて外から台所に入ると目が慣れるまでは卓袱台は暗い。その卓袱台に白い結飯が山もりに、自由に空き腹が満たせるように置かれいる。美味しそうで、嬉しいではないか。(髙橋正子)

4月29日(1句)

★急く利根の流れおさまりつばくらめ/小口泰與
雪解け水に速さを増していた利根の流れも収まりつつある。その春の流れをつばめが水に触れんばかりにさっそうと飛んでいる。(髙橋正子)

4月28日(1句)

★あちこちの春田ひかるや耕運機/弓削和人
広い春田があちこちに光って見渡せる。耕運機があちこちに散らばり、田を耕して春田は活気づいている。田植えの準備がいきいきと始まる。(髙橋正子)

4月27日(1句)

  嬉野温泉
★はや胡蝶花の咲き初め佐賀の夏近し/多田有花
佐賀は南国九州。初夏の花である胡蝶花が早も咲き初めて、夏近いことを感じさせてくれる。旅は季節を早めて味合わせてくれる。(髙橋正子)

4月26日(1句)

★手のひらに数えて花の種蒔けり/廣田洋一
手のひらに、大きめの種か、七、八、九、と数えて、それだけの芽ばえを思いつつ種を蒔いた。大切に、また楽しみな種蒔き。(髙橋正子)

4月25日(1句)

★硝子戸の枝葉明るく菜種梅雨/桑本栄太郎
硝子戸に見える枝葉が明るい緑。硝子越しの葉の緑が菜種梅雨の雨に濡れて鮮やかに美しい。(髙橋正子)

4月24日(1句)

★山藤のどさつと垂るる白さかな/桑本栄太郎
白い山藤。古風な印象さえ漂う白い山藤がどさっと垂れる。十分の京らしい一景に思える。(髙橋正子)

4月23日(2句)

★亀鳴くや落語全集書架にあり/小口泰與
「亀鳴く」という空想上の事柄が、書架にならぶ落語全集と取り合わされて、ユーモラスで、楽しい思いになる。(髙橋正子)

★行春や川面に浮かぶ白き雲/廣田洋一
川面に白い雲が浮かぶのを見つけた。川面の雲も川の水と流れて行くようである。行春の思いも川に映る白雲の似ているのかもしれない。(髙橋正子)

4月22日(1句)

★夏近しきらきら光る地平線/廣田洋一
「きらきら光る地平線」は若々しい感覚。夏が近づくと地平線は太陽の光を反射し、沖波をきらめかせる。(髙橋正子)


4月21日(1句)

★芍薬の芽のぐんぐんと日向かな/弓削和人
春の日差しをうけて芍薬の芽がぐんぐんと伸びている。つやつやとした芍薬の芽の力強さがはっきりと詠まれている。(髙橋正子)
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4月21日~4月30日

2023-04-21 21:41:09 | Weblog
4月30日(3名)

小口泰與
起くおくと騒ぐ子猫や風光る★★★
卓袱台に結飯山もり春の昼★★★★
春の星峡の渓流滔滔と★★★

多田有花
<福岡タワー二句>
うららかや視界の果てまで海岸線★★★
春の午後タワーの影がビルに伸び★★★
博多駅見上げて終わる春の旅★★★

桑本栄太郎
こでまりの滴零すや雨あがる★★★
荷風忌の祇園の路地を徘徊す★★★
四月果つ淀に散りたる天皇賞★★★

4月29日(4名)

小口泰與
道糸のみとめに魚信春夕べ★★★
急く利根の流れおさまりつばくらめ★★★★
岩ひとつ堰きて輝く春の川★★★

廣田洋一
いつまでも立ち続けたり葱坊主★★★
春の宵新しき店覗きたる★★★
春の用熟女と共に乾杯す★★★

多田有花
<大宰府天満宮>
仮殿予定地前で参拝の春★★★
<福岡タワー二句>
タワー真っ直ぐ快晴の春空へ★★★
タワーより春の渚を見下ろしぬ★★★

桑本栄太郎
園児らの今日は休みや花槐★★★
すかんぽの赤の穂の揺れ雨催い★★★
貧しくも希望ありたる昭和の日★★★

4月28日(5名)

小口泰與
春雨に傘の中にて居てほしや★★★
鳥の巣を覗きし風のほわほわと★★★
黄蝶や裾廻の径の鳥の声★★★

廣田洋一
春暑し宝石を売るインド人★★★
春の鴨行きつ戻りつ町の川★★★
その度に若返りたる春の夢★★★★

多田有花
<大宰府天満宮三句>
うららかに参道晴れて天満宮★★★
大宰府は道真の墓所春深し★★★
楠大樹並ぶ大宰府麗かに★★★★

弓削和人
あちこちの春田ひかるや耕運機★★★★
耕運機春めく泥をしゃくりあげ★★★
トンネルを越えるや春の御空あり★★★

桑本栄太郎
ひいらぎと云えど若葉や柔らかし★★★
雨上がりゲートボールや新樹光★★★
山藤の一木占めて被いけり★★★★

4月27日(4名)

小口泰與
花薺小川の土橋塞ぎけり★★★
蜜蜂の忙しき動き空は蒼(原句)
「空は蒼」の「は」が気になります。(髙橋正子)
蜜蜂の忙しく動く空蒼し(正子添削)

速やかに燕反転田畑かな(原句)
俳句は一文を切字で切っていると思ってください。(髙橋正子)
速やかに燕反転田の上を(添削例)  

多田有花
<嬉野温泉三句>
はや胡蝶花の咲き初め佐賀の夏近し★★★★
春深し宿の暖簾の緑茶色★★★
ネパール人研修生や君子蘭★★★

廣田洋一
授業にて種蒔したる一年生★★★

遠富士の豌豆の花真白なり(原句)
「遠富士の豌豆の花」は意味の上で無理があるように思います。(髙橋正子)
遠富士や豌豆の花真白なり★★★★(添削例①)
遠富士に豌豆の花真白なり(添削例②)

豌豆の花紫色に揺れてをり★★★

桑本栄太郎
葉桜となりて青空被いけり★★★

虎杖の石のすき間の日射しかな(原句)
「虎杖の石のすき間」は意味がわかりにくいです。(髙橋正子)
石の間に虎杖芽生え日射すかな(正子添削)

群青の空の嶺なり春の宵★★★

4月26日(5名)

小口泰與
利根川の絶えず流るや春の山★★★
山径の狭にはびこりし菫草★★★
水音にはやも育ちし川高菜★★★★

多田有花
<嬉野温泉三句>
夜の雨花びらに残し躑躅咲く(原句)
夜の雨を花びらに残し躑躅咲く(添削①)
花びらに夜の雨残し躑躅咲く(添削②)

佐賀尽しの料理が並ぶ春の朝★★★
雨上がり嬉野温泉春深む★★★

廣田洋一
街角のちらほら白き残花かな★★★
手のひらに数えて花の種蒔けり★★★★
ころころと車輪廻して種を蒔く★★★

桑本栄太郎
木々の枝の揺れ止まざるや若葉寒む★★★
父母のなき故郷遠く新樹冷ゆ★★★★
げんげ田やふるさとの野辺想い居り★★★

弓削和人
囀りや起きてまどろむ待合所
「起きてまどろむ」が分かりにくいです。
囀りやまどろみがちに待合所(添削例①)
囀りやまた微睡みて待合所

花冷えの待ちたるバス停朝の雨
ポイントを絞る必要があります。「花冷え」「朝の雨」「バス停」「待ちたる」と句材が多すぎます。(髙橋正子)
花冷えの朝の雨降りバスを待つ(正子添削)

ゆく雁や連山映す湖面のみ
「ゆく雁」と「連山映す湖面」とテーマが二つになっています。テーマは一つに。(髙橋正子)
ゆく雁や湖は連山映すのみ(正子添削)

4月25日(5名)

小口泰與
そこはかと香菫や石の洞★★★
雨上がり菫の蕊の光かな★★★★
そこはかと隣人来たる春夕べ★★★

多田有花
<嬉野温泉三句>
温泉の街を流れる春の川★★★
嬉野茶入れて露天風呂の春★★★
嬉野茶活かす料理や春の夕★★★

廣田洋一
絢爛たる都をどりやよういやさ★★★
白と紅道を明るく躑躅かな★★★
大紫燃え立つ如き垣根かな★★★

桑本栄太郎
塵出しの朝の静寂や紫蘭咲く★★★
何となく不安となりぬ若葉寒む★★★
硝子戸の枝葉明るく菜種梅雨★★★★

弓削和人
チューリップ昼日の揺るる赤白黄★★★★
湖風に欠航せらる周遊船(原句)
「(欠航)せらる」が気になります。(髙橋正子)
湖風に欠航となり周遊船
春湖に桟橋浸り漂えり★★★

4月24日(3名)

小口泰與
浅間嶺の煙たゆたう春の川★★★
猫の子や芝の雑草ほこほこと★★★★
全容の浅間や春の鳥の声★★★

桑本栄太郎
山藤のどさつと垂るる白さかな★★★★
手を停めて夕日眺むや窓若葉★★★
西山の峰に入日や若葉寒む★★★

弓削和人
春の川湖に合わさば流れ疾く★★★
ぜんまいの十六のうず空を巻き★★★★
吹かれたる水仙の数透き目なく★★★

4月23日(4名)

小口泰與
亀鳴くや落語全集書架にあり★★★★
水音を遮る如く蝶の舞う★★★★
囀りや水面に映る朱き橋★★★

廣田洋一
行春や川面に浮かぶ白き雲★★★★
ポンポンと音立て種を蒔きにけり★★★
白き富士遠くに仰ぎ種を蒔く★★★

桑本栄太郎
<四条大橋界隈>
からし菜の高き背丈や高瀬川★★★★
外つ人の大橋渡る春日かな★★★
南座の甍まぶしき春の日に★★★

多田有花
<西九州新幹線二句>
木の香り漂う車両春の旅★★★
折り紙の新幹線や春うらら★★★
<嬉野温泉>
茶どころに来て淹れる春の茶うまし★★★

4月22日(4名)

小口泰與
そこばくの星を支えし春の松★★★
春の水山より出でて大河なり★★★
鶯やテーブルクロス風に揺れ★★★★

廣田洋一
楓の木小枝手折りて剪定す★★★
ピストルの打ち出したるやしゃぼん玉★★★
夏近しきらきら光る地平線★★★★

多田有花
春の港クルーズ船の入港す★★★
<大浦天主堂>
二百五十年ぶり信徒発見の春★★★
<西九州新幹線>
かもめに乗り春の長崎後にする★★★

桑本栄太郎
我が影鋪道に色濃く花は葉に(原句)
5-7-5に整えたいです。(髙橋正子)
我が影の舗路に色濃し花は葉に(正子添削)

山藤の一木被う坂の道★★★
ふるさとの想い出遠く花大根★★★

4月21日(5名)

小口泰與
葱坊主赤城の風の荒ぶれる★★★
花大根浅間の襞のむらさきに★★★
つんつんと天を支えし松の花★★★

桑本栄太郎
彩雲の下りて来たるや藤の棚★★★
ふるさとの遠くになりぬ花大根★★★★
葉の茂り日差しを被う木蓮忌★★★

多田有花
<グラバー園三句>
花が散る蝶々夫人の彫像に★★★★
陽光を受け真っ赤なる皐月かな★★★
花と海に囲まれ春のグラバー邸★★★

弓削和人
山陽や葉陰に覗く桜草★★★
芍薬の芽のぐんぐんと日向かな★★★★
湖風やたちまち揺れし黃水仙(原句)
湖風やたちまち揺るる黄水仙★★★★(正子添削)
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自由な投句箱/4月11日~4月20日

2023-04-12 17:18:40 | Weblog
※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。
主宰:高橋正子・管理:高橋信之




コメント (46)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日の秀句/4月11日~4月20日

2023-04-12 17:14:59 | Weblog
4月20日(2句)

     グラバー園
★つつじ咲き海ひたすらに青さ増す/多田有花
つつじが燃えるように赤くさくと、海の青がますます青くなる。平戸躑躅の名があるように、長崎につつじはよく似合う。(髙橋正子)

星江ノ電の窓を開けたり春暑し/廣田洋一
江ノ電沿線の景色は楽しい。初夏を思わせる春の日には窓を開けると心地よい風が窓から入り、これもまた、小さな旅が味わえてたのしい。(髙橋正子)

4月19日(1句)

グラバー園
★うららかや長崎湾に船が入る/多田有花
グラバー園からの眺め。長崎湾に船がゆったりと入って来る様子がよく見える。うららかな景色である。(髙橋正子)

4月18日(1句)

★文机に春の苺の置いてあり/小口泰與
文机で読書していた作者だが、少し文机をはなれたのだろう。その間に妻が苺を置いていった。そんな場面が想像できた。(髙橋正子)

4月17日(1句)

★天つ日をたまわる棚田つばくらめ/小口泰與
棚田は天に近い。天の日をたまわる棚田を自由自在につばめが飛ぶ。すきな景色だ。(髙橋正子)

4月16日(1句)

★軒下の汲み置く水へ春の鳥/小口泰與
軒下に汲み置いた水に春の鳥が水を飲みに来た。そっと観察するかわいい仕草に癒される。(髙橋正子)

4月15日(1句)

★菜種梅雨窓の明かりに推敲中/桑本栄太郎
自画像として面白い。菜種梅雨にどこにも行けず、窓の明かりに寄って俳句を推敲している最中なのだ。(髙橋正子)

4月14日(1句)

★青空へ軽トラ白しいとざくら/弓削和人
絵本の画のような景色。いとざくらは、エドヒガンのうちの枝垂れ桜。白い軽トラックと青空の対比が春らしくていい。空想すれば、白い軽トラックは白い雲のようで、小回りが利いて空を走って行きそう。(髙橋正子)

4月13日(1句)

★花楓葉先の風のうすみどり/桑本栄太郎
深紅の花が咲いている楓は、まだ若緑。そのこずえの先を吹く風は、楓の色に染まったように「うすみどり」に感じられる。(髙橋正子)

4月12日(1句)

★すかんぽの茎の伸びたる雨一日/桑本栄太郎
雨の日はとくに野の草は良く伸びる。すかんぽの茎も雨にすくすくと茎を伸ばし、昔から変わらぬすかんぽに故郷を思い出す。(髙橋正子)

4月11日(2句)

★星影の時々消えて朧かな/廣田洋一
「時々消えて」に朧な空の感じがよく出ている。「星影」「朧」がローマン的。(髙橋正子)

★まさおなる分校の空黄水仙/弓削和人
「まさお」「黄水仙」の二つが作るイメージが鮮明。分校の空の汚れなさ、それだけにさびしさも。黄水仙は分校の子供たちのようでもある。(髙橋正子)

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする