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◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

4月21日~4月30日

2025-04-22 00:31:11 | Weblog
4月30日(5)
 
小口泰與
春蝉や鳥駆け巡る丘の森★★★
鶯の鳴き声嬉し我が庭へ★★★
ぼうたんの夕日に沈む庭の隅★★★★
 
廣田洋一
右左残花愛でつつバスの旅★★★
城壁の白さ際立て枝垂桜★★★
城の濠吹き寄せられし花筏★★★

 

多田有花
送電線並べ小赤壁の春★★★
海山の間に地蔵暖かし★★★
屹立す岩を見上げて春の汗★★★

 

桑本栄太郎
木々の枝の高き梢や風薫る★★★
風薫るなんじゃもんじゃの花の白★★★
嶺の端の入日あかねや四月果つ★★★

 

上島祥子
縁側に座を設えて紅躑躅★★★
クリムトの鉛筆下ろす昭和の日★★★
白鷺の上昇見送る田の夕べ★★★★
「白鷺」を夏の季語として、鑑賞すると、さわやかな田の夕べが思い浮かびます。(髙橋正子)

 

4月29日(3名)

 

小口泰與
葉桜をかくて見飽きし妻と我★★★
仏壇のか黒き塗りや春ともし★★★
日も鳥も囃し出でたる春の沼(原句)
日も鳥も囃し出でたり春の沼(正子添削)

 

多田有花
春空へパラグライダー次々と★★★
その昔白砂青松春の海★★★
春風を受けて海辺のティータイム★★★

 

桑本栄太郎
小出鞠の風に翻弄されて白★★★
白つつじ赤つつじとぞ咲き満つる★★★
白藤のトンネルなりぬ坂の道★★★

 

4月28日(4名)
小口泰與
はくれんや白き浅間へ向きて咲く★★★★
隠れ沼や春翡翠の飛び出でし★★★
太陽を孕みふんわり猫柳
「太陽を孕み」の「太陽」に日本語として違和感があります。(髙橋正子)

 

多田有花
ハイキング残る桜を見上げゆく★★★★
たんぽぽの旅立ちの時始まりぬ★★★
穏やかに島影浮かべ春の海★★★

 

桑本栄太郎
道の辺の蘂の赤きや夏近し★★★
プロペラの葉蔭に赤く若楓★★★
赤と黄の数多彩り春落葉★★★
弓削和人
白浪の泡より白き春の砂★★★

 

4月27日(4名)
小口泰與
はくれんや白き浅間の隠れなし★★★★
かぐわしき沼の若葉や朝日出づ★★★
太陽を含みふっくら牡丹の芽
「太陽を含み」の「太陽」は違和感があります。「陽を含み」でいいのではないでしょうか。(髙橋正子)

 

多田有花
腰赤燕いそいそと巣を修復★★★
紅白を街角に添えはなみずき★★★
赤白黄色はっきりありぬチューリップ★★★★

 

廣田洋一
一人だけ青き背広や春かなし★★★
鎌倉の小町通りや春暑し★★★
残花を惜しみ愛でたる夕べかな★★★

 

桑本栄太郎
大根の花や朝日に大原野
3段切れになっています。この句では、3段切れの必要はないと思います。一句一章、二句一章ということです。(髙橋正子)
一本のひなげし風に休耕地★★★★
揚羽来て何やら言づて話すかに★★★

 

4月26日(6名)
小口泰與
雀の子垣穂の中に隠れけり★★★
山よりの風限りなく現れし
写メ撮るは庭の牡丹に限りけり★★★

 

弓削和人
みちのくの春日は淡くたよりなし★★★
秒針の音鮮やかに春の宵★★★
音読す春の朝日に聴かしたり★★★

 

多田有花
春深し朝ごと山のいきいきと★★★★
頬白や横顔意外に凛々しくて★★★
春たけてトライクでゆくふたりかな★★★

 

廣田洋一
並木道雨を払える若葉風★★★★
市民俳句大会終えて夏近し★★★
蒲公英の絮風を待ちる朝かな
 
土橋みよ
鱗取る音も春らしマコガレイ★★★★
電線に佇む雲雀二重唱★★★
帰郷する友に馴染みの桜茶を★★★

 

桑本栄太郎
妻が茹で我の仕事や蕗を剥く★★★
切れ在りてこその俳句や霾ぐもり★★★
にょきにょきと伸びる傍より竹落葉★★★

 

4月25日(5名)
※「切れ」は、もともと繋がっているものを「切っている」ので、離れているもの(違っているもの)を繋いでいるのではありません。その理由で、「切れ」とか「切れ字」の考えがうまれているので、ご留意ください。(髙橋正子)
廣田洋一
ディズニーの風船揺らしベビーカー★★★
花薊色艶やかに雨の中★★★
大鍋の辛口カレー夏近し★★★
多田有花
おかえりと腰赤燕に呼びかける★★★
八重桜青空の色深くなる★★★★
雌雉の飛び雄雉の鳴いて飛ぶ★★★★
小口泰與
春の虹長きすそ野を輝かす★★★★
川渡る鉄路かかようつばくらめ(原句)
「川渡る鉄路」と「つばくらめ」の関係が切れている難点です。不即不離の関係にするには、「かがよう」の用い方です。(髙橋正子)

鳥帰る白き浅間を越え行けり★★★★
桑本栄太郎
ふるさとの土手道想う蕨届く★★★★
すかんぽの穂が伸び赤く靡きけり★★★
高き塀乗り越え垂るる山吹よ★★★
弓削和人
春星にひとり座したりひとり去り★★★

湖に帰し山より集う春の水
「帰し」としたのは、なぜですか。
湖に帰す山より集う春の水(正子添削)

花冷えのやがて暮れゆく湖畔かな★★★★

月24日(6名)

多田有花
酒蔵の二階はショップ春灯★★★
チューリップに送られ酒蔵後にする★★★
花曇助手席で酒粕ジェラートを★★★
廣田洋一
蒲公英の絮を揺らして坂の道★★★
薊の花くっきり赤く土手の道★★★
春の蚊のふわりと来たる如来堂★★★
小口泰與
白き浅間朝日を浴びて山笑う★★★
ものの芽の朝日をはじきて尖りける★★★
かがなべて春の利根川魚数多★★★
桑本栄太郎
木々の枝の若葉わらわら冷え来たる★★★
春なれや名もなき草の花と実に★★★
しべ赤く御衣黄ざくら散り初める★★★
弓削和人
春の星灯りに連ね潤むかな(原句)
春の星灯りに連なり潤むか(正子添削)
原句の「連ね」の主語は「春の星」です。灯りに「何を」連ねたのでしょうか。「春の星が灯りに連なっている」の意味にする場合は、添削のようになります。(髙橋正子)
上島祥子
雨一夜緑膨らむ梅若葉★★★★
復活祭教皇送る八十二億★★★
地方紙に包まれ届くアスパラガス★★★

4月23日(5名)

小口泰與

入学の大きな名札おもはゆし★★★
春嵐木木を啼かせる夕間暮れ★★★
かがなべていよよ新緑色を増し★★★
※「かがなべて」は「日々並べて」と書きます。古事記などに出てくる古い言葉です。(正子注)
多田有花
もちもちの釜あげうどんうららかに★★★
デザートは抹茶プリンや木の芽時★★★
酒造り百五十年目の島の春★★★

 

桑本栄太郎
朝刊のビニール被り春の雨★★★
三角の辻の花壇や藤の房★★★
石垣を蔽い垂れ居り芝ざくら★★★

 

廣田洋一
ビルの壁白く光りて花水木★★★
春の蚊や刺されぬうちに飛び去りぬ★★★
鯉の群みな口開けて夏近し★★★★

 

森下朋子
愛犬の骨つぼ軽し春の雨★★★★

椿落つ静かなるかな平家谷★★★★
この句は、三段切れ(1句が3つに分かれている)に該当するように見えますが、句意が「静かなるかな」に集約されているので、許されるものでしょう。つまり、「静かなるかな」は、「椿落つ」にも「平家谷」にもかかっていて、意味がここに集約されているので、ばらばらにならずに済んでいます。(髙橋正子)

春しぐれ落人偲ぶ赤幡神社★★★

 

4月22日(7名)

小口泰與
大いなる浅間へ春日差しにけり★★★
仰せの通り今年の若葉いきいきと★★★
一会の名刺おおかた春の闇★★★

 

土橋みよ
友来たるざるに溢れる苺手に(原句)
文法的な統一性にやや欠けますが、リズム的には、生き生きとした、喜びのある句と思います。

 

友来たる笊に溢るる苺手に(正子添削)
①「ざる」は、この句では、読みにくいので漢字にしました。
②一句全体を文語で表現したい場合は、「溢れる」(口語)でなく、「溢る(あふる)」(文語)の連体形(名詞などを修飾するとき)の「溢るる(あふるる)」にします。(髙橋正子)

赤いポスト小手毬の白覆いけり(原句)

小手毬の白に覆われ赤いポスト(正子添削)

①もとの句の意味は、赤いポストが小手毬の白を覆っているなあ、の意味になっていますので、添削しました。

「赤いポスト小手毬の白に覆われけり」となりますが、これでは、リズムがよくないので、工夫します。(厳密にはリズムだけではありませんが)

②また、全体を文語で表現するなら「赤きポスト」とするのが、よいです。「赤きポスト」でなく、「赤いポスト」(口語)で表したいなら、添削のようにすれば、口語表記の句になります。

 

羽広げ葉裏をゆくや揚羽蝶★★★★

 

廣田洋一
公園の残花散り来る滑り台★★★★
春の蚊や風呂場の湯気を浴びて
紙風船突きたる音を楽しめり★★★★

 

多田有花
三葉芹奥に控える黄身酢かけ★★★
春深しごぼうを乗せし蒸し穴子★★★
のどけしやトリュフ塩にて淡路牛★★★

 

桑本栄太郎
春茱萸の種の散らばる舗道かな★★★
すかんぽの伸びて赤き穂なびきけり★★★
あたたかや飛行機雲の解け行く★★★
弓削和人
ふさがんと春に炬燵を出し始め★★★
花びらのおちゆくさきの黒ピアノ★★★
塵ひとつなきピアノへ花ひとひら★★★

 

上島祥子
たらの芽の棘に驚く左拇指★★★
すみれ草帯なす畦と車路さかい★★★
花かりん透かして空の青さ知る★★★★

 

4月21日(4名)

小口泰與

若葉萌え池の周りは鳥の声★★★★

あけぼのの若葉につつまる鳥の数★★★

鶯の声に瞼の開きおり★★★

 

桑本栄太郎

★あゆみ行く吾に添いり虻の声

咲き満ちて紅の狭庭や花みずき★★★

”ハナさん”の事故死の花壇芝ざくら★★★

 

多田有花

古民家の暖簾を揺らす春の風★★★

春の菜にチーズ散らせるサラダかな★★★

春の色飾り烏賊墨細うどん★★★

 

廣田洋一

白躑躅行い澄ます朝かな★★★

蒲公英の絮の漂う寺の跡★★★★

池の端低く飛びたるしじみ蝶★★★

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3 コメント

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自由な投句箱 (小口泰與)
2025-04-23 10:49:40
★入学の大きな名札おもはゆし
★春嵐木木を啼かせる夕間暮れ
★かがなべていよよ新緑色を増し
返信する
自由な投句箱 (小口泰與)
2025-04-28 09:10:00
御礼
高橋正子先生
(牡丹の芽)の句を添削していただ有難う御座います。大変うれしいです。
今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。
返信する
ご指導有難う御座います。 (小口泰與)
2025-04-30 08:08:56
高橋正子先生
(猫柳)の句をご指導賜り厚く御礼申し上げます。今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。
有難う御座いました。
返信する

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