◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/1月21日~31日(2018年)

2018-01-22 12:26:26 | Weblog

生き生きと、みずみずしい俳句を期待しています。

※当季雑詠3句(冬の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
主宰:高橋正子・管理:高橋信之


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今日の秀句/1月21日~31日(2018年)

2018-01-22 12:25:24 | Weblog

1月31日(2句)

★青空の丘をかおらす水仙花/小口泰與
丘の上の水仙郷なのであろう。青空と触れるところの水仙の花花がかおりを一斉に放っている。素晴らしい景色だ。(高橋正子)

★手提げよりはみ出す葱の青々と/廣田洋一
葱を買うと買い物の手提げ袋からはみ出す。はみ出した葱の葉の元気に手提げ袋も画になる様だ。(高橋正子)

1月30日(1句)

★群青の空残りたる寒暮かな/桑本栄太郎
寒暮といいながらも暮れ残る空は、美しい群青色を見せている。春が近くきていることを思わせる。(高橋正子)

1月29日(2句)

★遠景は大和の峰か雪を置く/古田敬二
旅をしていると遠くの山々が気にかかる。どのあたりのやまであろうか。雪を置いて、大和の峰であろうかと。いい旅情だ。(高橋正子)

★まんさくの葉枯のままに綻びぬ/桑本栄太郎
まんさくの花が綻びはじめても、枯れた葉がまだあちこちについている。枯れた葉といってもカラッとして色合いがいい。まんさくの花の色とのと幸せもシックだ。(高橋正子)

1月28日(2句)

★無人なる枯野の駅に目覚めけり/古田敬二
旅の列車。ふと目覚めると無人の枯野の駅に止まっている。荒涼とした枯野の駅は暖房の車内から見れば別の世界のようである。(高橋正子)

★青空に凛と寒林並びけり/桑本栄太郎
青空に凛と寒林が並ぶ様子に思わず背筋が正される。厳しいさの中に青空が明るい。(高橋正子)

1月27日(1句)

★早梅の一輪ほどの丘の上/桑本栄太郎
丘に上れば梅が一輪ほど開いている。この丘に小さな春が来ている。その嬉しさは、丘であるからこそ感じられると思う。(高橋正子)

1月26日(2句)

★雪溶けて白き花見せシクラメン/廣田洋一
雪の白とシクラメンの白の清潔感に春らしさがある。白い雪が解け、シクラメンの白い花が見える。(高橋正子)

★まほろばの大和を歩く寒の昼/多田有花
「倭(やまと)は 国のまほろば たたなづく 青垣 山隠( やまこも)れる 倭しうるはし」を思い出させる句だが、今も大和を歩けば、特に寒中の昼に歩けば、歴史的な感覚が蘇るのだろう。(高橋正子)

1月25日(1句)

★南座の錦絵囲み日脚伸ぶ/桑本栄太郎
南座にかけられた役者の錦絵。その錦絵にも日脚が伸び、明るく照らしている。春はそこまで来ている。(高橋正子)

1月24日(2句)

★冬耕の畦ゆく赤き長靴よ/多田有花
寒々とした畑を耕し、畦を歩く人。赤い長靴が荒涼とした景色に一際目立つ。お洒落である。赤い長靴を履くのは男性であろう。昔のゴム長靴のイメージからすれば、日本人の生活がお洒落に洋風になったと思う。(高橋正子)

★新雪の小さき花芽に触れて消ゆ/川名ますみ
1月の22日は大雪となったが、雪は降り始めは、小さな花芽に優しく触れて、消えていった。小さな花芽を愛おしみ慈しむような雪の「新しさ」がうれしい。(高橋正子)

1月23日(2句)

★自転車をそのまま埋めて雪深し/廣田洋一
戸外に置かれたままの自転車に雪が積もり、その形をまますっぽりと埋めてしまった。これほどの雪を想像もしなかったのだろう。「自転車」に普段の生活が見える。(高橋正子)

<三輪山登拝>
★鈴の音を鳴らし神山(おやま)へ寒参/多田有花
寒参の清々しさ。「鈴の音」が寒参を厳しいだけでなく、やわらかく澄んだものにしている。(高橋正子)
http://oomiwa.or.jp/jinja/miwayama/tohai/

1月22日(2句)

★寒暁や山へと向かう列車待つ/多田有花
寒暁、冬山へと向かう列車。暁の凍るような冷たさも、「山へと向かう」ということで、吹っ飛ばされる。山へどんな期待があるのか、と想像して興味の湧く句だ。(高橋正子)

★朝の雨音無き雪となりにけり/廣田洋一
朝は細かい雨が降っていたのが、音もなく降る雪に変わった。降りながら「無音」の雪の世界が奥深く広がっている。(高橋正子)

1月21日(1句)

★芍薬の赤き芽揃う黒き土/古田敬二
芍薬の芽はつやつやとしている。「赤」といういろも様々だが、つややかな赤が湿りを含んだ黒土に似合い、見るものの気持ちをを生き生きとさせてくれる。(高橋正子)
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1月21日~31日(2018年)

2018-01-22 12:20:34 | Weblog

1月31日(4名)

●古田敬二
難病の友への見舞い猫柳★★★
白菜の夕餉へ残業の子が帰る★★★
冬の陽の光となりて小鳥来る(原句)
冬の陽の光となりて来し小鳥★★★★(正子添削)
「冬の陽」(冬の季語)と「小鳥来る」(秋の季語)がどちらも同じくらいの比重で、季重なりの難が免れません。添削のようにしたらどうでしょうか。

●小口泰與
探梅や九十九折なる道路鏡★★★
支離滅裂にこぼれ行く寒雀★★★
青空の丘をかおらす水仙花★★★★
丘の上の水仙郷なのであろう。青空と触れるところの水仙の花花がかおりを一斉に放っている。素晴らしい景色だ。(高橋正子)

●廣田洋一
手提げよりはみ出す葱の青々と★★★★
葱を買うと買い物の手提げ袋からはみ出す。はみ出した葱の葉の元気に手提げ袋も画になる様だ。(高橋正子)

日だまりや小さき冬芽二つ三つ★★★
二人して旅の話や葱鮪鍋★★★

●桑本栄太郎
車降り徒歩の家路や日脚伸ぶ★★★★
冬鷺の水辺に沿いてせせりけり★★★
恥ずかしきほどの明かりや寒の月★★★

1月30日(3名)

●小口泰與
定位置に座りし我や冬座敷★★★★
孫の風邪移されしとかメールかな★★★
マスク取り元会長の回顧談★★★

●廣田洋一
屋根雪のばさり打ちたる車かな★★★
知らぬ間に数の増えたる寒椿★★★★
昼食に誘ひ出される冬日和★★★

●桑本栄太郎
山眠るすそ野隘路や天王山★★★
うねうねと摂津山並み冬の靄★★★
群青の空残りたる寒暮かな★★★★
寒暮といいながらも暮れ残る空は、美しい群青色を見せている。春が近くきていることを思わせる。(高橋正子)

1月29日(5名)

●小口泰與
山風に対い帰宅や根深汁★★★★
司馬遷の史記を枕に冬籠★★★
小面と向かい会いたる長火鉢★★★

●廣田洋一
若鷹や脚に紐巻き空仰ぐ★★★
土凍てて浄めの塩の浮かびをり★★★
蝋梅や黄の透き通る青き空★★★★

●多田有花
厳寒の沖の光りし播磨灘(原句)
「光りし」は「光った」の意味です。
厳寒の沖の光れる播磨灘(正子添削)
「光れる」は「光っている」の意味です。

頂に霰降るなか昼ごはん★★★★
寒中の山下り熱き紅茶飲む★★★

●古田敬二
初旅や人生鈍行単線路★★★
風花舞うここは大和の国堺★★★
遠景は大和の峰か雪を置く★★★★
旅をしていると遠くの山々が気にかかる。どのあたりのやまであろうか。雪を置いて、大和の峰であろうかと。いい旅情だ。(高橋正子)

●桑本栄太郎
フェンス立てノックボールや日脚伸ぶ★★★
まんさくの葉枯のままに綻びぬ★★★★
まんさくの花が綻びはじめても、枯れた葉がまだあちこちについている。枯れた葉といってもカラッとして色合いがいい。まんさくの花の色とのと幸せもシックだ。(高橋正子)

かりかりと今朝の比叡は凍てにけり★★★

1月28日(4名)

小口泰與
熱燗やついに詩人となりがたし★★★
雑炊や鍋割山に星数多★★★★
献血に人は居らずや焼芋屋★★★

廣田洋一
積上げし雪山日毎細くなり★★★
まだ有ると指差す先に雪の山★★★
寒椿ぱつと開きて息止める★★★★

古田敬二
風花の風の吹きこむ吉野線★★★
無人なる枯野の駅に目覚めけり★★★★
旅の列車。ふと目覚めると無人の枯野の駅に止まっている。荒涼とした枯野の駅は暖房の車内から見れば別の世界のようである。(高橋正子)

ワンマンカー枯野に震えて止まりけり★★★

桑本栄太郎
冬萌や売地看板主なき地に★★★
青空に凛と寒林並びけり★★★★
青空に凛と寒林が並ぶ様子に思わず背筋が正される。厳しいさの中に青空が明るい。(高橋正子)

フェンス立て少年野球や日脚伸ぶ★★★

1月27日(3名)

●廣田洋一
北極の氷溶けだし大寒波★★★
寒波来る真鯛は紅く泳ぎ居り★★★
寒波来る湘南の空深き青★★★★

●小口泰與
熱燗や車座になる句会後★★★
熱熱の飯に落とせし寒卵★★★

●桑本栄太郎
目覚むれば入日茜やはだれ雪★★★
早梅の一輪ほどの丘上かな(原句)
早梅の一輪ほどの丘の上★★★★(正子添削)
丘に上れば梅が一輪ほど開いている。この丘に小さな春が来ている。その嬉しさは、丘であるからこそ感じられると思う。(高橋正子)

寒林の青空に伸び絡みけり★★★

1月26日(4名)

●小口泰與
禿頭の頬被りすや 畑仕事★★★
手袋の十指をひろぐ朝かな★★★★
上物の並ぶ五十集の金目鯛★★★

●廣田洋一
雀二羽餌をついばみ春近し★★★
雪溶けて白き花見せシクラメン★★★★
雪の白とシクラメンの白の清潔感に春らしさがある。白い雪が解け、シクラメンの白い花が見える。(高橋正子)

春隣張替進むアスファルト★★★

●桑本栄太郎
階段の踊り場雪の団地かな★★★
蝋梅の青空透かし日差しけり(原句)
日差し受け蝋梅青空透かしけり★★★★(正子添削)
元の句は、「蝋梅」が「日差しけり」となっています。主語と述語が一致していません。

冬畑のマルチ襤褸や丘の風★★★

●多田有花
まほろばの大和を歩く寒の昼★★★★
「倭(やまと)は 国のまほろば たたなづく 青垣 山隠( やまこも)れる 倭しうるはし」を思い出させる句だが、今も大和を歩けば、特に寒中の昼に歩けば、歴史的な感覚が蘇るのだろう。(高橋正子)

ベランダの氷柱に迫る朝日影★★★
ざくざくと霜柱踏み走りけり★★★

1月25日(3名)

●小口泰與
霜柱風の中なる無言館★★★★
蒟蒻の鍋沸沸と寒紅梅★★★
毛皮夫人サイドカーより下りにけり★★★

●廣田洋一
鉢の木や雪折れもせず枝拡げ★★★
風花やヘッドライトに浮かびをり★★★
客寄せに店の前だけ雪を掻く★★★

●桑本栄太郎
川風の橋の四条やゆりかもめ★★★
南座の錦絵囲み日脚伸ぶ★★★★
南座にかけられた役者の錦絵。その錦絵にも日脚が伸び、明るく照らしている。春はそこまで来ている。(高橋正子)
真青なる空の日差しや深雪晴★★★

1月24日(5名)

●小口泰與
極寒の草津白根の噴火かな★★★★
どどどっと家を揺るがす深雪かな★★★
寒暁はローランサンのピンクかな★★★

●廣田洋一
鉢の土篩にかけて春をまつ★★★
あちこちの旅の案内春を待つ★★★
春待つや一間の畳入れ替えぬ★★★★

●多田有花
冬耕の畦ゆく赤き長靴よ★★★★
寒々とした畑を耕し、畦を歩く人。赤い長靴が荒涼とした景色に一際目立つ。お洒落である。赤い長靴を履くのは男性であろう。昔のゴム長靴のイメージからすれば、日本人の生活がお洒落に洋風になったと思う。(高橋正子)

わらわらと礫のごとし寒の鳥★★★
マフラーに首を埋めてバスを待つ★★★

●桑本栄太郎
鉄塔の冬の入日や天王山★★★★
青々とそこのみ列に冬菜かな★★★
ちりちりと嶺の赤きや寒波来る★★★

●川名ますみ
新雪の小さき花芽に触れて消ゆ★★★★
1月の22日は大雪となったが、雪は降り始めは、小さな花芽に優しく触れて、消えていった。小さな花芽を愛おしみ慈しむような雪の「新しさ」がうれしい。(高橋正子)

段ボールたたみし橇を手に走る★★★
お手製の橇を小脇に庭へ出る★★★

1月23日(4名)

●小口泰與
白鳥のかけ行く羽根に夕日かな★★★★
水しぶき上げて駆け行くスワンかな★★★
二羽寄りてハートマークのスワンかな★★★

●廣田洋一
自転車をそのまま埋めて雪深し★★★★
戸外に置かれたままの自転車に雪が積もり、その形をまますっぽりと埋めてしまった。これほどの雪を想像もしなかったのだろう。「自転車」に普段の生活が見える。(高橋正子)

雪払ひ姿正せり松の木よ★★★
ビル谷間青き空より風花す★★★

●多田有花
<三輪山登拝>
鈴の音を鳴らし神山(おやま)へ寒参★★★★
寒参の清々しさ。「鈴の音」が寒参を厳しいだけでなく、やわらかく澄んだものにしている。(高橋正子)
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素足にて山肌を踏む寒詣★★★
寒晴れの畝傍耳成を望む★★★

●桑本栄太郎
暁闇の枝絡み合い寒茜★★★
水滴の枝にきらめき春隣★★★★
冬萌の売地看板主なき地に★★★

1月22日(4名)

●小口泰與
涸れかれて砂煙あぐ冬田かな★★★
荒縄の結び目新た冬の園★★★★
小魚の遡上妨ぐ冬の川★★★

●多田有花
大寒や陽の明るさに歩みだす★★★
島影の霞みて春の遠からじ★★★
寒暁や山へと向かう列車待つ★★★★
寒暁、冬山へと向かう列車。暁の凍るような冷たさも、「山へと向かう」ということで、吹っ飛ばされる。山へどんな期待があるのか、と想像して興味の湧く句だ。(高橋正子)

●廣田洋一
細雪細き小枝を白く染め★★★
朝の雨音無き雪となりにけり★★★★
朝は細かい雨が降っていたのが、音もなく降る雪に変わった。降りながら「無音」の雪の世界が奥深く広がっている。(高橋正子)

雪降るや飾りし戌の吠え立てる★★★

●桑本栄太郎
暁天に枝の絡みて寒の朝★★★
日曜日の少年野球や冬日燦★★★★
禿頭の僧に日射しや寒ゆるむ★★★

1月21日(4名)

●小口泰與
上州の山を眼下に雪浅間★★★
雪山や園庭にひびく禽の声★★★
波立ちて覚満淵の枯野かな★★★

●廣田洋一
風に耐へ色深まれり冬薔薇★★★
冬の薔薇五本贈りし誕生日★★★★
車椅子電動に変へ冬薔薇★★★

●古田敬二
蕎麦掻や故郷の想い出かき回す★★★
蝋梅やズームアップの先に咲く★★★
芍薬の赤き芽揃う黒き土★★★★
芍薬の芽はつやつやとしている。「赤」といういろも様々だが、つややかな赤が湿りを含んだ黒土に似合い、見るものの気持ちをを生き生きとさせてくれる。(高橋正子)

●桑本栄太郎
あかつきの空に寒林絡み居り★★★
淀川の川波おどる浮寝鳥★★★★
久女忌や明けの鴉の嗤うかに★★★
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自由な投句箱/1月11日~20日(2018年)

2018-01-12 13:26:28 | Weblog

生き生きと、みずみずしい俳句を期待しています。

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今日の秀句/11日~20日(2018年)

2018-01-12 13:25:37 | Weblog

1月20日(1句)

★大寒と言えばいつもや青空に/桑本栄太郎
大寒の入り。そういえば、大寒に入る日はいつも青空だ。大気が透徹して青空が限りなく広がる。(高橋正子)

1月19日(2句)

★底冷えや星の光のとがりたる/廣田洋一
底冷えのする夜、星の光が鋭く尖る。厳しい寒さに星はきりりと美しさを増す。(高橋正子)

★畝の間の水のきらめき寒ゆるむ/桑本栄太郎
畑の畝の間の水たまりは、春を促す雨が降った後であろうが、煌めいて、「寒ゆるむ」を実感させてくれる。(高橋正子)

1月18日(1句)

★早梅や竹林の風柔らかし/廣田洋一
「風柔らかし」の感覚がよい。早梅を見つけると、竹林を吹く風もしなやかに、柔らかくなる。(高橋正子)

1月17日(1句)

★隠れ沼へ冬三日月の光かな/小口泰與
冬の厳しく澄み切った世界がいい。(高橋正子)

1月16日(2句)

★禽立ちて冬晴れの沼ありにけり/小口泰與
禽の飛び去った後の冬晴れの沼。静かでありながら、晴れやかで何か小さなものが動く気配がする。(高橋正子)

★生牡蠣やさっと啜れる海の味/廣田洋一
生牡蠣は生きのいいところをさっと食すのがいい。口に含んだとたんの潮の香が立つのが牡蠣の良さ。(高橋正子)

1月15日(1句)

★頂に立てば眩しき寒の沖/多田有花
「寒の沖」がただ「眩しい」。夾雑物のないすっきりとした景色がいい。(高橋正子)

1月14日(1句)

★裏庭を風のかおらす水仙花/小口泰與
裏庭に咲く水仙を風が吹いて香らせる。裏庭は水仙の香りに満ちて、静かでとても清々しいのだ。(高橋正子)

1月13日(1句)

★枯枝のひろがる天の青さかな/古田敬二
「枯枝」の清潔さが天の青さに際立っている。枯枝とはとはいうものの、内側にはいきいきと樹液が巡っている。(高橋正子)

1月12日(1句)

★写真機をしかと構えり寒禽に/小口泰與
野山に出れば、寒禽の声が飛び交う。写真機を構えて寒禽の様子を撮ろうと構える。被写体の寒禽に、ぐっとカメラを構える心意気。(高橋正子)

1月11日(1句)

★生駒山二日の朝日東より/河野啓一
生駒山が見えるところに住む人にとっては、目を向ければいつも存在する親しい山。新年二日の朝日も東より昇り、新年が歩み始めた心強さ。(高橋正子)
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